- 2019.11.24
宮城県 唐桑半島・舞根地区の自然~「森は海の恋人」畠山信さんインタビュー
宮城県気仙沼市のNPO「森は海の恋人」の活動についてレポートが続いていますが、きょうはその活動拠点である唐桑半島・舞根地区の自然についてお伝えしたいと思います。
舞根地区は東日本大震災のあとに持ち上がった巨大防潮堤の計画を、住民の総意として撤回させた地区としても知られています。
唐桑半島の付け根の、古くからの漁村で暮らす人々は、津波の後も、ありのままの自然を受け入れることを選んだんです。
そしてその選択は森に囲まれ、川と海が入り交じる、美しい風景をもたらしました。
森は海の恋人・副理事の畠山信さんに伺いました。

ここは東日本大震災の前までは放棄されていた耕作地でした。それが震災によって地盤が70センチ位下がって、満潮に差し掛かると海水が川を遡上していって、湿地帯の中に海入って、汽水湖みたいになっているんですね。

汽水の魚で、例えばチチブというハゼの仲間がその辺にたくさんいるんですけれども、あとはウナギとかアユなんかも遡上してきます。ウナギやアユは川と海を行ったり来たりする魚なんですけれども、後はカニなどの甲殻類ですね。たくさん海の生物と川の生物が混在するような場所になっています。


東日本大震災のあと、自然環境調査をNPOの活動のひとつとして行っているんですが、いろんな大学の研究者と一緒に生物の調査や物質、水や泥の調査をしている過程で、生物が多様性に富んでいることがわかったんですね。ウナギなんかも見つかったりして、ここはそのまま残したい自然環境であるということがわかったので、じゃあそれをどうやって残すかが難しかったんですけれども、結果として残すことができた。そういう貴重な場所になります。
自然の保護や保全のやり方っていろいろあるんですけど、ここの場合は基本的に“ほったらかす”という保護の方法です。人が手をつけない保全の方法をとっています。災害復旧の工事の中で埋め立てるという話も出たんですけれども、埋めなくてもよいよと地権者としての意見を述べて、このままの状態で放置している。すると勝手に生き物が増えていきまして、例えば小さい魚が増えていくとそれを食べにくる鳥が増えて、それを人が見に来るようになったんですね。生態系が保護されて、かつ、人の交流も生まれているという事例の一つですね。
野生生物の回復はすごく早くて、おおよそ3年ぐらいかけて一気に回復していった感じですね。ただ一方で地盤の上昇がまだ続いています。震災で70センチくらい下がりまして、4年間で30センチくらいこの辺は地盤が上昇しているんですよ。さらにそれがまだ続いていて、どこまで上昇するかもわからない。地盤の高さが変わると水位が変わるので、そうなると住んでいる生物の種類も変わってくるんですね。それをモニタリングする調査を継続しています。

ここは山と山の間に挟まれた谷になっていて、谷底を川が流れている。途中で何が起きるかわからないんですね、自然て。例えば大洪水が起きて湿地の形が変わったりとか、土砂が流されたりということもあるでしょうし、それを止めるのではなくて「そういうものなんだ」と人間側が受け入れて、そこにどういう生物が加入してくるか、増えるか、減っているかをモニタリングしていきます。生息を確認できて一番嬉しかったのはメダカですね。メダカはこの集落にはもともとたくさんいて、園芸品種ではない元々の自然種のミナミメダカという種類のメダカが生息していた場所なんですよ。それが津波で流されて全部死滅したと思っていたら、よくよく調べてみると結構回復しているんですね。それはすごく嬉しかったです。その背景には、子どもの頃メダカを取って遊んだという楽しい気持ちがわき起こったというのはありますね。そういう気持ちは僕だけじゃなくて、この集落のおじいさんおばあさんもみんなそうだったんですよ。川の護岸を削り取るって、災害の時はリスクが高まるという見方もありますので、そういう場合は周りの地権者の方々の了承を得なければいけないんですね。その了承を得る時に、ウナギを守るために、ウナギの生息地を増やすために護岸を開削しますという話をすると住民の方は納得してくれないんですよ。でも、メダカをもう少し増やしたいんですという話を住民の方にふると、「ぜひやろう」と変わるんですよね。やっぱり幼少の頃の自然体験はそういうところに効いてくるというか、子どもの頃楽しい思いをしたことが、大人になって自然災害が起きて新しく護岸を作るとなったときに、やっぱり感情、気持ちが高ぶってくる。そのきっかけがこの集落の場合はメダカだったようです。まさにそこを、NPOとしての環境教育プログラムに取り入れて、いかに幼少の頃の自然体験が大事なのかというのは、理屈じゃなくて肌で感じることができたので、それは我々が次世代に伝えるべきところだと思っています。子どもたちをここに来て連れてきて、環境教育のフィールドとして活用するとかですね、そういう将来像がありますね。
森は海の恋人・副理事の畠山信さんのお話、いかがでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、そちらもぜひお聞きください!
【番組内でのオンエア曲】
・My Baby Left Me / ROX
・Pretender / Official髭男dism
舞根地区は東日本大震災のあとに持ち上がった巨大防潮堤の計画を、住民の総意として撤回させた地区としても知られています。
唐桑半島の付け根の、古くからの漁村で暮らす人々は、津波の後も、ありのままの自然を受け入れることを選んだんです。
そしてその選択は森に囲まれ、川と海が入り交じる、美しい風景をもたらしました。
森は海の恋人・副理事の畠山信さんに伺いました。

ここは東日本大震災の前までは放棄されていた耕作地でした。それが震災によって地盤が70センチ位下がって、満潮に差し掛かると海水が川を遡上していって、湿地帯の中に海入って、汽水湖みたいになっているんですね。

汽水の魚で、例えばチチブというハゼの仲間がその辺にたくさんいるんですけれども、あとはウナギとかアユなんかも遡上してきます。ウナギやアユは川と海を行ったり来たりする魚なんですけれども、後はカニなどの甲殻類ですね。たくさん海の生物と川の生物が混在するような場所になっています。


東日本大震災のあと、自然環境調査をNPOの活動のひとつとして行っているんですが、いろんな大学の研究者と一緒に生物の調査や物質、水や泥の調査をしている過程で、生物が多様性に富んでいることがわかったんですね。ウナギなんかも見つかったりして、ここはそのまま残したい自然環境であるということがわかったので、じゃあそれをどうやって残すかが難しかったんですけれども、結果として残すことができた。そういう貴重な場所になります。
自然の保護や保全のやり方っていろいろあるんですけど、ここの場合は基本的に“ほったらかす”という保護の方法です。人が手をつけない保全の方法をとっています。災害復旧の工事の中で埋め立てるという話も出たんですけれども、埋めなくてもよいよと地権者としての意見を述べて、このままの状態で放置している。すると勝手に生き物が増えていきまして、例えば小さい魚が増えていくとそれを食べにくる鳥が増えて、それを人が見に来るようになったんですね。生態系が保護されて、かつ、人の交流も生まれているという事例の一つですね。
野生生物の回復はすごく早くて、おおよそ3年ぐらいかけて一気に回復していった感じですね。ただ一方で地盤の上昇がまだ続いています。震災で70センチくらい下がりまして、4年間で30センチくらいこの辺は地盤が上昇しているんですよ。さらにそれがまだ続いていて、どこまで上昇するかもわからない。地盤の高さが変わると水位が変わるので、そうなると住んでいる生物の種類も変わってくるんですね。それをモニタリングする調査を継続しています。

ここは山と山の間に挟まれた谷になっていて、谷底を川が流れている。途中で何が起きるかわからないんですね、自然て。例えば大洪水が起きて湿地の形が変わったりとか、土砂が流されたりということもあるでしょうし、それを止めるのではなくて「そういうものなんだ」と人間側が受け入れて、そこにどういう生物が加入してくるか、増えるか、減っているかをモニタリングしていきます。生息を確認できて一番嬉しかったのはメダカですね。メダカはこの集落にはもともとたくさんいて、園芸品種ではない元々の自然種のミナミメダカという種類のメダカが生息していた場所なんですよ。それが津波で流されて全部死滅したと思っていたら、よくよく調べてみると結構回復しているんですね。それはすごく嬉しかったです。その背景には、子どもの頃メダカを取って遊んだという楽しい気持ちがわき起こったというのはありますね。そういう気持ちは僕だけじゃなくて、この集落のおじいさんおばあさんもみんなそうだったんですよ。川の護岸を削り取るって、災害の時はリスクが高まるという見方もありますので、そういう場合は周りの地権者の方々の了承を得なければいけないんですね。その了承を得る時に、ウナギを守るために、ウナギの生息地を増やすために護岸を開削しますという話をすると住民の方は納得してくれないんですよ。でも、メダカをもう少し増やしたいんですという話を住民の方にふると、「ぜひやろう」と変わるんですよね。やっぱり幼少の頃の自然体験はそういうところに効いてくるというか、子どもの頃楽しい思いをしたことが、大人になって自然災害が起きて新しく護岸を作るとなったときに、やっぱり感情、気持ちが高ぶってくる。そのきっかけがこの集落の場合はメダカだったようです。まさにそこを、NPOとしての環境教育プログラムに取り入れて、いかに幼少の頃の自然体験が大事なのかというのは、理屈じゃなくて肌で感じることができたので、それは我々が次世代に伝えるべきところだと思っています。子どもたちをここに来て連れてきて、環境教育のフィールドとして活用するとかですね、そういう将来像がありますね。
森は海の恋人・副理事の畠山信さんのお話、いかがでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、そちらもぜひお聞きください!
【番組内でのオンエア曲】
・My Baby Left Me / ROX
・Pretender / Official髭男dism