- 2020.01.26
三万年前の航海 徹底再現プロジェクト 海部陽介さん、原康司さんインタビュー4
「三万年前の航海 徹底再現プロジェクト」の後日談。きょうでラストとなります。
今週も、3万年前の人類が切り開いたルートをたどる大冒険を終えた、国立科学博物館の海部陽介さん、そして丸木舟キャプテン・原康司さんをスタジオにお迎えしています。

台湾から与那国島まで、およそ225キロ。かかった時間、45時間10分。
3万年前の私たちの祖先と、同じルート、同じ方法で、与那国島にたどり着いた原さん、それを見守った海部さんは、あの瞬間、どんなことを感じたのでしょうか。
そして、準備期間などもいれると、6年間にわたる実験を終え、「謎」はすべて解き明かせたのでしょうか。
~ついに到着されたときは何を感じましたか?)
原:お尻が痛い(笑)もう座らんでいいんだなと思いました。ようやく立ち上がれたなと。
海部:僕が一番感動したのは島が見えた瞬間ですね。与那国島は海の上から見るというのは何度かあるんですが、あんなに感動した事はないですよやっぱり。自分たちの力でやってきて、その末に、島が見えたというのはもうたまらなかったですね。今までは黒潮にずっと跳ね返されてきましたから、乗り越えたことがなかったんですね。それを今回、黒潮を超え、次に島を探すということを初めてやったんですよね。これはとっても難しかったんですけれども、それがあって最後に島を見せてもらって。本当に感動だったですね。
ただひとつだけ僕らと30,000年前の違いというのがあります。結局僕たちは地図を見ちゃっているし、海流の流れのパターンも知識としてちょっとあるんですね。それが全くない昔の人たちは地図を持っていない人たちなので、多分見方が違うんだと思うんですね。それをどうやってやったのかというのはちょっとわからない部分があります。そこは僕の頭の中ではまだ謎なんです。30,000年前の人たちがあの状況をどうやって解決したのか。ただ、それはそうなんだけど、海の上でああいう風にしないと渡れないということが見えた。ある意味これがプロジェクトの目的だったんです。漕ぎ手たちが誰が何番目に座るのかとか、休憩をどういう風にするのか、トイレをどうするのか、そういうことを考えるのも全部プロジェクトの目的だったんです。だから、をやったことがある人にはやって欲しくなかったんです。祖先たちは初めて行くので、「初めて行く」というのはどういうことなのかが知りたかった。そのすべての思考錯誤に意味がありました。
~原さんは海に入るときは、見えない島を目指した30,000年前の人の気持ちは分かりましたか?
原:それは僕もずっと謎だったんだけど、僕なりの謎は解けたんです。それは何かというと、今回プレッシャーの中で地図もコンパスもなしで到達したんですが、到達した瞬間に今までに感じたことのない喜びが爆発したんですね。それが、僕がまた行きたいと思ってるのはそういう理由で、この喜びをまた体験したい、経験したい。人間の持っている、人類の持っている幸福感というのはこんなにすごいものなんだというのは、初めてわかったんです。今回のように何も持たない状況で海、空、そういったものに集中して、一体化している状態の中で何かを成し遂げるという事は、そんなにも幸福感が出てくる。だから人間は自然の中に入ろうとするし、自然が好きなんだと思います。だから人間は海を渡ろうとしたんだし、渡り続けているんだろうなと僕は思います。

~その感覚って本当に渡った人じゃないとわからないですよね。
海部:わからないですね。そもそもこんなこと、漕いで海を渡れないでしょうとたくさん言われてたんです。だけど僕らは祖先たちがやっているのはわかっているので、やれないわけはないと思っている。では何が違うのかというと、技術が原始的で、船は当時の最先端といっても原始的な船です。でもなんでそこにいけるかというと、人間がカバーしているんだと思うんですね。僕らは道具に依存しようとしている。道具が解決してくれるだろうと。だけど道具が大したことがなくても、人間がそこまでできてしまうというのが、この30,000年前の世界の面白さだと思っています。まさに原さんはそれを体験したんだと思うんですね。
原:もうね、最高の喜びですよ。だからこの先に行きたいです。謎はこの先ですから。与那国でしょ、次が西表、石垣、その先に宮古島、そこからなんですよ。宮古島から沖縄本島の230キロ。見えません。今回は黒潮をうまく利用したんですが、沖縄本島へは漕がないといけない。これは面白いですよ。
海部:与那国島は台湾の山から発見できるんですよ。だけど宮古島から沖縄というのは、山を登っても見えない。向こうに島があるというのがわからないんです。でも両方に人がいるんです。これはある意味最大の謎なんですね。

国立科学博物館の海部陽介さん、そして丸木舟キャプテン・原康司さんのインタビュー、いかがだったでしょうか。ポッドキャストでもお二人のインタビュー詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!
海部さんは講談社から、本を出すことになったそうです。2月12日発売「サピエンス日本上陸 ~3万年前の大航海」興味のある方、ぜひチェックしてみてください!
【今週の番組内でのオンエア曲】
・Juice / Lizzo
・春の歌 / ウカスカジー
今週も、3万年前の人類が切り開いたルートをたどる大冒険を終えた、国立科学博物館の海部陽介さん、そして丸木舟キャプテン・原康司さんをスタジオにお迎えしています。

台湾から与那国島まで、およそ225キロ。かかった時間、45時間10分。
3万年前の私たちの祖先と、同じルート、同じ方法で、与那国島にたどり着いた原さん、それを見守った海部さんは、あの瞬間、どんなことを感じたのでしょうか。
そして、準備期間などもいれると、6年間にわたる実験を終え、「謎」はすべて解き明かせたのでしょうか。
~ついに到着されたときは何を感じましたか?)
原:お尻が痛い(笑)もう座らんでいいんだなと思いました。ようやく立ち上がれたなと。
海部:僕が一番感動したのは島が見えた瞬間ですね。与那国島は海の上から見るというのは何度かあるんですが、あんなに感動した事はないですよやっぱり。自分たちの力でやってきて、その末に、島が見えたというのはもうたまらなかったですね。今までは黒潮にずっと跳ね返されてきましたから、乗り越えたことがなかったんですね。それを今回、黒潮を超え、次に島を探すということを初めてやったんですよね。これはとっても難しかったんですけれども、それがあって最後に島を見せてもらって。本当に感動だったですね。
ただひとつだけ僕らと30,000年前の違いというのがあります。結局僕たちは地図を見ちゃっているし、海流の流れのパターンも知識としてちょっとあるんですね。それが全くない昔の人たちは地図を持っていない人たちなので、多分見方が違うんだと思うんですね。それをどうやってやったのかというのはちょっとわからない部分があります。そこは僕の頭の中ではまだ謎なんです。30,000年前の人たちがあの状況をどうやって解決したのか。ただ、それはそうなんだけど、海の上でああいう風にしないと渡れないということが見えた。ある意味これがプロジェクトの目的だったんです。漕ぎ手たちが誰が何番目に座るのかとか、休憩をどういう風にするのか、トイレをどうするのか、そういうことを考えるのも全部プロジェクトの目的だったんです。だから、をやったことがある人にはやって欲しくなかったんです。祖先たちは初めて行くので、「初めて行く」というのはどういうことなのかが知りたかった。そのすべての思考錯誤に意味がありました。
~原さんは海に入るときは、見えない島を目指した30,000年前の人の気持ちは分かりましたか?
原:それは僕もずっと謎だったんだけど、僕なりの謎は解けたんです。それは何かというと、今回プレッシャーの中で地図もコンパスもなしで到達したんですが、到達した瞬間に今までに感じたことのない喜びが爆発したんですね。それが、僕がまた行きたいと思ってるのはそういう理由で、この喜びをまた体験したい、経験したい。人間の持っている、人類の持っている幸福感というのはこんなにすごいものなんだというのは、初めてわかったんです。今回のように何も持たない状況で海、空、そういったものに集中して、一体化している状態の中で何かを成し遂げるという事は、そんなにも幸福感が出てくる。だから人間は自然の中に入ろうとするし、自然が好きなんだと思います。だから人間は海を渡ろうとしたんだし、渡り続けているんだろうなと僕は思います。

~その感覚って本当に渡った人じゃないとわからないですよね。
海部:わからないですね。そもそもこんなこと、漕いで海を渡れないでしょうとたくさん言われてたんです。だけど僕らは祖先たちがやっているのはわかっているので、やれないわけはないと思っている。では何が違うのかというと、技術が原始的で、船は当時の最先端といっても原始的な船です。でもなんでそこにいけるかというと、人間がカバーしているんだと思うんですね。僕らは道具に依存しようとしている。道具が解決してくれるだろうと。だけど道具が大したことがなくても、人間がそこまでできてしまうというのが、この30,000年前の世界の面白さだと思っています。まさに原さんはそれを体験したんだと思うんですね。
原:もうね、最高の喜びですよ。だからこの先に行きたいです。謎はこの先ですから。与那国でしょ、次が西表、石垣、その先に宮古島、そこからなんですよ。宮古島から沖縄本島の230キロ。見えません。今回は黒潮をうまく利用したんですが、沖縄本島へは漕がないといけない。これは面白いですよ。
海部:与那国島は台湾の山から発見できるんですよ。だけど宮古島から沖縄というのは、山を登っても見えない。向こうに島があるというのがわからないんです。でも両方に人がいるんです。これはある意味最大の謎なんですね。

国立科学博物館の海部陽介さん、そして丸木舟キャプテン・原康司さんのインタビュー、いかがだったでしょうか。ポッドキャストでもお二人のインタビュー詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!
海部さんは講談社から、本を出すことになったそうです。2月12日発売「サピエンス日本上陸 ~3万年前の大航海」興味のある方、ぜひチェックしてみてください!
【今週の番組内でのオンエア曲】
・Juice / Lizzo
・春の歌 / ウカスカジー