- 2016.08.28
森を食べる植物2
先週に引き続き、森の変わり種植物、「腐生植物」のお話をお届けします。
植物なんだけど葉っぱがなくて、葉っぱがないから当然、光合成をしない。どうやって生きているかというと、カビやきのこを食べて生きている!
そんな不思議な植物を追いかる、東京大学 大学院 教授で植物学者の塚谷裕一さんにお話しをうかがいます。

『森を食べる植物――腐生植物の知られざる世界』塚谷裕一(岩波書店)
〜光合成をしないから緑色である必要が無いという腐生植物はみんな白い花なんですか?
ギンリョウソウやタヌキノショクダイは白かったんですけども、物によってはブルーとか黄色とか赤とかいうものもあります。
〜白い茎でお花のとこだけ赤だったりってことですか?
そういうツートンカラーになることはあまり多くありません。しかも茎があんまり伸びることはそんなに多くなくて、単色でいることが多いです。
ただ森の奥にいることが多いので、濃い色だとあんまり目立たないんですよね。明るい色の方がやっぱり目立つので、そうするとやっぱり白かったり、ブルーだったりする。
ただ例外があって、あんまり暗いところに行ってしまうと今度蜂とか虫が嫌がって来ないじゃないですか。虫は明るいところが好きなので。そこでもう繁殖のために虫を相手にするのをやめちゃって、ひとりで勝手にやってくっていうことを選んだ腐生植物もいて、それは形も色もキノコそっくりで全然目立たないっていうのもいます。
〜彼らはどうやって増えていくんですか?
それはですね、飛ぶ虫を相手にせず、地面をモソモソ歩いてる虫を相手にするものもいますし、それもやめちゃって、自分で勝手に自分の花粉を自分の雌しべにつけて種を付けるのもいます。
とにかく腐生植物になったことで葉で光を受ける必要がなくなったので、暗い方にはどこへでも行けるんですよ。普通の植物は明るいところにいないとやっていけないから、どうしても明るいところに行きたがるわけですけど、腐生植物はその必要がなくて、むしろ自分が食べてるカビとかキノコが豊富なところに行くので、生き方がだいぶ違ってきます。
〜じゃあ私たちが見たいなと思ったら、ちょっと暗い、じめっとしたところに行かなきゃいけないんですね?
はい。じめっていうかですね、ちょっと微妙なニュアンスになる場所がよくて。というのはカビとかキノコを栄養にしているので、つまり森を食べているので、森が豊かなところでないと腐生植物がいることが許されないわけです。そんなに余裕のないところの森だったら腐生植物が栄養を横取りするなんてできないじゃないですか。なのですごく豊かな森に彼らは多いんですけども、そういう意味では暗いんだけどもある程度落ち着いた雰囲気があるところに彼らは多いんですよ。

~腐生植物って新種の宝庫なんですか?
はい。先程も言っているように花を咲かせる以外に地面から上に出てくる必要がないわけです。葉っぱが日に当たる必要がないので。だから花が咲くまでは地中にいるんですね。
普通の植物は花が咲く前に葉っぱを広げているので、花が咲く前からここにいるなって気が付くじゃないですか。だけど腐生植物は花が咲く時以外地面から外に出てきていないので、誰もその存在に気が付かない。たまたま花が咲いてるときに通りかかると「こんなところにいた!」っていう感じなので、まず見つけるタイミングが難しい。それからカビとかキノコを食べてるので割と小柄なものが多いんですね。だから見過ごしちゃうことも多い。というので、戸籍調べがよく進んだ日本の中でもまだ新種が毎年のように見つかるんです。
私が中学生か高校生くらいのときだったと思うんですけども、新聞にオーストラリアで、ある腐生植物に懸賞金が出たっていう記事がでてました。それはなぜかっていうと花も地中で咲いちゃうってやつがいて、そうすると誰も気が付かないわけです。そのために当時2~3個くらいしか発見例がなかったので懸賞金が出て、是非見つけてくれっていうのがあったことがあります。そういう風に地面に出ることすらしないっていう腐生植物もいます。
~なんかこう今まで植物って、「お日様いっぱいで嬉しい!」みたいなのが幸せかと思ったんですけれどそんなこともないんですね。」
はい。彼らはそれとは全く違う生き方を選んだ変わり者ですね。
~なんでそんな生き方選んだんですかね?
やっぱり楽なんじゃないですかね。「スキマの植物」もそうでしたけども、光が良く当たるとこっていうのは他の植物も入りたい。そうするとやっぱり競争になるっていうのでなかなかストレスになりますけども、根っこに勝手に入ってきたカビやキノコを栄養源にすればいいのであれば、待ってればいいわけですよね。やっぱり楽なんじゃないですかね。その意味で森を食べてるっていう感じなんですね
~塚谷さんのお話を聞いてるとちょっと見てみたい!って思う方いらっしゃると思うんですけど、キノコと間違えずに、これが腐生植物だって見極めるポイントってありますか?
腐生植物は種を作る植物なので、花がちゃんとあって、中に雄しべと雌しべがちゃんとあるっていうのがポイントですね。ギンリョウソウも「ユウレイタケ」っていうキノコのような名前が別名としてあって、実際にキノコ狩りの会があったりすると、キノコと間違えてギンリョウソウを取って来る人がいるんですけども、やっぱり違うのは花なので、雄しべと雌しべがあるということです。それでキノコじゃないなっていうのがわかるはずです。
ギンリョウソウは丘陵地帯とかに上がってもらうとか、夏山シーズンだったら山の中腹くらいで割と見ることができると思います。平地でも竹藪に生えるものとか色々います。竹藪だとコロッとした数センチから十センチくらいのサイズのものが葉っぱの隙間から顔を覗かせてるのを見られるかもしれません。是非探してみてください。

今回のお話いかがだったでしょうか。
塚谷さんのお話はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。
こちらもぜひお聞きください!
【今週の番組内でのオンエア曲】
・Better When I'm Dancin' / Meghan Trainor
・As You Are / Charlie Puth
植物なんだけど葉っぱがなくて、葉っぱがないから当然、光合成をしない。どうやって生きているかというと、カビやきのこを食べて生きている!
そんな不思議な植物を追いかる、東京大学 大学院 教授で植物学者の塚谷裕一さんにお話しをうかがいます。

『森を食べる植物――腐生植物の知られざる世界』塚谷裕一(岩波書店)
〜光合成をしないから緑色である必要が無いという腐生植物はみんな白い花なんですか?
ギンリョウソウやタヌキノショクダイは白かったんですけども、物によってはブルーとか黄色とか赤とかいうものもあります。
〜白い茎でお花のとこだけ赤だったりってことですか?
そういうツートンカラーになることはあまり多くありません。しかも茎があんまり伸びることはそんなに多くなくて、単色でいることが多いです。
ただ森の奥にいることが多いので、濃い色だとあんまり目立たないんですよね。明るい色の方がやっぱり目立つので、そうするとやっぱり白かったり、ブルーだったりする。
ただ例外があって、あんまり暗いところに行ってしまうと今度蜂とか虫が嫌がって来ないじゃないですか。虫は明るいところが好きなので。そこでもう繁殖のために虫を相手にするのをやめちゃって、ひとりで勝手にやってくっていうことを選んだ腐生植物もいて、それは形も色もキノコそっくりで全然目立たないっていうのもいます。
〜彼らはどうやって増えていくんですか?
それはですね、飛ぶ虫を相手にせず、地面をモソモソ歩いてる虫を相手にするものもいますし、それもやめちゃって、自分で勝手に自分の花粉を自分の雌しべにつけて種を付けるのもいます。
とにかく腐生植物になったことで葉で光を受ける必要がなくなったので、暗い方にはどこへでも行けるんですよ。普通の植物は明るいところにいないとやっていけないから、どうしても明るいところに行きたがるわけですけど、腐生植物はその必要がなくて、むしろ自分が食べてるカビとかキノコが豊富なところに行くので、生き方がだいぶ違ってきます。
〜じゃあ私たちが見たいなと思ったら、ちょっと暗い、じめっとしたところに行かなきゃいけないんですね?
はい。じめっていうかですね、ちょっと微妙なニュアンスになる場所がよくて。というのはカビとかキノコを栄養にしているので、つまり森を食べているので、森が豊かなところでないと腐生植物がいることが許されないわけです。そんなに余裕のないところの森だったら腐生植物が栄養を横取りするなんてできないじゃないですか。なのですごく豊かな森に彼らは多いんですけども、そういう意味では暗いんだけどもある程度落ち着いた雰囲気があるところに彼らは多いんですよ。

~腐生植物って新種の宝庫なんですか?
はい。先程も言っているように花を咲かせる以外に地面から上に出てくる必要がないわけです。葉っぱが日に当たる必要がないので。だから花が咲くまでは地中にいるんですね。
普通の植物は花が咲く前に葉っぱを広げているので、花が咲く前からここにいるなって気が付くじゃないですか。だけど腐生植物は花が咲く時以外地面から外に出てきていないので、誰もその存在に気が付かない。たまたま花が咲いてるときに通りかかると「こんなところにいた!」っていう感じなので、まず見つけるタイミングが難しい。それからカビとかキノコを食べてるので割と小柄なものが多いんですね。だから見過ごしちゃうことも多い。というので、戸籍調べがよく進んだ日本の中でもまだ新種が毎年のように見つかるんです。
私が中学生か高校生くらいのときだったと思うんですけども、新聞にオーストラリアで、ある腐生植物に懸賞金が出たっていう記事がでてました。それはなぜかっていうと花も地中で咲いちゃうってやつがいて、そうすると誰も気が付かないわけです。そのために当時2~3個くらいしか発見例がなかったので懸賞金が出て、是非見つけてくれっていうのがあったことがあります。そういう風に地面に出ることすらしないっていう腐生植物もいます。
~なんかこう今まで植物って、「お日様いっぱいで嬉しい!」みたいなのが幸せかと思ったんですけれどそんなこともないんですね。」
はい。彼らはそれとは全く違う生き方を選んだ変わり者ですね。
~なんでそんな生き方選んだんですかね?
やっぱり楽なんじゃないですかね。「スキマの植物」もそうでしたけども、光が良く当たるとこっていうのは他の植物も入りたい。そうするとやっぱり競争になるっていうのでなかなかストレスになりますけども、根っこに勝手に入ってきたカビやキノコを栄養源にすればいいのであれば、待ってればいいわけですよね。やっぱり楽なんじゃないですかね。その意味で森を食べてるっていう感じなんですね
~塚谷さんのお話を聞いてるとちょっと見てみたい!って思う方いらっしゃると思うんですけど、キノコと間違えずに、これが腐生植物だって見極めるポイントってありますか?
腐生植物は種を作る植物なので、花がちゃんとあって、中に雄しべと雌しべがちゃんとあるっていうのがポイントですね。ギンリョウソウも「ユウレイタケ」っていうキノコのような名前が別名としてあって、実際にキノコ狩りの会があったりすると、キノコと間違えてギンリョウソウを取って来る人がいるんですけども、やっぱり違うのは花なので、雄しべと雌しべがあるということです。それでキノコじゃないなっていうのがわかるはずです。
ギンリョウソウは丘陵地帯とかに上がってもらうとか、夏山シーズンだったら山の中腹くらいで割と見ることができると思います。平地でも竹藪に生えるものとか色々います。竹藪だとコロッとした数センチから十センチくらいのサイズのものが葉っぱの隙間から顔を覗かせてるのを見られるかもしれません。是非探してみてください。

今回のお話いかがだったでしょうか。
塚谷さんのお話はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。
こちらもぜひお聞きください!
【今週の番組内でのオンエア曲】
・Better When I'm Dancin' / Meghan Trainor
・As You Are / Charlie Puth