- 2019.06.30
『PLANET of WATER』写真家 高砂淳二さんインタビュー2
今週は前回に引き続き、自然写真家・高砂淳二さんのお話をお届けします。
高砂さんはここ数年、地球の「水」をテーマに撮影を続けていました。そのきっかけは、海に流れ込み続けるプラスチックの問題、いわゆる「海洋プラスチック問題」です。
ただ高砂さんは、危機感を煽るような写真ではなく、地球を覆う「水」、自然のスゴさ、美しさを通じてメッセージを伝えたいとおっしゃっています。実際、完成したばかりの写真集「PLANET of WATER」はそんな写真集になっています。

~大海原の中をイルカの群れが飛び出している写真はすごく躍動感がありますね。これはどちらで撮影されたのでしょうか。
これは南アフリカで撮影しました。南アフリカのコーヒーベイというところがありまして、ある時期になると南極海からイワシの大群がうわぁ〜っと上がってくるんです。それを食べにイルカとかクジラとかサメが集まって、水中で追いかけっこするんですよ。それを撮影したいなと思っていたんですね。イルカとかクジラはいっぱいいて、イルカがいっぱい泳いでいるかと思うと、向こうでクジラが尻尾上げていたりとかするんですよ。本当に濃厚な海でしたね。この写真は、イルカたちが大きなうねりが来たときにそのうねりで波乗りをしに集まってきているところです。もう大騒ぎで喜んで波乗りをしてるんですね。波がブレイクするときに内側で波に乗るでしょ、それでジャポンとブレイクした瞬間に裏側にまわって波の裏からスポーンと出てきた瞬間なんですね。僕はこれをゴムボートに乗りながらあっち行ったりこっち行ったりして撮影したんですよ。僕もこんなシーンは30年で初めてでしたね。水中で可愛く泳いでいたり、何頭かの群れでボートについてきたりとかはいっぱいありますけど、こういう大きなうねりで、喜んでイルカが遊ぶシーン、それをものともせずに飛び出してくるというその躍動感は初めてでしたね。
~あとすごくカッコいいなと思ったのが、森の中にいる大きなクマが川でブルブルブルってやっている写真です。
これはカナダのブリティッシュコロンビアです。海から川がずっと続いていて、海辺からグリズリーが川伝いに親子で登って、これお母さんが写っているんですけれども、子どもが2匹一緒に歩いて、鮭をとって食べながらだんだん上って行ったんですよ。20メートルくらいの距離です。近いですね。でもご飯食べるのに一生懸命なので全然こっちには無関心なんです。普通の生活を見せてくれましたね。
例えばクマもそうですけれども、哺乳類というのは警戒心と、好奇心と両方あるんですね。通常の生活をしている時はわざわざ出会いたくないというのが基本なんですけれども、だけどやっぱり気にもなるというのも実際にあるんです。グリズリーはそれほどでもないですが、例えばキツネとかイルカとかクジラなんかは人に興味を持って、後ろに回り込んで見ていることもあります。僕がなるべく怖がらせないようにアプローチして、例えば話しかけるとか、歌を歌いながらとか、アプローチすることがあるんですけれども、そうすると向こうから近づいてきて、「なんだなんだ」と来ることもあります。以前もカナダでホッキョクグマを探して車でぐるぐる走っていた時に、レッドフォックスがいたんですね。200メートルぐらい先にいて、あっと思って車を止めたんです。静かに車を止めて降りたとたんに、だだだっと走って離れていったんです。でも100メートルくらいでピタッと止まってこっちを見たんです。もしかして可能性があるかもと思って、そのまま僕はそこに寝転んで、雪の上だったんですけれども、「おーい俺は高砂っていうんだぞ」とか、「石巻の出身だぞ」なんていうことを適当に話していたら、だんだん近づいてきて、最後は3メートルくらいまで近寄ってきたのでカメラを静かに出してパチっと撮影したこともあります。
~他にもたくさん素敵な写真があるんですが、特に思い入れのある写真はありますか?
コスタリカで撮影したケツァールという鳥なんですけど、お腹がグリーンと赤で、ものすごく綺麗で、漫画「火の鳥」のモデルになった鳥なんですよね。雨の中でたたずんでいる姿ですけれども、これもちょっと前までは幻の鳥と言われていたんです。でも最近は民家のすぐそばでも見られるようになったんです。これはなぜかというと、コスタリカが国を挙げて自然保護をがんばっているんですね。それで、だんだん人が何もしないというのが動物たちもわかってきて、下手に森の深いところに住んでいるよりも民家に近い方が外的に襲われにくいとわかってきたらしくて、ケツァールも民家の庭先に来るようになったんです。やっぱり人が自然に心を開くとか、そういう方向になると、その分だけやっぱり環境が良くなったりというのはあると思うんですよね。だからプラスチックのこととかでも、ここで気がついたから多分、これからそれに代わるものが作ることもできるだろうし、どうやったら自然のシステムに戻せるかというのも、考えたらできるんじゃないかなと思うんですよね。
自然写真家の高砂淳二さんにお話、いかがだったでしょうか。高砂さんの写真集『PLANET of WATER』は日系ナショナルジオグラフィック社から出ています。

『Planet of Water』高砂淳二(日系ナショナルジオグラフィック社)
そして写真集『PLANET of WATER』の発表に合わせて写真展が7月18日~31日にニコン・ザ・ギャラリー大阪で開催されます。7月20日、27日にはトークイベントもあるそうです。詳しくは高砂淳二さんのウェブサイトをご覧ください。
http://junjitakasago.com/
【今週の番組内でのオンエア曲】
・Joy To The World / Three Dog Night
・NOBARA / Maika Loubté
高砂さんはここ数年、地球の「水」をテーマに撮影を続けていました。そのきっかけは、海に流れ込み続けるプラスチックの問題、いわゆる「海洋プラスチック問題」です。
ただ高砂さんは、危機感を煽るような写真ではなく、地球を覆う「水」、自然のスゴさ、美しさを通じてメッセージを伝えたいとおっしゃっています。実際、完成したばかりの写真集「PLANET of WATER」はそんな写真集になっています。

~大海原の中をイルカの群れが飛び出している写真はすごく躍動感がありますね。これはどちらで撮影されたのでしょうか。
これは南アフリカで撮影しました。南アフリカのコーヒーベイというところがありまして、ある時期になると南極海からイワシの大群がうわぁ〜っと上がってくるんです。それを食べにイルカとかクジラとかサメが集まって、水中で追いかけっこするんですよ。それを撮影したいなと思っていたんですね。イルカとかクジラはいっぱいいて、イルカがいっぱい泳いでいるかと思うと、向こうでクジラが尻尾上げていたりとかするんですよ。本当に濃厚な海でしたね。この写真は、イルカたちが大きなうねりが来たときにそのうねりで波乗りをしに集まってきているところです。もう大騒ぎで喜んで波乗りをしてるんですね。波がブレイクするときに内側で波に乗るでしょ、それでジャポンとブレイクした瞬間に裏側にまわって波の裏からスポーンと出てきた瞬間なんですね。僕はこれをゴムボートに乗りながらあっち行ったりこっち行ったりして撮影したんですよ。僕もこんなシーンは30年で初めてでしたね。水中で可愛く泳いでいたり、何頭かの群れでボートについてきたりとかはいっぱいありますけど、こういう大きなうねりで、喜んでイルカが遊ぶシーン、それをものともせずに飛び出してくるというその躍動感は初めてでしたね。
~あとすごくカッコいいなと思ったのが、森の中にいる大きなクマが川でブルブルブルってやっている写真です。
これはカナダのブリティッシュコロンビアです。海から川がずっと続いていて、海辺からグリズリーが川伝いに親子で登って、これお母さんが写っているんですけれども、子どもが2匹一緒に歩いて、鮭をとって食べながらだんだん上って行ったんですよ。20メートルくらいの距離です。近いですね。でもご飯食べるのに一生懸命なので全然こっちには無関心なんです。普通の生活を見せてくれましたね。
例えばクマもそうですけれども、哺乳類というのは警戒心と、好奇心と両方あるんですね。通常の生活をしている時はわざわざ出会いたくないというのが基本なんですけれども、だけどやっぱり気にもなるというのも実際にあるんです。グリズリーはそれほどでもないですが、例えばキツネとかイルカとかクジラなんかは人に興味を持って、後ろに回り込んで見ていることもあります。僕がなるべく怖がらせないようにアプローチして、例えば話しかけるとか、歌を歌いながらとか、アプローチすることがあるんですけれども、そうすると向こうから近づいてきて、「なんだなんだ」と来ることもあります。以前もカナダでホッキョクグマを探して車でぐるぐる走っていた時に、レッドフォックスがいたんですね。200メートルぐらい先にいて、あっと思って車を止めたんです。静かに車を止めて降りたとたんに、だだだっと走って離れていったんです。でも100メートルくらいでピタッと止まってこっちを見たんです。もしかして可能性があるかもと思って、そのまま僕はそこに寝転んで、雪の上だったんですけれども、「おーい俺は高砂っていうんだぞ」とか、「石巻の出身だぞ」なんていうことを適当に話していたら、だんだん近づいてきて、最後は3メートルくらいまで近寄ってきたのでカメラを静かに出してパチっと撮影したこともあります。
~他にもたくさん素敵な写真があるんですが、特に思い入れのある写真はありますか?
コスタリカで撮影したケツァールという鳥なんですけど、お腹がグリーンと赤で、ものすごく綺麗で、漫画「火の鳥」のモデルになった鳥なんですよね。雨の中でたたずんでいる姿ですけれども、これもちょっと前までは幻の鳥と言われていたんです。でも最近は民家のすぐそばでも見られるようになったんです。これはなぜかというと、コスタリカが国を挙げて自然保護をがんばっているんですね。それで、だんだん人が何もしないというのが動物たちもわかってきて、下手に森の深いところに住んでいるよりも民家に近い方が外的に襲われにくいとわかってきたらしくて、ケツァールも民家の庭先に来るようになったんです。やっぱり人が自然に心を開くとか、そういう方向になると、その分だけやっぱり環境が良くなったりというのはあると思うんですよね。だからプラスチックのこととかでも、ここで気がついたから多分、これからそれに代わるものが作ることもできるだろうし、どうやったら自然のシステムに戻せるかというのも、考えたらできるんじゃないかなと思うんですよね。
自然写真家の高砂淳二さんにお話、いかがだったでしょうか。高砂さんの写真集『PLANET of WATER』は日系ナショナルジオグラフィック社から出ています。

『Planet of Water』高砂淳二(日系ナショナルジオグラフィック社)
そして写真集『PLANET of WATER』の発表に合わせて写真展が7月18日~31日にニコン・ザ・ギャラリー大阪で開催されます。7月20日、27日にはトークイベントもあるそうです。詳しくは高砂淳二さんのウェブサイトをご覧ください。
http://junjitakasago.com/
【今週の番組内でのオンエア曲】
・Joy To The World / Three Dog Night
・NOBARA / Maika Loubté