プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森~voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

今日は、この番組もずっと参加してきた
鎮守の森のプロジェクトについてお伝えします。
東日本大震災をきっかけに始まったこの森作りも回数を重ね、
本当に豊かな森が育ち、次の段階へ向かおうとしています。
このあとスタジオに、このプロジェクトで植樹指導を続けてきた
東京農業大学・西野文貴さんをお招きしてお話聞いていきます。


「鎮守の森のプロジェクト」



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高橋:きょうはスタジオにこの方にお越しいただきました。
東京農業大学の研究者で、鎮守の森のプロジェクトの植樹リーダー、
西野文貴さんです。よろしくおねがいします。


西野:よろしくおねがいします!

高橋:今回は、私もずっと参加してきた
東日本大震災で被災した東北沿岸部を中心に続けてきた「鎮守の森のプロジェクト」による森作りの今年の活動について伺いのですが、改めてこの植樹が目指す「命を守る森」これはどういうことか教えていただけますか?


西野:やっぱり、東日本大震災で大きな津波がきて
たくさんのモノが流されてしまった。でも、その中で残った森があった。
どうやら、それを調べていくと「鎮守の森」であった。
その木々は、根がすごく深くまで入っているんですよね。
例えば、植樹でも植えられている木で“タブの木”は、
将来30mまで本来であれば育つ木なんですけども、
この気の根っこが下までグッと入っていて、
そういう木々があることで、神社が守られていて流されていないと。
じゃあ、この先、また来る津波に対して
コンクリートの防潮堤だけでなく、自然に守ってくれる
森の防潮堤を海岸線にずっと作っていこうということで
始まったのがきっかけなので、
岩沼の活動もありますが、南相馬や東北沿岸ずっと
森の防潮堤を作っていこうという活動になります。


高橋:私も植樹に参加させていただいて、いろんな気を植えるじゃないですか。
それこそ、西野先生と一緒に植えると、これは低木ですよ。これは大きくなるタブの木ですよとか、いろんな種類の木を植えている印象なんですが、
「鎮守の森のプロジェクト」としては、ゴールというか、
何年後にこういう森を作りたいから、今、こういう木を植えているというのはありますか?



西野:うわぁ。これは結構、なかなか難しい質問なんですけど、
次の津波に備えるためというのが一番にあるので、
基本的には、僕らは30年くらいをみて、
30年後には、20mにはなってほしいと。それを一旦目指しています。
やっぱり、自然がゆっくりでも、勝手に戻るスピードと、
もしくは、その自然がもとに戻るのを後押ししてあげることで
早く、それができるのであれば、早く戻してあげたいと思っています。


高橋:植える種類も変わりました?

西野:やっぱり、この9年間を通して、
その樹種なんですが、途中でここは風がつよすぎるなぁとか、あったときは
新しい樹種を試みて、自然にもともとあったやつを使ったりとか、
その中でも面白かったのが2018年くらいに、
実はオオバイボタという木を使い始めたんですけども、
これ、今まで一般の流通のなかで生産がなかったんですね。
でも、「鎮守の森」を調査してみると、この「オオバイボタ」という木が
東北では津波に流されずに残っているぞと、言うことが分かったので、
そこから2~3年前から、今まで育てたことなかったんですが、
種から挑戦して育てたという経緯がこの9年間の間にありました。


高橋:「オオバイボタ」、見た目はどんな感じですか?

西野:大きくなっても3mくらいで、
いわゆる低木と言われる木々で、「縁の下の力持ち」
なので、森の中のすごい中にあるというよりは
森の淵にあって、風などが森の中に入らないように
防御してくれるんですよね。



高橋:植樹に毎年参加すると、
全国から、ボランティアの方がいらっしゃって、
地元の方とか、毎年来てくれてくれる方もいますけど
10年近く続けてきて、「森」をつくることとか、
育てるということへの、参加する方への意識の変化って感じますか?


西野:あると思います。
僕自身も、気持ち変わったかもしれないですね。そういう意味でも。
特に最初は、何にもないところに作り始めて、本当にできるの?と
半信半疑なところもありながらやっていたと。
そこは地元住民の方も「これ本当に大きくなるの?大丈夫か?」
みたいなところもありながら
でも、みんなで協力してやってきたと。
だんだん、3年、4年、5年と経つにつれて
最初に植えた木々は成長してくるんですよね。
その姿を見ると、イケる!と。
だんだん自信がついて、途中で10万本植樹なんていうのも
1万人参加というのもやったんですが
やっぱり、地元の方にもたくさん協力していただいて、
毎年くる方の心の中の木々が、成長しているという感じもします。


高橋:子供の時に植えた木が大人になって森になっていくと
すごい、親御さんが楽しみにしていたり、
「命を守る森」ための営業だけれども、
その人にとっての憩いの場とか。大切な場所になっていくという
ちょっと、いいなと思ってみていますよね。

そうすると、そこだけじゃなくて
周りも変化っておきていくんですか?


西野:あると思いますね。
一番は、植えた木々が成長して
その木の後ろ側とか。要するに風がだんだん暴風されて、
抑えられて、その後ろが早く自然に戻り
やすくなるという効果は、あると思います。


高橋:植えたところだけでなく、
周りにいい機会をもたらすかもしれないと。


西野:僕らが活動させていただいている
沿岸の、さらに海が近い部分は
松の植樹をさせていただいているんですが、
その末も年々。少しずつ大きくなっているんですね。

その木々がさらに大きくなって10m~15mとかなってくれば、
僕らが植えている森も症状効果で両方とも、すごく大きくなってくると思います。

自然っていつも思うのは、比例じゃないんですよね。
毎年、+1+1 されるわけではなく、
途中からグッとおおきくなるんですね。
それが自然というか生物の面白いところだと思いますね。



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ゲストに鎮守の森のプロジェクト・植樹リーダーで
東京農大の研究者・西野文貴をお迎えして、
今年の植樹祭について、お話伺いました。


「鎮守の森のプロジェクト」  

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Meet The Moonlight/Jack Johnson
・歓びの種/YUKI

     ポッドキャストを聴く  
今回は、熊本・阿蘇の自然の「特別な楽しみ方」をお届けします。
その名も「南阿蘇 夜の山散歩」。
普段は立ち入り禁止になっている阿蘇の大草原を特別に開放する企画です。
太陽に照らされていると見えない、日が暮れることで姿を現すもうひとつの阿蘇の姿。



「南阿蘇 夜の山散歩」は、熊本地震後の南阿蘇村で生まれたアイデアです。
主催しているのは「REASO(リアソ)」という会社。
地元の様々な関係者が集まって立ち上げた会社で、
アウトドアを中心に南阿蘇の魅力を発信する企画を展開しています。
代表の増田一正さんに伺いました。


「星と火山と草原と南阿蘇」

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<< 現地レポートの様子 >>

高橋:震災前に立ち上げたREASOについて教えてください。

増田:地震後中までいろいろ考えまして。
どうやって南阿蘇を復興できるか。旅館業英会話デザイナーアウトドア飲食店、公認会計士。


高橋:アウトドアで盛り上げようということ?

増田:自然がすごい豊かできれい。
それを生かした観光を盛り上げができればとアウトドア中心に。


高橋:4月から夜の山を散歩するイベントが?

増田:毎週土曜日、夜の山散歩を。
星は宇宙の物語で火山は地球の営み。
草原は人の力が入っている。
3つを感じてもらえる阿蘇はなんどいっても私も感動する。




高橋:どんなところを散策するんですか?

増田:牧野という赤牛が放牧されている草原がある。
牛が寝ている横を歩いて目指すは夜峰山の山頂。
標高930m。満月の日は懐中電灯もいらない。
新月の時は満天の星空が条件次第でみられて
星の明かりでゆっくり上っていく感じ。




増田:場所は阿蘇のカルデラ。
100kmのなかのカルデラの地形が阿蘇。
その中心からちょっと外れた夜峰山の山頂でやっている。


高橋:頂上でなにを?

増田:寝っ転がれるマットをレンタルして広げて、
星空を見たりうちのなかにいるような静かなひと時が流れる。


高橋:天の川も見られます?



増田:もちろん見えるしながれ星も。
透き通った空が広がるときは。
山頂からは南阿蘇の夜景もみられるので人の明かりも見えるし
宇宙や地球、草原の歴史観のなかでいま包まれているとか、
一緒に大事な人といられる、
ひとときが感じられるのが夜の山散歩の醍醐味です。


高橋:カルデラはすごいですね。

増田:カルデラの地域も、9万年前、
いろんな火山があってマグマが出て地下に空洞ができて
地盤沈下でくぼみができて、8000年前は中腹まではカルデラ湖。
いま暮らしがあるところは水の底だったが
そのカルデラの一つが決壊して湖が流れて
肥沃な大地となり今の生活につながっている。
その崩れたところが6年前の熊本地震、断層が走ったところで、
そこには昔から断層があって地震が起きていて、
自身は大変だがなかったら今の阿蘇の景色はできていないと思っている。


高橋:阿蘇で暮らしていると感じますね。

増田:普段は感じない、
薄れているが改めてみてすごいなと感じますね。




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「南阿蘇 夜の山散歩」のリポートお届けしました。

★増田さんが営むレストラン「Minaasoマルデン」  


「星と火山と草原と南阿蘇」
・「南阿蘇 夜の山散歩」は、4月から11月まで楽しめます。
・所要時間…4月~10月はよる8時~10時
詳しくは、HPをご覧ください。



【今週の番組内でのオンエア曲】
・Starving/Hailee Steinfeld & Grey
・時間旅行/Dreams come true

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高橋万里恵
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