今週も引き続き、水中写真家・中村征夫さんのインタビューです。
世界各地の海だけでなく、湖や沼をはじめ、地球上のいろんな水の中にもぐり、シャッターを切り続けている中村さん。
実は、一般人はけして潜ることのできない、特別な場所にも潜っているんです。
ということできょうは、誰もその水の中の様子を知らない神秘の沼福島県裏磐梯にある「五色沼」のお話です。


五色沼は磐梯朝日国立公園の中にあるので勝手に潜ったり、枝1本折っちゃいけないんです。ですからここは誰も潜ったことがないので、沼の底がどうなっているのかきちんと残しておかなきゃいけないんじゃないかなと思ったんです。水が将来干上がってなくなる可能性もあるし、現実になくなった沼もあります。それを残しておくことが大事じゃないかなということで、当時の環境庁と掛け合って、なんとか潜らせてもらうことになりました。これまで30~40回位は潜っています。五色沼といっても本当は100以上あるんです。ただそれを総称して五色沼と言っているんだけれども、探勝路があって、そこをめぐると右に左に有名な沼が見えてきて、それを五色沼と言っているんですが本当はいっぱいあるんです。噴火でせき止められできたのでたくさんあるはずなんですよ。


~今日は写真を持ってきてもらっていますが、幻想的ですよね。
こういう世界を見たことないですね。沼ごとに成り立ちが違うものですから、火山性の鉱物が沸き上がってきているかどうかで全然色が違うんですね。五色沼といわれる沼の中でも、魚が住めるのは2つか3つぐらいしかないんじゃないですかね。硫黄などの火山性の物質が湧き上がっているからほとんどの魚が住めないんです。その中に潜っているわけなんですが、素潜りで撮影しますので、ゴクリと飲んじゃうことがある。水からあがるとひゅーひゅーと声が出ないことがあります。
 最初に顔をつけたのがるり沼という沼でした。有名な沼でとってもきれいなんですが、この沼に最初に入って泳いだ時に、僕はもぐれる人間で本当に幸せものだと思いました。ものすごく大きなサイズのマリモのような、ウカミガマゴケというコケの一緒なんですが、それがつながってお茶畑のようになっているんですよ。水の透明度が良いし視界も抜けていて、何だこの世界は!と思いました。。魚は1匹もいない。沼の底を見たら何か湧き上がっているんです。これケイ酸アルミニウムが湧き上がっているんです。これが沼の神秘の色の元なんです。これに光が反射して瑠璃色に見えているんですね。
 五色沼の現地のガイドさんがいつも僕らを案内してくれたんだけれども、その方も1度も覗いたことがないから「見てみたい!」と。僕は許可を得ているので、一緒にもぐれば大丈夫ということでウェットスーツ着てもらって、みどろ沼という所に潜って見たら感動していました。その景色もまた不思議な沼なんですよ。上から見ると、手前が黄緑色で向こうが青い沼なんですね。手前は全く見えない状態なんですが、上だけでつながっているんです。そこに芦とかが生えているいるんですね。その下あたりからケイ酸アルミニウムが湧き上がっている。だから手前には魚がいないが向こうには魚がいるんです。なぜこんなに黄緑色なのかというとケイ酸アルミニウムに植物プランクトンが混じり合うとこういう色になるんです。濃い緑色になるんです。それで水の綺麗なほうに近づいていったら、植物に鉄分の粒子が覆いかぶさっている。全体に赤っぽい写真になるんですよ。
 いま五色沼の陸上をしっかり撮影しているんですよ。まもなく撮影に行くんですけれども、陸上をしっかり撮ってまとめたいと思っています。


~すごい、水面が揺れているから紅葉も揺れて、青空も揺れています。子どもの頃やったマーブリングを思い出します。ラジオだから全部伝えるのが難しいので、見たい方は写真展が開催中です。五色沼に関する写真展を9月4日から30日まで、裏磐梯高原ホテルで開催中です。気になる方はぜひ足を運んでみてください!詳しくは中村征夫さんのHPをご覧ください。

写真家中村征夫公式ページ –https://squall.co.jp/


「中村征夫の写真絵本『サンゴと生きる』写真・文/中村征夫 監修/茅根創」

【番組内でのオンエア曲】
・LOST IN THIS CITY / Michael Kaneko
・Sunday Candy / Donnie Trumpet & the Social Experiment

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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