- 2019.08.25
リボーンアート・フェスティバル2019プレスツアーレポート1

さて、今週からは自然の中で「アート」を満喫できる、大きなイベントのレポートです。そのイベントとは、宮城県石巻市を中心に現在開催中のリボーンアート・フェスティバル2019。
音楽プロデューサー・小林武史さんを中心に、たくさんの芸術家の方々、そして地元の人たちが一体となって作り上げた東北発の芸術祭です。現在開催中。9月29日までおよそ2ヶ月に渡って開催されています。場所は宮城県石巻市市街地をはじめ、牡鹿半島、女川、東松島、松島、塩釜など。7つのエリアに分けられています。
小林武史さんを含むキュレーター7組が、それぞれのエリアでアーティストたちとともに作品を展開。しています。
今回は、そんなリボーンアート・フェスティバルをめぐるプレスツアーに参加。まずは石巻の駅前エリアからスタートしました。
■石巻駅前エリアのキュレーター 思想家、人類学者の中沢新一さんのお話

この駅前エリアは、シンガポール在住のアーティスト、ザイ・クーニンさんの作品を中心としたアート展示しています。タイトルは「海に開く」ということです。復興はハードの面では進みましたが、心の中というか、ソフトの面の復興はまだまだ取り残されている感じがします。
石巻はもともと海に向かって開かれていたところですので、もう一度、心の深いところから海に向かって開いていく。そこからいろんな元気や希望が湧いてくるような作品が欲しいと思いました。
ザイさんはシンガポールの現代アーティストですが、ご自身がインドネシアやマレーシアの海の民と深い精神性でつながっているシャーマンだと考えている方ですね。ここは観慶丸という建物ですけれども、ここにザイさんが作った作品は1600個位の茶碗の中に水をたたえて、そこに目が浮かび上がってくるという作品です。茶碗というのは、人々の生活の一番日常的なもので、ご飯を食べる時にも水を飲む時にもお茶碗が必要です。その日常的なものが津波によって流されてしまって、この街には沢山の茶碗が、持ち主もわからないものも含めて溢れかえってしまいました。この茶碗をもう一度集めたいということで、街の人に協力を仰いで茶碗を集めることにしました。茶碗の中に入れられている水は、人間の心の中のことを言わんとしているんじゃないかと僕は感じていますね。そこから目が見ている。ザイさんの言葉を借りれば「HOPE」ということです。石巻の希望を表しているという表現になっていると思います。


そしてわたしたちツアー一行は、石巻市街地を出て東へ。牡鹿半島の付け根にある、音楽プロデューサー・小林武史さんがキュレーターを務めるエリア、桃浦エリアへと向かいました。
■桃浦エリアのキュレーターをつとめる音楽プロデューサー・小林武史さん

うしろを見て分かると思いますが、防潮堤がずらっと並んでいるあのあたりを散策しておりました。その時に八大竜王という石碑があって、水神様なんですけど、航海の安全や大漁祈願の石碑が防潮堤の前にあって、普通はそれを悲しいように思うのかもしれないけど、エネルギーを反射しているのがすごく面白いなと思いました。防潮堤で囲われているエリアをリビングスペースのように見立てて、いろんな人がいろんなものを持ち込み、おじいちゃんやおばあちゃんや孫、寅さんのような旅人が旅の土産として持ち込むようなものがそれぞれ化学反応起こすような、茶の間のようにごちゃまぜなんだけども、それぞれが反応しあう宇宙感のようなものができないだろうかということでリビングスペースということになったわけです。


防潮堤の手前には草間彌生のアートが、そして海辺には櫓の上に水神様!
ちなみにリボーンアートという言葉。名付けたのは中沢新一さん。”人が生きるすべを取り戻す”といったニュアンスです。そして今回の全体のテーマは「いのちのてざわり」です。
「いのちのてざわり」ってどんなことだろう。そんなことを考えつつ、桃浦のアート展示がされている、旧荻浜小学校の旧校舎を利用したスペースへ、足を踏み入れました。
■桃浦エリアで展示しているアーティスト中崎透さん

ここは、昼のタイトルは「ピーチビーチサマースクール」ということで、荻浜小学校、桃浦地区に縁のある5名の方に、2時間くらいのインタビューをとらせていただいて、インタビューから抜粋した言葉が会場にちりばめられています。そのエピソードと、この学校の備品だったり、奥の資料室にある資料などをエピソードと合わせて配列し、物語のような形で回れる形式になっています。(中崎透さん)
「いのちのてざわり」と僕は言っていたんだけど、ここは「いのちの手がかり」というようなものが、いっぱいヒアリングしたことで出てきて、それをたどって何かを感じてもらおうという意味では、すごく、ここは手がかりがわかりやすい、強いものだなと思っています。時間があったら”手がかり”をちゃんと読んでみていって欲しいです。(小林武史さん)




今回のお話、いかがだったでしょうか。ぜひリボーンアート・フェスティバル2019をチェックしてみてください!
https://www.reborn-art-fes.jp/
【番組内でのオンエア曲】
・ラー / 水曜日のカンパネラ
・言ノ葉 / 秦基博