- 2022.09.04
山頂に到着!そこにあったのは…「標高1925mの車山神社に、“鎮守の森”はあるのか」_②
今週も、長野県茅野市にある「車山神社」からのリポートです。
標高や様々な条件で、そこから先は森が育たなくなるボーダーラインがあります。
それが「森林限界」とよばれるもの。
富士山で言えば標高2500mあたり(五合目)が森林限界とされています。
今回 取材した長野県茅野市・車山にある車山神社は、標高1925m…
かなり高いところにありますが、
そんなところに、土地本来の樹木でできた「鎮守の森」はあるのでしょうか。
林学博士の西野文貴さん、車山神社の宮司・宮澤さんの調査団一行、
その答えを求めて山頂を目指します。
===========

(車山の山頂を目指す一行)
西野さん:さぁ、、、そんなところに森が出てきました。
これがこの地域の、故郷の森にちょっと近い形ですね。
幹が白、茶色になっていて、これはダケカンバ。
一瞬シラカバに見えるんですが、よく見ると白と茶色の肌が見えますよね。
ダケカンバの特徴なんです。
ダケカンバはカバノキ科の仲間で、
種子が風によってどんどん運ばれるんです。
車山高原はスキー場なので夏は草刈りをしていることで
草原を維持しているんですが、
おそらく草原を維持していない場所はこのように
森林になっているんです。他にもナナカマドの仲間ですね。
葉っぱが、羽状複葉と言うんですが、
鳥の羽みたいにふさふさとしたつき方をしている。
これがナナカマドの仲間。
他にもあれはオオカメノキですね。
オレンジっぽい花と芽がちょうどついていますね。
あの苔みたいなのがコケです。

(「ダケカンバ」の林)
高橋:こんな標高が高いところに苔がいる?
西野さん:だから森の形はいろいろ変われど、
やっぱり高い木があって低い木があって、
コケや低木があるという構造はあまり大きく変わらないんですね。
高橋:じゃあ、ここはもしかして鎮守の森になり得るところ?
西野さん:はい。
これがずっと人が手を入れなければ森林の木々が太っていって、
その場所に合っている潜在自然植生、
ダケカンバやナナカマドやオオカメノキが種を落として、
ずっと自己修復を繰り返して持続し続けるんです。
宮澤さん:神職として、正月はマイナス20度の中で
神事をやるんですよ。
その中で植物たちはこんなに脈々と生きていて、
びっくりしました。
西野さん:ただ全部の場所が標高だけで森林限界で
森林になる。ならない。ではなく、
日本は風がつよいので、
風が強すぎて森にならないところもあったりします。
今日は風が強いと思って、風速計を持ってきました。

(風速計を取り出す西野さん!)
高橋:なぜ風速計を持ってきたんですか?
西野さん:日本はすごく風が強く、
果たして今日はどれぐらいあるのか見てみようかなと。
いま秒速3メートルかな。
山の上に行ったらすごく風が強いと思うんです。
そうすると、風が強くて雪が降ったりすると
多分ダケカンバ等は見られないんじゃないかと。
それを見たくて今日は持ってきてしまいました、風速計。
高橋:ではその仮説を立証しに行ってみましょう!
==頂上到着!!==

(「車山神社」到着!)
宮澤さん:こちらが1925メートルですね。
車山神社の鳥居でございます。正面に見えますのは富士山ですね。
(「車山神社」の鳥居)

(富士山が見えます!!)
高橋:鳥居の中から富士山が見えるんですね。すごくありがたい感じがしますね。

(参拝する一行)
宮澤さん:縄文から祈りの場だったと言われる場所です。
いろんな出土品も出ていて、もともとこの茅野という
土地は縄文が日本でも一番長く続いた土地と言われていて、
向こうに行けば見えると思うんですが中に入りましょうか。
宮澤さん:どうですか、360度日本中の山々が見えて。
富士山が見えますが、南アルプス、北アルプス、八ヶ岳、
本当に山山が無数に360度。
雲が下に見えて、雲海のように見えますね。
ここはさっき言ったように縄文からの祈りの場で、
やっぱりこういう景色を縄文の人は見て
いろんなところに神が宿るのかなと感じたのかと僕は思いますね。
高橋:車山神社にお参りしてきましたが、鎮守の森ですよね。


(4本建てられた御柱)
西野さん:今回、テーマは日本全国いろんな鎮守の森を見てきた中で、
標高2000メートルくらい上がった時に果たして森があるのか
というところから始まったと思うんですが、
さっき風速計で調べたらなんと風速13メートル毎秒。
これが20メートルだと人が立っていられない。
なのでものすごく風が強いところにいるんですが、
木々が全然ないです。でも周りを見てみると、
やっぱり草があるんですね。ススキがあったり、
秋のキリンソウという仲間もいたりとか、
ハイマツ(這松)と呼ばれる這うように生える木々はあるんですよ。
さらにびっくりしたのが、神社の周りに木が4つ立ててあるんですけど、
あれは何なんですか?
宮澤さん:あれは、ここは諏訪の地なので
諏訪大社さんが7年に一度やる御柱を、
周りの神社でもみんなやっていまして、
弊社も同じく御柱祭を7年に一度やります。
今年がその7年に1度の年で、
6月くらいに周りの山々の神聖な場所から木を切って、
いまは寝かしている段階で、10月に300人ぐらいで下からあげる。
諏訪大社さんは下ろすんですが、
うちは山頂にある神社なので上げるしかないんです。
西野さん:それで僕は、やっぱり鎮守の森というのは
要するに自然と人のちょうど間にあるようなものだと思っていて、
今日そう感じたんですね。これは僕なりの意見なんですけど、
御柱を下から切って上げてくる。
やっぱり自然を敬う気持ちだとか、考える心というのを持ちながら、
なぜあれが石じゃなくて木なのか、
なぜわざわざ自然の命をいただきながら立てているのか。
おそらく人によって考え方、向き合い方、楽しみ方は別々だと思っていて、
今も目の前にたくさんの岩が積み上がっていますが、
そこに自然の雄大さとか大事さを感じる人もいれば、
御柱を見て感じる方もいらっしゃったり、
登る人や訪れる人によって鎮守の森の形って、
いろんな考え方があるのかなと考えさせられる一日でしたね。
罪、汚れが払われたような。もう僕じゃないんじゃないか。

「標高1925mの車山神社に、“鎮守の森”はあるのか」
長野県茅野市 車山からのリポートでした。
【今週の番組内でのオンエア曲】
・How Deep Is Your Love / Bee Gees
・A Sky Full Of Stars / Coldplay
標高や様々な条件で、そこから先は森が育たなくなるボーダーラインがあります。
それが「森林限界」とよばれるもの。
富士山で言えば標高2500mあたり(五合目)が森林限界とされています。
今回 取材した長野県茅野市・車山にある車山神社は、標高1925m…
かなり高いところにありますが、
そんなところに、土地本来の樹木でできた「鎮守の森」はあるのでしょうか。
林学博士の西野文貴さん、車山神社の宮司・宮澤さんの調査団一行、
その答えを求めて山頂を目指します。
===========

(車山の山頂を目指す一行)
西野さん:さぁ、、、そんなところに森が出てきました。
これがこの地域の、故郷の森にちょっと近い形ですね。
幹が白、茶色になっていて、これはダケカンバ。
一瞬シラカバに見えるんですが、よく見ると白と茶色の肌が見えますよね。
ダケカンバの特徴なんです。
ダケカンバはカバノキ科の仲間で、
種子が風によってどんどん運ばれるんです。
車山高原はスキー場なので夏は草刈りをしていることで
草原を維持しているんですが、
おそらく草原を維持していない場所はこのように
森林になっているんです。他にもナナカマドの仲間ですね。
葉っぱが、羽状複葉と言うんですが、
鳥の羽みたいにふさふさとしたつき方をしている。
これがナナカマドの仲間。
他にもあれはオオカメノキですね。
オレンジっぽい花と芽がちょうどついていますね。
あの苔みたいなのがコケです。

(「ダケカンバ」の林)
高橋:こんな標高が高いところに苔がいる?
西野さん:だから森の形はいろいろ変われど、
やっぱり高い木があって低い木があって、
コケや低木があるという構造はあまり大きく変わらないんですね。
高橋:じゃあ、ここはもしかして鎮守の森になり得るところ?
西野さん:はい。
これがずっと人が手を入れなければ森林の木々が太っていって、
その場所に合っている潜在自然植生、
ダケカンバやナナカマドやオオカメノキが種を落として、
ずっと自己修復を繰り返して持続し続けるんです。
宮澤さん:神職として、正月はマイナス20度の中で
神事をやるんですよ。
その中で植物たちはこんなに脈々と生きていて、
びっくりしました。
西野さん:ただ全部の場所が標高だけで森林限界で
森林になる。ならない。ではなく、
日本は風がつよいので、
風が強すぎて森にならないところもあったりします。
今日は風が強いと思って、風速計を持ってきました。

(風速計を取り出す西野さん!)
高橋:なぜ風速計を持ってきたんですか?
西野さん:日本はすごく風が強く、
果たして今日はどれぐらいあるのか見てみようかなと。
いま秒速3メートルかな。
山の上に行ったらすごく風が強いと思うんです。
そうすると、風が強くて雪が降ったりすると
多分ダケカンバ等は見られないんじゃないかと。
それを見たくて今日は持ってきてしまいました、風速計。
高橋:ではその仮説を立証しに行ってみましょう!
==頂上到着!!==

(「車山神社」到着!)
宮澤さん:こちらが1925メートルですね。
車山神社の鳥居でございます。正面に見えますのは富士山ですね。

(「車山神社」の鳥居)

(富士山が見えます!!)
高橋:鳥居の中から富士山が見えるんですね。すごくありがたい感じがしますね。

(参拝する一行)
宮澤さん:縄文から祈りの場だったと言われる場所です。
いろんな出土品も出ていて、もともとこの茅野という
土地は縄文が日本でも一番長く続いた土地と言われていて、
向こうに行けば見えると思うんですが中に入りましょうか。
宮澤さん:どうですか、360度日本中の山々が見えて。
富士山が見えますが、南アルプス、北アルプス、八ヶ岳、
本当に山山が無数に360度。
雲が下に見えて、雲海のように見えますね。
ここはさっき言ったように縄文からの祈りの場で、
やっぱりこういう景色を縄文の人は見て
いろんなところに神が宿るのかなと感じたのかと僕は思いますね。
高橋:車山神社にお参りしてきましたが、鎮守の森ですよね。


(4本建てられた御柱)
西野さん:今回、テーマは日本全国いろんな鎮守の森を見てきた中で、
標高2000メートルくらい上がった時に果たして森があるのか
というところから始まったと思うんですが、
さっき風速計で調べたらなんと風速13メートル毎秒。
これが20メートルだと人が立っていられない。
なのでものすごく風が強いところにいるんですが、
木々が全然ないです。でも周りを見てみると、
やっぱり草があるんですね。ススキがあったり、
秋のキリンソウという仲間もいたりとか、
ハイマツ(這松)と呼ばれる這うように生える木々はあるんですよ。
さらにびっくりしたのが、神社の周りに木が4つ立ててあるんですけど、
あれは何なんですか?
宮澤さん:あれは、ここは諏訪の地なので
諏訪大社さんが7年に一度やる御柱を、
周りの神社でもみんなやっていまして、
弊社も同じく御柱祭を7年に一度やります。
今年がその7年に1度の年で、
6月くらいに周りの山々の神聖な場所から木を切って、
いまは寝かしている段階で、10月に300人ぐらいで下からあげる。
諏訪大社さんは下ろすんですが、
うちは山頂にある神社なので上げるしかないんです。
西野さん:それで僕は、やっぱり鎮守の森というのは
要するに自然と人のちょうど間にあるようなものだと思っていて、
今日そう感じたんですね。これは僕なりの意見なんですけど、
御柱を下から切って上げてくる。
やっぱり自然を敬う気持ちだとか、考える心というのを持ちながら、
なぜあれが石じゃなくて木なのか、
なぜわざわざ自然の命をいただきながら立てているのか。
おそらく人によって考え方、向き合い方、楽しみ方は別々だと思っていて、
今も目の前にたくさんの岩が積み上がっていますが、
そこに自然の雄大さとか大事さを感じる人もいれば、
御柱を見て感じる方もいらっしゃったり、
登る人や訪れる人によって鎮守の森の形って、
いろんな考え方があるのかなと考えさせられる一日でしたね。
罪、汚れが払われたような。もう僕じゃないんじゃないか。

「標高1925mの車山神社に、“鎮守の森”はあるのか」
長野県茅野市 車山からのリポートでした。
【今週の番組内でのオンエア曲】
・How Deep Is Your Love / Bee Gees
・A Sky Full Of Stars / Coldplay