- 2019.07.07
『PLANET of WATER』写真家 高砂淳二さんインタビュー3
先々週から自然写真家・高砂淳二さんに、「水」をテーマにした写真集「プラネット・オブ・ウォーター」をめくりながら、いろんなお話を伺ってきました。
激しくうねるアフリカの海とそれを軽々とサーフィンするように泳ぐイルカ、雨の中でたたずむ南米の美しい鳥、体をブルブルして水しぶきを飛ばすグリズリー・・・などなど、「水」に視点をおいて撮影した自然の様々な姿がまとめられているんですが、そのあいまに高砂さんはいくつかの「文章」を入れています。高砂さん、そこにどんな思いを込めたのか。最後はそんなお話です。

~写真集を見ていると、高砂さんからの文字のメッセージjもすごく印象的で、たとえば、「地球の表面の3/2は水で覆われている。水は雲、雨、雪、滝、氷、海水と形を変えながら地球の上をぐるぐる循環している。」というのが書いてあります。
僕らも3/2が水ですから、体の中でぐるぐるいつも水は入れ替わってるんですよね。なので、海とかいろんなところで撮影していて感じるのは、この水を汚したら、イコール体の水を汚すことになるよねっていうのはすごく実感してますね。
~写真集を見ながら、そういうメッセージがあって、次にまた水のきれいな写真とかが出ると、見方が変わるなという感じがします。
そういう風になればいいなと思って、3~4ヶ所に入れたんです。やっぱりなにか伝えるにしても、僕がやりたいのは悲惨な状況を写真で見せるドキュメンタリー的なものじゃなくて、「地球ってすごいよね」「水ってやっぱり大事だね」とか、そういうふうに思ってもらえたらいいなと思って作ってます。
この仕事を始めた30年以上前ですけど、モルディブの海に行って、海パン一丁でぽかんと浮かんだことがあったんです。そうしたらやたらと気持ちがよくて、もうどんどん力が抜けて、海と自分の境目がわからなくなるような感じになったんですよね。で、「何だこの気持ちよさは!」とか思ったんですけど、人の体液というのは海水とほとんど組成が一緒だっていうのを後で聞いて、妙に合点がいったんです。しかも全部の生命が海からでたっていわれているじゃないですか。例えば人なんかも、空中に出てくると、生きるのは大変らしいんですよね。なので、海を皮膚で囲って、陸に上がってきて、いつも海を持っている状態で暮らしているという感じがするんですよ。植物なんかも、陸に上がって大変だけど、地中に根を生やすことで、地中に水から化学反応とかもできて、栄養も取り込めるみたいなね。だから海を見るとなんか落ち着くとか、気持ちいいっていうのは、そういうのかもしれないですよね。
~今回の写真集は、世界20カ国くらいで撮った写真ということですが、日本の写真もありますか?
小笠原で撮ったのが3点ほどありますね。あと静岡で一枚撮ってます。静岡は水中でお花がいっぱい咲いているような写真なんですよ。柿田川っていう川なんですよ。
~水面の下にいっぱい白い花が咲いてますね。
これはミシマバイカモっていう花なんですけど、富士山の伏流水がこの柿田川で湧き上がってるんですね。で、そのきれいな水でミシマバイカモが育つんだそうです。普通だと水には入れないんですけれども、現地のNPOさんの協力で、ちょっと水に入らせてもらって撮りました。この伏流水は士山に降った雨とか、つもった雪が溶けて、富士山に染み込んでそれが長い時間を書けてこういうところに出てくるらしいんですよね。水の透明度がものすごいですよね。永遠に見える感じです。長い間ろ過されて出てきたからなんだと思うんですね。でもね、以前は周りに工場がいっぱいあって、水が本当にひどい状態に汚れていて、ヘドロが下に沈んでいて大変だったんだそうです。そこで、現地のNPOさんがいろんな運動をされて、工場の排水も流れなくなって、だんだんきれいになって、今やっとこういう状況になっているわけです。今もNPOさんがそこで昔の状況を説明したり、その写真とか見せて、前はこうだったのをやっとこういうふうにしたんだよとか、こういう事が大事なんだよっていうのを見せていらっしゃるんですよね。そういうすごく貴重な場所の写真です。
~まさかこの写真が静岡だとは思いませんでした。こんなきれいなところがあるんですね。しかも私達の手で復活することができる象徴なんですね。
いま写真展をやっていて、写真展会場で動画を写してますけど、それもこの柿田川で、つい2ヶ月くらいまえに撮ってきたんですね。
~写真展ではトークイベントもあるんですよね。
そうですね。その身はインドの写真もいっぱい用意して、どんな感じで撮影したとかもお話しますよ。

『Planet of Water』高砂淳二(日系ナショナルジオグラフィック社)
高砂淳二さんのお話、いかがだったでしょうか。写真展、トークイベントの情報など、詳しくは高砂さんのウェブサイトをチェックしてみてください!
→http://junjitakasago.com/
【今週の番組内でのオンエア曲】
・You Need To Calm Down / Taylor Swift
・B-3 / Def Tech
激しくうねるアフリカの海とそれを軽々とサーフィンするように泳ぐイルカ、雨の中でたたずむ南米の美しい鳥、体をブルブルして水しぶきを飛ばすグリズリー・・・などなど、「水」に視点をおいて撮影した自然の様々な姿がまとめられているんですが、そのあいまに高砂さんはいくつかの「文章」を入れています。高砂さん、そこにどんな思いを込めたのか。最後はそんなお話です。

~写真集を見ていると、高砂さんからの文字のメッセージjもすごく印象的で、たとえば、「地球の表面の3/2は水で覆われている。水は雲、雨、雪、滝、氷、海水と形を変えながら地球の上をぐるぐる循環している。」というのが書いてあります。
僕らも3/2が水ですから、体の中でぐるぐるいつも水は入れ替わってるんですよね。なので、海とかいろんなところで撮影していて感じるのは、この水を汚したら、イコール体の水を汚すことになるよねっていうのはすごく実感してますね。
~写真集を見ながら、そういうメッセージがあって、次にまた水のきれいな写真とかが出ると、見方が変わるなという感じがします。
そういう風になればいいなと思って、3~4ヶ所に入れたんです。やっぱりなにか伝えるにしても、僕がやりたいのは悲惨な状況を写真で見せるドキュメンタリー的なものじゃなくて、「地球ってすごいよね」「水ってやっぱり大事だね」とか、そういうふうに思ってもらえたらいいなと思って作ってます。
この仕事を始めた30年以上前ですけど、モルディブの海に行って、海パン一丁でぽかんと浮かんだことがあったんです。そうしたらやたらと気持ちがよくて、もうどんどん力が抜けて、海と自分の境目がわからなくなるような感じになったんですよね。で、「何だこの気持ちよさは!」とか思ったんですけど、人の体液というのは海水とほとんど組成が一緒だっていうのを後で聞いて、妙に合点がいったんです。しかも全部の生命が海からでたっていわれているじゃないですか。例えば人なんかも、空中に出てくると、生きるのは大変らしいんですよね。なので、海を皮膚で囲って、陸に上がってきて、いつも海を持っている状態で暮らしているという感じがするんですよ。植物なんかも、陸に上がって大変だけど、地中に根を生やすことで、地中に水から化学反応とかもできて、栄養も取り込めるみたいなね。だから海を見るとなんか落ち着くとか、気持ちいいっていうのは、そういうのかもしれないですよね。
~今回の写真集は、世界20カ国くらいで撮った写真ということですが、日本の写真もありますか?
小笠原で撮ったのが3点ほどありますね。あと静岡で一枚撮ってます。静岡は水中でお花がいっぱい咲いているような写真なんですよ。柿田川っていう川なんですよ。
~水面の下にいっぱい白い花が咲いてますね。
これはミシマバイカモっていう花なんですけど、富士山の伏流水がこの柿田川で湧き上がってるんですね。で、そのきれいな水でミシマバイカモが育つんだそうです。普通だと水には入れないんですけれども、現地のNPOさんの協力で、ちょっと水に入らせてもらって撮りました。この伏流水は士山に降った雨とか、つもった雪が溶けて、富士山に染み込んでそれが長い時間を書けてこういうところに出てくるらしいんですよね。水の透明度がものすごいですよね。永遠に見える感じです。長い間ろ過されて出てきたからなんだと思うんですね。でもね、以前は周りに工場がいっぱいあって、水が本当にひどい状態に汚れていて、ヘドロが下に沈んでいて大変だったんだそうです。そこで、現地のNPOさんがいろんな運動をされて、工場の排水も流れなくなって、だんだんきれいになって、今やっとこういう状況になっているわけです。今もNPOさんがそこで昔の状況を説明したり、その写真とか見せて、前はこうだったのをやっとこういうふうにしたんだよとか、こういう事が大事なんだよっていうのを見せていらっしゃるんですよね。そういうすごく貴重な場所の写真です。
~まさかこの写真が静岡だとは思いませんでした。こんなきれいなところがあるんですね。しかも私達の手で復活することができる象徴なんですね。
いま写真展をやっていて、写真展会場で動画を写してますけど、それもこの柿田川で、つい2ヶ月くらいまえに撮ってきたんですね。
~写真展ではトークイベントもあるんですよね。
そうですね。その身はインドの写真もいっぱい用意して、どんな感じで撮影したとかもお話しますよ。

『Planet of Water』高砂淳二(日系ナショナルジオグラフィック社)
高砂淳二さんのお話、いかがだったでしょうか。写真展、トークイベントの情報など、詳しくは高砂さんのウェブサイトをチェックしてみてください!
→http://junjitakasago.com/
【今週の番組内でのオンエア曲】
・You Need To Calm Down / Taylor Swift
・B-3 / Def Tech