
今週は南国の果物・パッションフルーツをめぐるレポートをお届けします。
場所は、千葉県館山市。去年の台風で農業も大きな被害を受けた地域ですが、実はこちらで、南国の果物・パッションフルーツ作りに挑戦を続け、台風被害を乗り越えようとしている、若き農家の方がいるんです。
お邪魔したのは、館山でも内陸のほうにあるRYO’S FARMというパッションフルーツ農園。去年、千葉県を立て続けに襲った台風で、館山・南房総は農業も大きな被害を受けましたが、こちらの農園はまさにいま、次の収穫へ向けて 準備を進めようとしているところでした。
この農園を営む、梁寛樹さんに案内していただきました。

うちは全部で3つハウスがあるんですけど、ビニールは台風15号の時に全部はがされてしまいました。

ただこっちのハウスはビニールを剥がされたけどパイプは無事だったんですよ。なので、中のパッションフルーツも一応生きています。ただこっちは全部倒れてしまったので、パッションフルーツも引っこ抜いてしまいました。でも夏の終わりの方だったので、7~8割くらいは収穫した後だったので、その部分に関してはそれほど被害は大きくなかったんです。ただ、骨組みごと建て直しなのですが、業者さんも館山中のビニールハウスがやられているので、順番待ちをしているところです。多分春先とかそのぐらいのタイミングで着工になるのかなと思いますね。できれば春には苗を植えたいので、それまでにハウスが直れば、今年の夏に穫れるんですけど、5月や6月になるとちょっと間に合わないかもしれません。
RYO’S FARMは、去年の台風15号でビニールハウスが被害を受け、その後の19号で海からの塩水による塩害があり、さらに21号による大雨・浸水被害を受けたのだそうです。
ただ、パッションフルーツの“植物”自体は無事のものもありました。実はこれが、本当に不幸中の幸いだったそうなんです。
しっかり張ってきていて、春になって暖かくなってくれば新しい芽が伸びて、また夏に収穫ができます。3メートル間隔で植えているんですけれども、1本で大体80個とか収穫できます。冬場も60個ぐらい取れますね。本来であれば9月から10月にかけてまた同じ木で花が咲くんです。それが受粉するとその木にもう一回、1月から2月に実がつくので、本当だったら今の時期も冬のパッションフルーツを収穫しているできるんですけど、今年は台風の影響で冬の収穫は見送って、次の夏に備えているます。
パッションフルーツは挿し木でいくらでも増えるので、これからたくさん苗を作って、もし向こうのハウスが春までに修復が間に合えば植えて、次の夏に収穫するプランですね。

~無事な苗木があってよかったですね。
そうですね。全滅だったらどこか他の産地から苗を調達したりとかしなければいけないので、そうするとまた味が微妙に変わって来ちゃったりすると思うんです。結構うちのパッションフルーツの味を気にいってくれるお客さんもいらっしゃるので、その味、この苗を守れて良かったなと思っています。

パッションフルーツは沖縄などが産地として有名ですが、実は12~3年前から 千葉県内の農業研究施設で栽培法が研究されていて、徐々に生産者も増えているのだそう。とはいえ、なぜ梁さんはパッションフルーツ作りを選んだのか。その理由はちょっと意外なものでした。
もともと東京出身なんですけど、サーフィンをしたくて、8年前に館山に移住しました。館山市の地域おこし協力隊という、総務省の制度なんですけど、3年間都心から田舎に若者を誘致して、館山市の場合はちょうど農家の後継者がいないということで若者を募集していて、館山市のいろんな農家さんの所で研修を積んで、農家として独立したという感じですね。研修先がマンゴー農家だったんですよ。館山に一軒だけあるマンゴー農家さんに惚れ込んでしまって、そこのおじいさんに水のかけ方から肥料のやり方まで全部教わりましたね。せっかくだったら熱帯のものを作れたら作りたいなと思って、まず最初に始めたのがマンゴー、アボカド、そしてパッションフルーツ。3つ作ってみて、1番うまく作れたのがパッションフルーツだったんです。


パッションフルーツって、最初は青いんですよ。それがちょっとオレンジっぽく色づいてきて、最終的に真っ赤な深い赤になるんですけど、完熟する深い赤になる前に、自然に落下しちゃうんですよね。その自然に落下したものを2週間ぐらい追熟、あったかいところに置いておくと色がついてくる。それを出荷するのが今までのパッションフルーツのやり方だったんですけど、そうするとどうしても外側は色がついてきても、中はそれ以上追熟しないんです。それに落ちた衝撃で中の実が剥がれて、それで酸っぱくなっちゃうという部分もあります。なので1年目は、ボタボタ落ちて地面にパッションフルーツがごろごろ転がっていて、どうしようかなと思いました。それでいろいろ考えて、洗濯バサミでひとつひとつ木の上に止めていくという方法を思いついて、やり始めました。

強制的に木の上で完熟させるというやり方をやってますね。めちゃめちゃ手間なんですけど、大体夏に2万個ぐらい洗濯バサミで止めていますね。
千葉県館山市でパッションフルーツ農園を営むRYO’S FARMの梁寛樹さんのお話、いかがだったでしょうか。来週も引き続きインタビューの続きをお届けします。
RYO’S FARMサイト→https://ryosfarm.com/
【今週の番組内でのオンエア曲】
・Memories / MAN WITH A MISSION
・Winter Things / Ariana Grande