先週に引き続き、香川県小豆島、山田オリーブ園の山田典章さんのインタビューをお届けします。
オリーブの木を枯らしてしまう天敵、オリーブアナアキゾウムシをただひたすら、自分の目で探して取り除く・・・という方法によって、日本初の、有機栽培のオリーブづくりに成功した山田オリーブ園。
いまも園主の山田さんは、日々、ゾウムシを見つけては取り除き、よりよいオリーブづくりのための研究を続けています。
そして今年6月。10年間で蓄積したノウハウを、山田さんは一冊の本にまとめました。きょうはこの本のお話です。


~山田さんの著書「これならできる オリーブ栽培: 有機栽培・自家搾油・直売」を出すきっかけはなんだったんでしょうか?
日本で発売されているオリーブの本は自宅の庭、ガーデニングとして植える園芸用しかなかったんですね。農家になったとき、楽しみとしてオリーブを育てるための参考にする本はあったが、オリーブ農家が収穫するために何をしたらいいかと言う本はありませんでした。僕も困ったし、多くの人が困っているのがオリーブを育てるのを、楽しむのではなく実を収穫するためには何をすればいいのかということなんです。これが正解かどうかわかりませんが、僕が10年間で経験したことを出してみようと思ったんです。いまは割と日本中でオリーブ農家が増えてきているので参考になるかなと思います。オリーブの実を収穫して、食べてみる、塩漬けにしてみる、オイルを絞ってみるというのは、農家では普通にありますが、ご自宅で育てている方はそこまでなかなかできていない方も多いと思うんですね。ただ農家が有機栽培、要するに無農薬で育てるのはでなかなか大変なんですが、実は、自宅で2本、3本育てているという方はそんなに大変ではありません。もし自宅で育てている方がいれば、ぜひ農薬を使うのではなく、何日かに1回、木の根元を見るだけでゾウムシから木を守ることができるので、お庭で育ててらっしゃるんだったら参考にしていただいて、ぜひ無農薬で育ててみたらどうかなというのもあります。

~自宅レベルでも頑張れば実はつくんですね。
この本にも書いたんですけれども、品種は2種類以上ないと受粉しないということがあるので、実がつきやすい2品種以上を植えて、しかも栽培方法や選定方法をきちんと間違わずにやると、オリーブは必ず実をつけます。ノウハウをわかった上で育てれば、ただ単に眺めるオリーブから食べるところまでできるオリーブになると思います。


~実がつきやすい品種を2品種以上というのがポイントなんですね。
1本だけ植えてもほぼ実はつきません。柑橘類と違って、自分のおしべとめしべでは受粉しません。品種が違うところに花粉が飛んでくると受粉するという性質を持っています。

~じゃぁ適当に買ってもだめですね。
ホームセンターでは品種が書いていないものが結構あります。あまり考えずに品種が書いていないものを2本を植えたとしても、同じ品種を植えている可能性があるので、それでは実がつきません。必ずラベルに品種が書いてあって違う品種を選ぶ。しかもその品種の名前は、日本で実績がある品種を選ばないとオリーブは眺めるだけで終わってしまいます。一番相性が良くて実績が良い品種は、ちょうど小豆島で栽培されているミッションとルッカです。これは日本で100年以上栽培されていて実績がある品種なので、実はつくし相性が良いこともわかっています。こういった品種を選ぶとまず間違いなく実がつきます。

~東京で育てていてもオリーブアナアキゾウムシはいるんですか?
います。オリーブアナアキゾウムシは、金木犀などモクセイ科の木につく虫なので、ほぼ全国的にいるようです。めったに飛んでこないのでいないと思っている方も多いんですが、忘れた頃に急にやってきて、どんどん集まって気づいたら枯れちゃっていることがあるので、いると思って育てた方がいいですね

~オリーブアナアキゾウムシを見つけやすいポイントはありますか?
一番単純なのは植える場所。根本が食べられたら枯れていくので、玄関の通り道の横にオリーブを植えておくと、必ず目が行くので、わざわざ見に行かなくていいですよね。人の目が届きやすい場所に植えること。それから植えたら、その木の根元に草花を一緒に育てないということ。そこだけは常に木肌が見えてくようにしておくとゾウムシも住みにくいし、しかもきたらすぐ気がつくので、よい環境を作ることがオリーブを守りやすいことになります。あまり普段行かないところに植えちゃうと見に行かないので、いつの間にかやられているところがあります。できるだけ目につくところに植えると何も意識しなくてもゾウムシが来たらすぐわかります。

~ゾウムシという存在も知っていないといけないですね。
これはゾウムシですか、これは害虫ですかと言われることがあるんですが、オリーブアナアキゾウムシじゃないものをおっしゃっていることが多いんですね。オリーブアナアキゾウムシは虫だという絵をみておかないと、関係ない虫に一喜一憂してしまいます。オリーブを枯らす虫は1種類だけなので、どういう虫なのかは写真で見ておく、知っておかないといけないですね。

~以前お話を伺ったとき、オリーブアナアキゾウムシには天敵がいないという事でしたが、その後の研究でも天敵はやっぱりいませんか?
天敵が少ない最大の理由は、あまり昼間は動かないということだと思います。夜動く虫なので、夜行性の虫じゃないと食べてくれない。大きなムカデとか、虫ではありませんがカエルとか、トカゲの仲間とか、そういったものも飼育箱に入れて食べないかなどを見てみましたが、結局殻が固くて美味しくないのか、固まって動かなくなるからなのかわからないですけれども、食べる虫は今のところ見つかっていません。

山田オリーブ園の山田典章さんのお話、いかがだったでしょうか。
山田さんの本「これならできる オリーブ栽培: 有機栽培・自家搾油・直売」は現在農山漁村文化協会から発売中です。ぜひチェックしてみてください!


【今週の番組内でのオンエア曲】
・Rain On Me with Ariana Grande / Lady Gaga
・Nowhere Man / The Beatles
まだまだ、思い切り羽を伸ばしにくい日常が続きますが、それでも、ちょっとずつ、遠出ができるようになってきているようですね。
そんななか今朝は、まだ出かけにくいなと思っている方に、ラジオを聴きながら、瀬戸内海の島の空気と、オリーブの香りを届けたいと思います。
お話し伺うのは、香川県小豆島で、農薬を使わない有機農法でオリーブづくりをしている「山田オリーブ園」の山田典章さんです。


~今日はリモートでお話を伺います。改めて山田さんをご紹介しますと、元々はサラリーマンで2010年に奥様の故郷である小豆島へと移住。これまで誰もできなかったオリーブの有機栽培に国内で初めて成功されて、今も続けていらっしゃいます。以前この番組で2017年の12月に山田さんの畑にお邪魔をしましてお話を伺ったときに、オリーブアナアキゾウムシが山田さんのポッケから出てきて我々スタッフはすごく驚いたんですが(笑)、今、小豆島はどんな気候でしょうか。
そうですね一週間前くらいから梅雨入りしてだいぶ気温も上がってきたので、ゾウムシもだんだんたくさん出てくるようになりましたね。

~オリーブ畑は今どういった状態なんでしょうか
5月の末くらいに花が咲いて、それがちょうど受粉が終わって小さな緑の実が付いた状態です。

~今回山田さんの初の著書「これならできるオリーブ栽培」が出版されましたが、山田さんのように無農薬でうまくオリーブを育てるコツを教えていただきたいと思います。まずおさらいですが、オリーブの有機栽培が難しい理由は、オリーブの木が大好きな害虫オリーブアナアキゾウムシがいるからということなんですよね。普通であれば薬をまいて駆除するやり方が主流だったところを、山田さんは何と一匹一匹捕まえるという大変地道な作業を毎日続けて有機栽培を成功させたんですよね。
そうですね今500本ぐらいオリーブの木があるんですけれども、毎日一本ずつ見て回って、虫がいたらとってオリーブをオリーブアナアキゾウムシから守っています。4月に入ったら毎朝取りに行くので、今朝も取りに行ってます。日が昇る30分前くらいが一番取れるので、だいたい今ですと4時20分には畑にいって、そこから30分くらいが一番取れる時間帯ですね。今くらいの時期が一番日が長いので一番早起きしなきゃいけない時期ですね。

~アナアキゾウムシはすごく小さい虫なんですよね。
そうですね。1.5cmぐらいですね。とても小さくて見づらいですですけれども、農薬を使わなきゃいけない理由はオリーブアナアキゾウムシだけだったということと、たまたま僕が小さい頃から虫を取るのが大好きで、カブトムシとかクワガタとかとっていたので、カブトムシとるのもゾウムシをとるのもそんなに変わらないことなので、是非やってみたいなと思いました。元々は普通に昼間取りに行っていたんですが、全然捕まえることができなかったんです。というのは、オリーブの木は3~4mくらいあって、その葉っぱの中に隠れているんですけれども、もしかして暗いところが好きなのかなということに気づいたんです。だったら夜どうしているのかなというので畑に何度か見に行ったら、朝方に一番木の根元の所にメスが産卵に降りてきているということに気づいたんです。


~オリーブ農家の山田さんからしたら、オリーブアナアキゾウムシって憎い存在かなと思うんですが、とったオリーブアナアキゾウムシは殺したりはしないんですよね。
そうですね。毎年100~200匹くらい捕まえますが、全部一匹も殺さずに飼っていますね。大切に飼って何が好きかなとか、その日その日で元気の良さも違ってくるんですね。だから、例えば朝起きて最初にするのがゾウムシの飼育箱を見ることからはじめるんですけれども、そうすると飼育箱の中のゾウムシがすごく元気な時というのは畑のゾウムシもすごく元気なんです。そういう意味ではゾウムシを飼うことによって、たくさんの情報も得られるし、そうやって飼っていくとだんだん可愛くもなってくるんです(笑)。

~音とかもするんですよね。
今の時期から熱帯夜みたいな日が始まるんですけれども、そうするとどんどん飛んでどっか行こうとするんですね。ただ箱の中なので、飛べずにフタに当たって落ちるんですけれども、それが雨だれみたいにポツポツポツと夜音がするんです。そうするとゾウムシが遠くに飛びたくなっているというのが寝ながらも分かるので、今日は特に早く起きなきゃということも分かりますね。ゾウムシと一緒に暮らしていると、ゾウムシのことがどんどんわかってくるということだと思います。

~寝食を共にしている中で、最近新たにわかったオリーブアナアキゾウムシの生態とかありますか。
去年気付いたんですけれども、ゾウムシがいちど木に来ると、そのゾウムシをとってもその後また違うゾウムシが来たりするということに気付いたんですね。これなんだろうと思っていろいろ調べたりしているうちに、フェロモンが出ているんじゃないかと。フェロモンというのにも色々あるんですけれども、ゾウムシが出しているフェロモンというのが性フェロモンではなくて集合フェロモンというフェロモンらしいということが最近わかってきました。性ホルモンは、例えばメスがオスを呼ぶフェロモンなんですけれども、集合フェロモンというのはオスメス関係なくて、一匹いれば他のゾウムシも寄ってくるというフェロモンなんです。ですので、ゾウムシを畑に一匹置いておくと、どんどん増えて、しかもとっても匂いが残ってしまうているので、どこからともなく飛んできます。ここには500本の木があるんですけれども、1年間に今多いといっても200匹くらいしかオリーブアナアキゾウムシはこないんですよ。一本の木で言うと2~3年に一匹なんですね。ということは、おそらくオスとかメスが会う機会が結構自然の状態では難しいんじゃないかなと思うんです。だからオスメス関係なしに、とにかく誰かがいれば臭いを出してそこにみんなを集めていくことによって種の保存をより効率的にやろうとしているんじゃないかなと思うんです。

山田さんのお話、いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをお届けします。

「これならできる オリーブ栽培」山田典章


【今週の番組内でのオンエア曲】
・It's gonna rain! / BONNIE PINK
・Speak for Me / John Mayer
京都大学 ウイルス・再生医科学研究所・宮沢孝幸准教授のインタビュー、きょうで最後となります。
ウィルスってなんなのか。ウィルスとの共生ってどういうことなのか。わかりやすく説明していただきましたが、最後は新型コロナウィルスをめぐる「新しい生活様式」についてウィルスの研究者としての考えを伺います。
感染拡大、第二波を防ぐため。新しい日常、新しい生活様式を心がけましょう。
この呼びかけが続く中、先が見通せず、息苦しさを感じている人も多いのではないでしょうか。
スーパーで買い物するときも、人が多いとちょっとビクビクしたり。マスクせず歩いてる人を見ると、「むむ」と過敏になっちゃう人もいるはず。
京都大学 ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授にこの悩みをぶつけてみたところ、こんな答えてくれました。


気楽に考えましょうよ。「感染のリスクを減らす」ってことだけを考えたらいいんです。完全に感染から逃れようと思うと苦しくなる。できる範囲でやればいいことだと思います。接触感染の場合は手に着いたウイルスが目・鼻・口に到達することで感染が成立するということが分かっていますので、まずは触らないこと。触るんだったら手を洗ってから触る。またエタノールを付けてから触る。外にいる場合はお手拭きで拭いてそのリスクを減らす。ゼロにすることはできないかもしれませんが、お手拭きで拭くだけでリスクはかなり軽減されると思っています。
それから飛沫感染防ぐにはマスク。これから暑くなって大変だと思いますが、人と会う時はマスクをする。もしマスクができない状況であるならば大きな声でしゃべらない。小声でしゃべる程度でいいと思います。都知事や厚労省は厳しいことを言います、それはゼロリスクを目指してのことであって、私たちが普通にウイルスから逃れようとするならば、そこまでやる必要ないと思います。難しい話をするならば、実行再生産数を1以下にしたいという目的だけであれば、ちょっとした注意だけで大丈夫だと思います。
私は今は過剰自粛だと思っています。人と会う時も頭を使えば会えます。私は皆さんが警戒している時も一生懸命頭つかって、こうすれば良いというのを考え付きました。4人で一緒に食事をする時、どうすれば警戒しながら楽しく食事ができるか。マスクをして行って、食事が出るときまでにマスクをして普通にしゃべる。これで全然問題ありません。食事が出てきたら極力しゃべらない。しゃべるときは下を向いて小さな声でしゃべる。これで良いんです。そしてまた食事の後にマスクをしてしゃべれば良い。家族で食事する時も静かに大きな声を立てずに食事すれば良いことだし、レストランでも4人テーブルが離れていれば家族4人で言葉少なげに食べる。会話するならまたマスクをつければ大丈夫です。ソーシャルディスタンスという言葉は欧米を中心に言っていることで、マスクをしない文化で言っていることです。ソーシャルディスタンスを取れない場合にはマスクをつけてくださいと注意書きが書いてあります。逆に言ったらマスクを着けていればソーシャルディスタンスを短くすることができる、1m以内にすることだって可能だと私は思っています。そこが誤解されていて、マスクをつけて2m以上となってしまっていることは非常に残念に思っています。2m離れてレジに並ぶというのもウイルス学的に見ると、マスクして黙っているならそれは全く的外れ。なのに皆さん一生懸命マスクつけて2m離れて並んでいて、ある本屋さんではその列がお店の外にまで並んでいます。それでも万引きもないのは本当に日本ってすごいなと思います。
どんちゃんさわぎしたいならZOOMなどネット上でやるか、ソーシャルディスタンス、2mもっと離れてやるということです。ワクチンができれば可能だが相当先。若い人はどんちゃんさわぎしたいのは理解できるが耐えていただきたいなと思います。



そして宮沢先生は、最近よく耳にする「実行再生算数“1以下”」つまり1人の感染者が、平均で感染させる人数が「1人以下」という数字を例に、ウィルスの封じ込めに必要な考え方を教えてくれました。


ワクチンに関してはなかなか難しくて、ある程度良いワクチンができたとしても副作用などを考えるとたくさんの人に打つのはなかなか難しいと思っています。集団免疫は本当に未知数で、結構時間がかかりそうです。日本は感染があまり広まっていないので多くの人に免疫がつくのには時間がかかると思いますが、もう一つのオプションとしては、ちょっとした努力で実行再生産数が1を切りますので、ちょくちょくウィルスがまた入ってきても、ちょっとした努力で押さえ込むことが私はできるようになっていると思います。国などは欧米の状況を見て、WHOの状況や情報、アメリカのCDCなどの情報を見ていろいろ警戒されていると思いますが、私としてはその情報に流されることなく日本の現在起きていることに集中すれば良いのだと思っています。このぐらいの自粛をとれば、このぐらいの政策をとれば、このぐらいの再生産数の値に落ち着くと言うことがわかるのであれば、それを目指せば良いことだと思う。欧米がこうだからというより、もしかしたら日本人は本当にこのウィルスに強いのかもしれないし、あるいは腸内細菌の違いがある、免疫が違うという可能性はあります。それがなぜ違うかは調べるのに時間がかかるので、それは置いておいて、データが溜まってきたわけです。3月27日に感染者がピークアウトして、その後減少に転じている。4月7日に緊急事態宣言が発出されて、その前から再生産数は一応「1」を切っていたのでそのぐらいの警戒レベルで良いと言うことに我々は気がついたわけです。それを、その以前の警戒レベルに抑えるにしてももう少しストレスがないような方法にしようというのが私の考え。頭を使って知識を使って逃れる。ストレスがないように再生産数を1以下に抑えれば大流行する事はもうないと私は思っています。

京都大学 ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授のお話、いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらも是非チェックしてみてください。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・ベルベット・イースター / 荒井由実
・The Great Journey feat.RHYMESTER / KIRINJI
今週も京都大学 ウイルス・再生医科学研究所宮沢孝幸准教授のお話です。
先週は、人間はじめ哺乳類の赤ちゃんを覆っている「胎盤」は、もともと、ウィルスが持つ能力が由来だった・・・というすごい話をしてもらいました。
つまり、もしかすると人間をはじめとした動物、植物、あらゆる生き物にとってウィルスも「なくてはならない存在」だという可能性があるということ・・・。
では、ウィルスって自然界にとって、いったいどんな存在なのでしょうか。

ウィルスは邪魔者では決してありません。私たち気づかないうちにウィルスに感染したり、あるいはウィルスが行き来したりすることによって、いろんな作用が起こっていると思っています。ウィルスによって我々は進化してきているわけですし、ウィルスに感染することでいろんなメリットを享受している可能性もある。今後の研究次第ですが、もしかしたらウィルスを介して、違う動物の遺伝子を受け取ったり受け渡したりしているんじゃないかなというふうに私は考えています。

~コロナウィルスはコウモリの体内にいたとされていますが、という事は森や自然の中にウィルスが沢山いるということなのでしょうか。
私たちヒトはウィルスにたくさん感染して、いろんなウィルスを持っていると思っていますよね。ですが、それ以上に野生の動物はいろいろなウィルスを持っています。あるウィルスは病原性があって野生動物が死んでしまう可能性もあるんですが、あるものに関しては共存状態にあって、おそらく今回のコロナウイルスもコウモリにおいては共存していたのだと思います。コウモリには何も病気を起こさない。ところがヒトが野生の世界に足を踏み入れる、あるいは野生動物を食べることによって、ウィルスがヒトに来てしまう。確率論になりますが、他の野生動物では共存しているウィルスがヒトに来てしまうと、たまたま相性が悪くてそういう病気を起こしてしまうという事はあるんだろうと思います。

~私たち人間が自然との境を超えると、ウィルスがヒトのほうにくる可能性はすごく高くなるということでしょうか。
そうですね。環境破壊によって迷惑を被っているのは野生動物もそうで、人間が移動することでウィルスもたくさん運ばれて、いろんな病気を野生動物に起こすこともあります。大きな例としては、オーストラリアのコアラがいい例です。コアラは今、レトロウィルスにこっぴどくやられていろんな病を起こしています。これはおそらくヒトが運んだ、もしくはヒトが運んだ動物が運んだと考えられています。ですので今、オーストラリアは6500万年くらい前に完全に孤立したわけですけど、4万年くらい前に人類が入ってきて、いろんな動物を運んでしまった。最初は4万年前にアボリジニが入ってきたわけですけれども、その後に白人たちが入ってきて、いろいろな動物も運んできて、いろいろなウィルスも運んだ。そこでオーストラリアにもともと住んでいた動物、有袋類とは全く違うウィルスがオーストラリアに入ってきて、今オーストラリアの有袋類は大混乱に陥っているという事ですね。それで今コアラは絶滅の危機に貧しています。環境が変わることによって人だけがウィルスによってやられているかというとそうでもなくて、環境破壊によって、あるいはヒトの影響によって野生動物もウィルスの影響受けてしまうという事はあります。

~これからコロナと生きていく上で新型コロナウィルスの弱点ってどこかありますか?
他のウィルスに比べたら感染力は低いと思います。病原性はある程度高いが、楽観的な見通しとしては徐々に弱くなっていくんじゃないかなと思います。局面局面においては時々強くなったりするかもしれないが、大きな流れで見ると弱くなっていくんだろうなと予想しています。コロナウイルスが本当に悪いことばかりしているのかというとまだわかりません。もしかしたら良いことをしていることもあると私は思っていて、もしかしたらコロナウィルスにかかることによって他の病気が治ったり、ガンになりにくかったりする可能性はゼロではない。それを見つけるのが僕の仕事かなと思っています。インフルエンザも非常に悪いものだと思っているかもしれないが、インフルエンザにも絶対良いものがあると思っています。自分の経験なんですが、風邪をひくとアレルギーが良くなるという経験があります。これはアレルギーに向かっている免疫がインフルエンザに向かったから、弱まったとも考えられるんですけれども、小児科の先生に聞きますと、これははっきりしたエビデンスはないが、アトピーの子供が風邪をきっかけに、あるいはインフルエンザをきっかけにアトピーが治ってしまうことがあると伺いました。私もそれはあってもおかしくないと思っていて、研究ができたら面白いなと思っています。

~夏になるとウィルスは弱くなると聞きますが。
温度が高くなればウィルスは死にやすくなるというのは間違いないです。紫外線に弱いことも間違いない。その意味においてはコロナウィルスが夏に流行しにくくなるのではないかと思います。ただ現代社会においては、クーラーがありますので室温はあまり変わらない。なおかつ部屋の中で換気をしないでずっとその中に人がいるという事は、逆効果の面もあります。昔から流行っているコロナウィルスは夏になるとほとんど流行らないですよね。それから類推すると、新型コロナウィルスも夏になると一旦収束する可能性もあるかなと思っています。もちろんそうじゃない可能性も残っていますが、一般論としては夏には弱まるんじゃないかなと思っています。

宮沢先生のお話、いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをおとどけします。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・My Mind is For Sale / Jack Johnson
・ハネモノ / スピッツ
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高橋万里恵
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