- 2018.05.27
アースデイいのちの森2018レポート4

今週も、4月に東京・明治神宮で行われたアースデイいのちの森のレポートです。
実行委員長の野中ともよさんにお話を伺いました。
実行委員長をつとめている野中ともよです。今年で10回目を迎えたいのちの森なんです。あと2年で2020年を迎えます。この2020年というのは、東京都民の皆さんはみんなオリンピックと思っていると思いますが、それと同時にこの明治神宮の鎮座100年祭でもあるんですね。この森は、元々は何もない武蔵野の大地でした。そこに苗木が植えられたのが100年前。その100歳のお誕生日があと2年できます。来年、再来年のいのちの森はもっとみんなに参加していただけて、私達の苗木もおおいに広げていきたいと思っています。ラジオをお聞きの皆さんも100年先の森作りに参加することが出来るプロジェクトがスタートしています。ぜひご参加をいただけたらと思っています。
「アースデイいのちの森」は明治神宮の森で、生命の多様性、つながりを感じ、地球と、つながるいのちへの感謝の気持ちを捧げるこのお祭。本当に伝えきれないほど色んなワークショップ、アクティビティがあるんです。
今回はその中から、この番組とも関わりの深い「鎮守の森のプロジェクト」による神宮の森のガイドウォークの後半の模様をお届けします。案内してくれたのは、東京農業大学の研究者西野文貴さん。明治神宮鎮座100年を前に行われた、大調査隊のメンバーの一人で、明治神宮の森の植物に大変詳しい方です。

僕も実際に調査をしたんですが、東日本大震災のあと、いろいろなものが破壊され、津波によって流されてしまったなか、いわゆる”鎮守の森”は残っていたんです。そして、そこにあった木々は、いわゆる”ふるさとの木”だったんですね。ふるさとの木というのは、その土地に何百年、何千年続いて生きてきた植物たちです。何百年、何千年の間には、津波や地震のような天災が何回も来ていますが、それを全部耐え抜いて生き残った、本物の木です。僕が調査に回ったときは、この写真のような風景がよく見られました。杉は経済林としては当然大事な木なのですが、塩害には弱いし、津波のようなインパクにも弱いんです。なので、この樹木、杉は、津波の浸水にあったところが徐々にこ茶色くなって、2~3ヶ月で枯れたというようなことがあったりします。
実は東北の沿岸部のふるさとの木はスダジイではなくタブノキになります。これは南三陸町で撮った写真なんですが、わかりますか?根が強靭で、津波の影響をダイレクトに受けながらも残っています。ここで大事なのは、神社が残ったということだけではないんですよね。その後ろの家なども守られています。この知恵とか、知識を次の世代に活かして、次に来る天災にそなえようといのが鎮守の森のプロジェクトの内容になっています。
そして、この明治神宮のコンセプトである”永遠の森”といわれるものも、何百年、何千年続く森ですよね。ここにある木々はみんなふるさとの木が最後には残ります。
みなさん上を見ると、大きい木だとか、中くらいの木とか、低い木とか、草もあったりしますよね。そういうふうに四層構造というのですが、高木、亜高木、低木、草本層。この4つの層がある森といのは、生物多様性的にも豊かで、防災的にも強いです。たとえば木によっては、津波に強い植物もあったり、風に強い植物とか、いろんなタイプの植物があります。そして、目には見えないですが、地下ですね。地面の中の根っこも大きい木は深く入りますし、低木は横にひろく入ったりします。そういうふうにいろんな根が絡むことで、防災的にすごく強い森ができるんですよね。じゃあそういうことも踏まえながらもう少し歩いていきますね。
地味なんだけど、大事な植物にスポットを当てようと思います。ここにある植物、ちょっとジュラシックパークみたいな、昔を想像させるような植物ですね。これはシダ植物です。シダ植物は地球が誕生してから、最初の方に出てきた植物なんですね。苔、蘚苔類に始まり、水を吸い上げる能力が出てきた植物の最初がシダ植物になります。じつはものすごく馴染み深い植物なんですね。もう春はちょっと過ぎつつありますが、ゼンマイだとかワラビ、ツクシもシダ植物なんですね。じつはスギナと呼ばれる植物とツクシは地下でつながっていて、一緒の植物なんです。スギナの緑の葉は光合成をするための役割を担っています。そして、ツクシは自分の子孫を増やすため、胞子を飛ばす役割を担っています。 明治神宮は日本各地からの献木によって作られた森なのですが、これらのシダ植物は、そのリストのどこにも入っていないんですん。なので、自然に飛んできて入ってきた植物なんですよね。まさに自然が作り上げていくところのひとつの植物になります。そういうところでも、この明治神宮の森がすごいということがわかってくると思います。じゃあもうちょっと進んでいきましょう。
大きくなった森にはいろんな生き物たちがきます。鳥であったり、昆虫であったり、ミミズであったり、ダンゴムシであったり、いろんな生き物が来ますが、そのなかで大きな動物も来たりします。さあこの写真はなんでしょう。そう、フクロウです。フクロウがちょうどネズミか何かを捕らえたところです。いわゆる大人の森、ふるさとの木による森ができると、いろんな生き物たちの命も育まれているんですね。これで今日の一連のお話は終わりになるんですが、東日本大震災で残った鎮守の森、そしてふるさとの木はいままでの自然災害を何度も耐え抜いてきた本物の木です。その本物の木で作られた森がこの大都会に、奇跡の森として、明治神宮の森があるということ。今日はそれを考えながら歩いたことによって、おそらく次にこの明治神宮の森を歩くときは、全然視点が変わっているんじゃないかと思います。今日はどうもありがとうございました。
西野文貴さんによるガイドウォーク、いかがだったでしょうか。機会があったらぜひ明治神宮の森を訪れてみてくださいね。
アースデイいのちの森ウェブサイト→http://inochinomori.net/
鎮守の森のプロジェクト→http://morinoproject.com/
【今週の番組内でのオンエア曲】
・うららかSUN / ハナレグミ
・Payphone feat. Wiz Khalifa / Maroon5