- 2017.08.27
北海道の自然体験ツアー2

今週も引き続き、北海道の自然体験レポート、お届けします。
今回は、「知床五湖ガイドウォーク」のレポートです。
世界自然遺産・知床。冬の流氷が運ぶ栄養が、海と山を豊かにして、「命の輪」を結ぶ土地。
エゾシカ、トド、シマフクロウなど希少な生き物たちによる多様性が評価され、世界自然遺産に登録されています。そして何より知床の森は世界的にもヒグマの生息密度がトップクラスという、ヒグマの住処でもあります。
今回のガイドツアーは、そんな知床の原生林に囲まれた大小5つの湖、「知床五湖」をめぐるツアーだったのですが、ツアーの冒頭も、まずヒグマに関するレクチャーから始まりました。じつは私たちが参加した前日も、2匹のクマが現れてツアーが中止になったのだそうなんです!
ということで、ちょっとドキドキしながら、ツアーはスタート。私たちは、 知床ナチュラリスト協会「SHINRA」の畑谷雅樹さんのガイドで森へと入りました。


今日は良い天気で暑い位ですね。。これからフィールドハウスと言う建物で立ち入り許可を受けるためのレクチャーを受けて、約3キロの遊歩道を、原生林や5つの湖など自然で解説をしながら散策していきます。今の時期は非常にヒグマが多いので安全対策のためにガイドツアーの限定利用になっています。それではこれから2時間40分くらいになりますが、よろしくお願いします。



左の笹の中に大きな緑の葉っぱが見られます。これは熊の食べ物の一つ、ミズバショウです。これは里芋の仲間で、根本を掘り起こすと芋があります。この芋の部分が熊の食べ物です。ミズバショウが生息しているのは湿地帯なのですが、意外と知床半島は湿地帯が少なく、ここの5つの湖が点在している周囲に、特に雪解け後に多く見られます。まだ今年はあまり手をつけていませんが、前日までは全く手がつけられていないものが、翌朝きたらあらかたほじくり返しされているということもあります。

1番近くで熊に遭遇したのは、3、4メートルくらいですね。若い熊でした。小高い丘を超えるような形で出てきて、間に立木もあったりしましたが、存在に気づいて、踵を返すように熊が別の方向に行ってしまいました。
ここの遊歩道は食べ物持ち込まないことになっていますが、匂いで誘引しないということももちろんありますが、万が一食べ物を落としてしまって、それを熊が食べてしまって、人間の食べ物の味をしめてしまったときに、次に利用する人に危害を加える可能性があります。そういったことで、持ち込まないよう徹底しています。そういう取り組み、ルールは大事になってきますね。。本来彼らは、9割位は植物質の食べ物を食べていて、7割は草本類。意外とヘルシーな食生活なんです。例えば、これはヤマブドウのつるです。秋になると実がなり、美味しいしくて、人間も生でも食べられます。これは熊も大好きですね。このヤマブドウが絡まっているトドマツの木の幹よく見てもらうと、爪の跡があります。これは実を食べるために木に登っていったときの爪痕です。腕力もあるので、こういった垂直な木でも前足で抱え込むように爪を引っ掛けて、後ろ足の爪も使いながら上手に木登りをします。降りる時はちょっと不格好にお尻からズルズルっと下がってくるので、長い線の爪痕は降りているときのものですが、斜めに入っている爪痕は上っている時のものです。

秋はヤマブドウやミズナラのどんぐりを食べます。熊は冬眠をする動物なので、冬眠から目覚めてすぐはまだ雪があるので、雪を掘り起こして前年の秋のどんぐりを食べて食いつないだりしながら、雪が溶けて山菜類のセリやふきなどが出てくると、そういった山菜類を食べます。夏は昆虫類、蝉の幼虫なんかもよく食べます。ハチやアリなんかも食べて、8月の後半お盆過ぎ位からは、川にサケマスの仲間が遡上してくるので、サケやマスを食べます。北海道のお土産というと、木彫りのサケを咥えた熊が有名なので、サケを沢山食べている印象がありますが、全体のメニューの中では少なく、0.4%ぐらいという熊もいます。期間が限定されているからということもありますね。たくさん食べられる時期は、メスのお腹の卵のところだけきれいにかじりとるような、贅沢な食べ方をしています。そのうち秋になると、木の実を食べます。グルメな動物というか、季節の旬のおいしいものよく知っているんです。
今回のお話いかがだったでしょうか。来週も続きをお届けします!
【今週の番組内でのオンエア曲】
・打上花火 / DAOKO×米津玄師
・Fire Escape / Andrew McMahon In The Wilderness