- 2021.05.30
「焚き火の料理と片付け、そして未来」焚火マイスター・猪野正哉さん_4
さて、焚き火マイスター・猪野正哉の拠点、
千葉県千葉市にある「たき火ヴィレッジ〈いの〉」。
こちらで猪野さんが教えてくれた焚き火は、
できるだけ手間をかけず、「焚き火を楽しむ」ためのやり方でした。

キャンプの焚火というと、
その火を使って料理を美味しく作る!というのも楽しみの一つですが、
猪野さんは、この“料理”についても、ご自身の著書『焚き火の本』の中で
独特の考え方を伝えてくれています。

皮がついたやつだったら何でも
そのまま焼いちゃっていいと思います。
今のシーズンだったらそのままだったりとか、みかんだったり。
焼きみかん。美味しいですよ。
焼くだけ、以上、という事はそのまま入れるだけですか?
アルミホイルもなしで!?
はい。アルミホイルで焼くのも美味しくできるんですけど、
出来上がった後のアルミホイルの醜さったらすごいじゃないですか。
それだったらそのまんま焼いて、皮を燃やした方が良いのかなという。
あと、焚き火をしたからといって、すべてをちゃんとやらなくていいと思うんで。
料理を作らなくちゃいけないみたいな、今はそういう流れじゃないですか。
だから全然焚き火の前でコンビニ弁当でも充分美味しいので、
手を抜けるところは手を抜いた方が。
料理は焼くだけ。そのまま。
焦げたら完成、全面焦がしたら完成!
もしかしたら椎茸があるかもしれない・・・


(採れたて新鮮なしいたけを焚き火で焼き、塩とコショウの味付けだけでいただきました。)
ということで、焚き火を囲んで猪野さんのお話を聞いているうちに
すっかり日が暮れまして、火も徐々に小さくなってきました。
こんな風に気軽に焚火ができる場所が、もっとたくさんあればいいのに・・・
そう思うわけですけど、東京はもちろん都会ではなかなか難しいものです。
そのあたりについて、猪野さんはどう考えているのか伺いました。

アウトドアが非日常だとすごく言われるじゃないですか。
僕の中では日常の延長にあるものだと思っているので、
特別なことじゃない。
多分みんなが特別なことに感じちゃっているだけであって。
昔は、みんなこれは当たり前にやっていたじゃないですか。
それがまた当たり前にできれば良い、
できる環境がまた戻ってくれば良いな、くらいでやっています。

僕は、これからどんどん焚き火は
肩身が狭くなっていくと思うんです。
やっぱりここにゴミを燃やす人もいれば、
そういう人の気持ちもわからなくもないですけど、
下手したら焚き火ができないキャンプ場とかも出てくるのかなっていう。
ちょっと、ここからが勝負な気がします。
でも、焚き火を教えてもらって一緒に焚き火をして
最後まできれいにするというのを学んだら、
最初から最後までかっこいいなみたいな。
きれいにすることが格好良いな、みたいな。
そこまでが焚き火なのかというのを体で学べそうですよね。

確かに、どこから入る日は大事ですよね。
自分でやって気づくのか、誰かに教えてもらってやるのか。
でも今はYouTubeとかもいろんな情報がすごい入ってくるじゃないですか。
だから何を初めにみるかと言うのもありますよね。
だいぶ火が小さくなってきましたけど、
焚き火の片付け、ここまでが焚き火ですよというのはどういうところなんですか?

ベストは灰になること。
まだ今は炭じゃないですか。
炭って、間違って覚えている人がいるんですけど
自然に帰ると思っちゃってると思うんです。
実は全然100年後も下手したら残っているんです。
なので炭は絶対に捨てない。自然の中に捨てない。
とりあえず灰は大丈夫なんですけど、だからできれば灰になるまで燃やし尽くす。
駄目だった場合は普通にゴミで捨てられるんですよね。
ちゃんと消せば。燃えるゴミとして。
すぐ消したい時は、直火だったら水をかけちゃっても良いんですよ。

でも焚火台とかだと、
急に水をかけちゃうと歪んだりしちゃうので、それは避けたほうがよくて。
とりあえず炎を消したいと言う時は重曹。
重曹を燃やすと二酸化炭素が発生するんです。
二酸化炭素が発生するという事は酸素が入らなくなるので
熱は残るんですけど炎が消える。
そして、なるべく燃やさないことです。
ちゃんと、今日はどのぐらいかなと目安をつけて、逆算して、
チェックアウトとか考えておくことです。
1束で大体1時間半くらい燃えて
そこから熾火になって徐々に消えていくとなると
3時間ぐらいは見ておいた方がいいですね。
炭がたまりにくい焚き火台もあるんですよ。
スノーピークの焚き火台があるじゃないですか。三角錐の。
あれって炭がどんどん溜まっていくんです。長時間やればやるほど。
どんどん底上げされていくんです。でもメッシュの焚き火台、
あれってすごく燃焼効率が良いので、すぐ灰になっていくんです。
そういう焚火台で選び方でも変わってくるのかなと。

アウトドアプランナーで、「焚き火マイスター」としても知られる
猪野正哉さんに、4週に渡ってお話を伺いました。
猪野さんは「日本焚き火協会」を設立し、焚き火のスキルを学べる “焚き火検定” というのもやっています。
また、普段は焚き火NGの公園などで、許可を得て焚き火イベントを
実施したり、実績を作って焚き火可能なスポットを広げる取り組みも行っています。
★猪野さんが管理運営する『たき火ヴィレッジ<いの>』
★猪野さんが昨年にご自身で手掛けた本『焚き火の本』は、
山と渓谷社から発売中です。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・ニュー・モーニング/Alpha Rev
・ザッチュノーザ/SPECIAL OTHERS & 斉藤和義