今週も「週末限定の里山暮らし」を家族で続けている馬場未織さんのお話です。
千葉県・南房総市の、三芳地区に、里山と古民家を購入した馬場さん一家が、週末限定の里山暮らしをはじめてはや10年。
NPOを立ち上げ、里山生活を色んな人が体験できる機会を作ったり、本を出したり。活動は広がりを見せています。
その一方、馬場さん一家は、お子さんもだんだん成長。時間が経過すれば、家族の形もきっと変わっていくことになります。
そんな中、馬場さんはこれから先、どうするつもりなのでしょうか。
「週末限定」の里山暮らしを続けるのか。それとも・・・!?
そのあたりを伺いました。

沖縄に移住したお友達が『きれいな青い空でも毎日見てたら普通になるよ。』って言ってたんですが、私は都市での生活もあるからか、行く度に毎回新鮮に感動しています。
こういう暮らしをできる人もできない人もいるとは思うんですけれども、田舎に家を持つっていうだけじゃなくて、いろんな形で自分の住んでるところじゃないところに愛着を持つとうのはいいんじゃないかと思います。自分の視点をひとつに定めちゃうと、そこからしか物を考えられないんですけど、例えば私の大好きな田舎のおじいさんとかおばちゃんがいますっていう、リアリティの中で世界を考えると見え方が立体的になるんですね。そういう人が増えれば、なにかを判断しなきゃいけないときの判断材料が増えたりとか、想像力が豊かになるっていう効果があるんじゃないかなって思っています。
ですから、里山学校にしばしば通ってくれる人がいるのはとても嬉しいことですし、家を持たなくても、草刈り体験、田舎暮らし体験なんかを親子でできるような環境がもっともっと整えばいいなっていうのは思ってます。


〜これからの南房総リパブリックとしての活動はどんなことありますか?
実はこの前2016年度のしめ縄を作りましょうということでみんなで集まって去年のもち米とかお米の藁を使ってしめ縄づくりをしたばっかりなんですね。次は春の七草をを全部自分で採ってみるっていうのを毎年やってるので、それをやるか、あるいは新しいことにチャレンジしてみようかなと思っています。
一年っていい感じに四季が別れていて、春が飽きた頃夏が来て、夏が飽きた頃秋が来て、一年たつと、一年前に楽しかったことがまた楽しみっていう、それがすごく上手くできてるなって思います。


〜将来的は東京と三好地区はどちらか選ぶんですか?
よく聞かれるんですよね。向こうで親しくしてる方にも早く東京から足洗ってこっちで茶を飲もうみたいに言われることがあって、とっても嬉しくって、ひょっとしたらそうなるかなっていう思いが半分ぐらいあるんですが、その時の家族の状況とか私が決められない色んな環境要因があるので、それを考えながら自然に決めようと思います。でも一方で、その方は「無理すんな」って言うんですよ。「やめたくなったらやめればいい。馬場さんちは実験なんだから、実験はいろんな結果が出ていいんだから」って言ってくださって、なんかそうするとすごく『〜ねばならない』ということがなくなって、とってもほっとするんですね。そういうゆるい感じの中で自然に導かれる方に行こうかなと思っています。もしかしたらそんな自由は今後なくなってしまうのかもしれないけど、今はそういうことをできるときは精一杯楽しもうかなって思います。

〜一方では、本当は東京にいたいけどやむなく実家に帰って田舎暮らしをしなくてはいけないとか、「田舎暮らしの大変なことをわかってるのか」みたいな厳しい意見もあると思うのですが。
当然あると思います。私たち自身もその葛藤が日々あるっていう感じです。例えばお寺をどうやって維持しようとか、地区の未来をどうしましょうとかっていうところについては、私は直接その当事者になりきれてなくて、サポーターみたいな状態なんですね。「当事者でもないからそんな気軽なこと言って」みたいなところは当然あると思うんですけど、一方で東京と南房総を出入りしているからこそ、地元の方が気がつかない価値を伝えたいと思っています。
無責任なことはしたくないし、全部は担えないそのもどかしさもあります。だけど私たちの役割はあるのかなって思っています。


4回にわたってお届けした馬場未織さんのお話いかがだったでしょうか。詳しく知りたい方はぜひ馬場さんの著書『週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記』をチェックしてみてください!

『週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記』ダイヤモンド社

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Ob La Di.ob La Da / Shango
・Only Love Can Break Your Heart / Neil Young
今週も引き続き、「週末限定の里山暮らし」を家族で続けている馬場未織さんのお話です。
千葉県・南房総市の三芳地区に里山と古民家を購入。月曜から金曜までは東京で働いて、普通の都会生活を送り、土日は里山へ。そしてまた月曜日からは都会での生活へ戻る・・・という馬場さん一家。
ただ、こういう生活って、本当に続けられるものなのでしょうか。憧れる気持ちがある一方で、実際長続きするか分からないという人も多いかも。
馬場さんに、そのあたりの疑問をぶつけてみました。

『週末は田舎暮らし ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記』ダイヤモンド社

〜里山暮らしに飽きたなとか思う瞬間ってありますか?
私は飽きないですね。むしろどんどん傾いていく感じはですね。やっぱり周りの環境音が、例えばそよ風の音とか鳥の声、木々のざわめきとか全く人工音がしないところにいると癒されるみたいで、三芳から戻って来るとかなり元気になってるんですよね。べつに癒されるために行こう!とかって思わないんですけど、金曜日くらいになると、ぼやっと明日何しようかなって思ってるっていう感じですね。

〜東京に戻りたくないなって思いませんか?
金曜の夜にパソコンを閉じたら、土日はやむをえずの場合以外は仕事をしないようにしているんですね。で、またパソコンを開く瞬間に戻っていくわけですが、やっぱりちょっとがさついた気持になったりとか、ちょっと子供しかっちゃったりとかするんです。でもアクアラインを抜けて川崎の工場エリアに入って行って、「これで私の週末おわり!」ってなると、スッと背筋が伸びる感じで、明日からまた頑張ろうみたいな気持ちになります。

〜馬場さんは南房総リパブリックというNPOの理事長でいらっしゃいますが、このNPOはどういうものなんですか?
子育ての環境を田舎に求める人っていうのはたくさんいて、でもどうしていいかわからないとか、別荘暮らしというわけではないけど、ちょっと日常に溶け込んだ田舎暮らしがしたいっていう人たちに「実はできちゃったりするよ。」っていうことを、一緒に体験する中で感じて頂こうということで、二地域居住を推進しながら里山をみんなで守ろうというような活動をしています。
2010年にCOP10が開催されたときに、里山を守ることの重要性が世界的に認識されましたけど、その担い手はいないんですよね。みんなおじいちゃんおばあちゃんになっちゃってる。ですから、その地域だけで里山を守るのは結構難しいので、だったら外から来る人を増やすとか、そういる中で里山保全ができればなというのが狙いです。


〜実際にどんな活動をされるんですか?
いちばん大きい柱としては里山学校というのがあって、地元の草木や生き物に詳しい先生と一緒に自然を親子で学ぶっていうことをしています。例えば野山にポンと連れていかれて「ここで遊びなさい」って言われても、しばらくは気持ちいいねって思うんですけど、あとはじゃあバーベキューでもしようかみたいな感じで手持ち無沙汰になっちゃうんです。でも知識があって、木々や花や虫のおもしろさを見る目があれば、いくらでも自然って楽しめるんですね。「雑草に見えるけど、これとこれとこれは食べられる。これは毒草」っていうようなものがわかるようになると、雑草と思って見ていたものが宝の山に見えてくるんですね。その自分に変わっていく喜びを親子で体験したり、夏は川に入って、魚やカニなどの水辺の生き物たちを捕ってそれをじっくり観察するとか、そういう自然となるべく近い距離で楽しんでいくっていうようなプログラムを提供しています。あとは六月のビワのおいしい時期にビワ山に歩いて行って「こういう山間にビワができるんだ」っていうのを体感しながらビワを食べたりします。

〜そういう活動をしている中で、里山暮らしをしたいって思ってる方は増えてると感じますか?
2014年の2月に「週末は田舎暮らし」っていう本をだしたんですけれども、そのなかで私たち家族が奮闘する様を描いたのですが、それを出した後にメールとかお手紙で「実はこういう暮らしがしたかった。どうすればいいですか?」「どこにどう物件を探せばいいですか?」っていう相談の連絡がたくさん来るようになってちょっとびっくりしたんですね。あ、こんなにいるんだと。あとは、「私もしています。」っていう人からもたくさん連絡がきました。こうやって複数の拠点を行き来しながら、全部の地域を愛しているっていう人たちがたくさん増えるといいなって思います。そうすると、都市だけじゃなくて田舎の暮らしにも自分のことのように想像力が持てるようになって、世界を見る目が変わるだろうなと思うんです。

〜どのくらい収入があればその生活ってできますか?
里山暮らしは生活の規模を小さくすることを工夫することがかなりできると思うんですね。例えば年収200万切ったとしても割とやりくりできる。その内訳の大きいところは家賃が滅茶苦茶安いっていうところ。ほぼタダみたいなところから数万程度で結構大きいおうちが手に入ったりっていうところでやりくりできる。ただ二地域居住の場合は往復のお金と、二つのおうちを維持管理するというお金が必要になります。当時はレンタルの物件がなかったので私たちは買ったのですが、今はレンタルの物件も出てきているので、借りてやってみるっていうのもいいなと思います。今空き家問題とかも大きくなってきてるので、そういう物件も増えてくると思います。

馬場さんのお話いかがだったでしょうか。さらに詳しく知りたい方は、馬場さんの著書『週末は田舎暮らし---ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記』(ダイヤモンド社)もぜひチェックしてください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Creepin' In / Norah Jones
・Better Together / Jack Johnson
今週も引き続き、南房総リパブリック代表 馬場未織さんによる、週末限定の里山暮らしのお話です。
ひょんなことから、東京ドームの半分くらいの広さの里山と、築100年を超す古民家を手に入れ、もう何年も、土曜と日曜はそちらで過ごすという生活を続けている馬場さん。その生活には、やっぱり大変なこともいっぱいあるようなんです。
馬場さんはその「大変さ」をとっても楽しそうに、教えてくれました。


〜南房総の生活で大変なことってありますか?
ほとんど大変なんですけど(笑)いま、いちばん大変なのはイノシシの被害ですね。よくブヒブヒ鳴いてるのが聞こえたりとか、夜に家につくと、ヘッドライトで目が光ったりとかしてるんです。友だちは、道路で母親が授乳してるところに遭遇したりとか、イノシシと人間が同じくらいいるんじゃないかなって思います。それで土手をグチャグチャに荒らしてしまったり、野菜を食べてしまったりして、みんな被害と戦ってますね。


〜お話に出てきたお家は築120年くらいの家ということですが、この時期の寒さとか大変ではないですか?
そうですね、とにかく寒いんです。廊下の板と板の間から下が見えるくらい低機密低断熱で、外にいるほうが暖かいくらいなんですね。なので、モコモコに家の中でも着て、コタツに入って、息を白くしながらみかんを食べるみたいな感じです。東京の暮らしと全く違う暮らしがしたかったので、あえて手を入れなかったんです。農家の方がこういう寒さの中で春を待っているというのを一緒に体験したくてやってきたのですが、歳をとってくるとちょっと寒いですね(笑)

〜お子さんたちはそういう生活を喜んでるんじゃないですか?
そうですね、イベント的に楽しんでる部分はあります。外でほうれん草に霜がついてるのをみて、こうしてがんばるから糖ができて甘くなるんだ、というのを見ながら食べると、ちょっとした野菜でもおいしさのからくりがわかったりとか、そういう意味ではいいかもしれないですね。

〜虫は大丈夫ですか?
虫はたくさんいますが、幸いな事に私は虫は大丈夫で、息子が虫好きだったのは私の遺伝子によるのかもしれないのですね。普通に15cm級のオオゲジがワサワサっと枕元にいたりします。そのときに私たちが子どもと一緒に学んだのは、これは悪いやつか良いかということ。悪いやつはやっつけなきゃいけないんですが、たとえばアブやブヨは痛いんで、気をつけなきゃいけない。でもオオゲジはそこまで悪くない。死んでもだえ苦しむ様子が怖いんであって、そうじゃなかったら放置して、「おもしろいね」って眺めていたほうがいいんです。また、手のひらくらい大きなアシダカグモっていうのがいるんですよ。それはゴキブリを捉えて食べてくれるので、彼らは重宝してます。なので、印象だけで怖がらにようにというのは気をつけています。子どもは私が怖がらないと怖がらないんですよね。だから、私が「キャー」っていったら、これはそういうものっていうカテゴリーに入るんでしょうけど、「かわいい!」っていうと、かわいいものになるというところはありますね。

〜農業もやってらっしゃるんですか?
私たちなりに自分たちが楽しめる畑仕事をしているっていう感じです。夏は草に埋もれてしまうのでダメなんですが、冬野菜はよくできていて、大根、小松菜、ほうれん草、にんにく、ネギ、玉ねぎ、そら豆、菜の花とかつくってます。

〜たくさんの種類ですが、いちから学んだんですか?
東京にいる時は自分で作って収穫している人達を見て、費用対効果の悪いことしてるなと思っていて、プロが作ったものを買ったほうが美味しいじゃないって冷めた目で見てたのですが、知り合いの農家さんができて、とくに押し付けず、じゃあジャガイモでも植えていこうかなって、植えていったんですよ。とくにこうしろ、ああしろと言わずに。それをぼんやり見てたんですが、芽が出てきたらうれしくて、その周りの草取りをするようになって、来る度にその成長が楽しみになりました。収穫した時にはまるで自分が育てたかのような気持ちになって、食べてみたらとってもおいしくって、収穫する喜びもそうだし、新鮮なものの美味しさがわかりました。そこからハマりましたね。

〜東京から離れてみると、暮らしや文化、人付き合いも違うと思うんですが、そういうギャップに戸惑ったことってありますか?
私たちが房総で暮らし始めて次の日に近くにお店に買い物に行った時に、すべて私たちのことを知っていたんです。それで、なんでこんなに噂が早く回るんだろうというのはとても不思議でした。基本的に私たちって、LINEやメールの文字のやりとりですが、あちらではきっちり電話が必ずかかってくる。それに私たちのエンジン音が聞こえると、会いに来るんです。対面のコミュニケーションが多くて、そのなかでちょっと驚いたり、戸惑ったりするんですが、誤解は少ないんですよね。目を見て話すし、人となりもそこでわかるので、不便なようで、これは必要だなって思ったりはします。

〜都会にいると、ちょっとめんどくさかったり、相手の状況がわからなくてメールにしたりしますが、それって誤解を生むことが多いのかもしれませんね。
そうですね、基本的にアポを入れるっていう感覚がなくて、思いついたらそこに軽トラで行くんです(笑)ちょっと自分のテリトリーの感覚とかが違うのかもしれないですね。

馬場未織さんのお話いかがだったでしょうか。来週もお話の続きをお届けしますので、どうぞお楽しみに。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・風は西から / 奥田民生
・魔法のバスに乗って / 曽我部恵一BAND
今週は「里山のある暮らし」にスポットを当ててお届けします。
といっても、完全な田舎暮らしではなく、都会から週末だけ移住する。里山にもう一つのお家を持つというライフスタイルのお話です。
というわけで、そんな暮らしを実践していらっしゃる、『NPO法人南房総リパブリック』理事長の馬場未織さんにスタジオにお越しいただき、お話をうかがいました。


馬場さんは月曜日から金曜日までは東京にいらっしゃって、週末はどちらに?
馬場:金曜日の夜、家族がみんな家に戻ってきたら、家事やら子どもの世話やらを済ませて、月曜の用意まで済ませて、車に子ども3人猫2匹のせて、南房総のほうまで向かいます。向こうで土曜日と日曜日を過ごして、日曜日の夜に収穫した野菜やらを車に詰め込んで、元きた道を戻って、月曜日に平日を過ごすという感じです。

東京と南房総と、お家が2つある暮らしを始めたのは、なにかきっかけがあるんですか?
馬場:私自身は都会でしか暮らしたことがなかったし、私の夫もそうだったので、とくにそれに不便は感じたことはなかったのですが、息子がとても生き物好きで、どこにいっても生き物を探すというような子だったんですね。それで、私も子どもの目線で虫探しをしたりする日々をずっと送っていたのですが、そのなかで、本当に東京でずっと暮らしていていいのかな、みたいな疑問はずっと湧き続けていたんです。そんななかで、ふと夫と「たとえば週末田舎で暮らすっていうのもありだよね」っていう会話をしたのをきっかけに、不動産を探してみたりして、「こんなのどう?」って言っているうちに熱が高まってきたという感じです。実際に物件を見に行っちゃった入りして、具体的に見に行くと、その土地の家だけじゃなくて、周りの風情だとかも見て想像力が広がる。そうすると、「これいいじゃん!」みたいな感じで、自分たちの方も盛り上がっていくっていう、そういうスパイラルがありました。

千葉県の南房総市三芳地区というところを選んだのはどうしてですか?
馬場:目惚れですね。だいたい売りに出されている土地って、北側、西側にひらけているところなんです。南側ってだいたいもう使っているんですね、条件がいいので。ですが、うちの土地は南西に開けていたんです。山に日が落ちる状態が見える様な、山に張り付いたような家で、そこから風景を見た時に、ここで暮らせたら、というかここで死ねたら本望だと、強く思ったのが印象的です。今でも覚えています。

どのくらいの広さのお家なんですか?
馬場:私達は、だいたい500坪くらいあったら素晴らしいねっていいながらさがしていたのですが、これがなかなかそうはいかず、結局ここの土地は8700坪。いっぺんに買ってくれって言われたんです。8700坪がどう大変で、何を背負うものかというのがイメージ出来ない状態で、張り切って「大丈夫です!私たち元気ですし、体力もありますし、農作業も覚えます!」みたいな感じで、そこを見込まれて売ってくれたという感じですね。

8700坪って、どのくらいの大きさですか?
馬場:東京ドームの約半分ですね。土地の大半は山林原野で、農地が3000坪くらいあって、まあすでに機能しないところもあるんですが、そこに築120年くらいかな、古い農家がついていて、それを一緒に使ってくださいということです。集落も7世帯しかないんですね。

実際の暮らしなんですが、今は真冬の寒い時期になってきていますが、この季節はどんなことをして暮らしているんですか?
馬場:寒いのは大嫌いで、できればこたつの中でゴロゴロしたいくらいなんですが、南房総の家の冬は私大好きで、焚き火ができるんですね。だから、夏の間に刈って放置していた竹なんかを整理して、それをパチパチ一日中燃やしたりとか、そうやってずっと外で火にあたって過ごして、髪が傷んでいます(笑)この間 美容師さんにびっくりされました。

春はどうしているんですか?
馬場:南房総は春の兆しは早くって、とても寒いんですけれども、それでも茶色い土の地面からふきのとうの芽が見えるのが1月の終わりくらいですかね。見つけた!っていって、「春がきたね」「今年も来たね」っていって、山菜を採り始めて、そこを皮切りに、草がばっと生え始めて、全体にまた緑が蘇っていくという感じになります。そして、ゴールデンウィークの前くらいから、恐ろしい勢いで雑草が生え始めて、行く度に、この間刈ったところがこんなにまた生えているというような、雑草との戦いになります。草刈りをしつつ、梅雨が明けると、午前中は草刈りをして、暑くなったらそのまま水着に着替えて近くの海まで車で行って、ドボンとシャワー代わりに浸かって、魚を見たり、息子はサーフィンをしたりとかして、また日暮れ時に帰ってきて草刈りをして、デッキでビールを飲んで寝るっていう感じですかね
秋になると、うれしくて、もうすぐ草が伸びなくなると思いながら(笑)、収穫祭が村のそこかしこで行われるようになって、夜遅くまで太鼓の音がドンドコ響いて、屋台が練り歩くのが感じられるんですね。昔はそれを遠巻きに感じながら、秋だなって思ってたんですが、最近はお呼びがかかるようになって、一緒に廻ったりとか、地元の人達と収穫を喜び合ったりという場面も増えてきました。
最初は本当に私たちは変な家族で、毎週、草刈りをして帰るという、意味不明な家族だったと思うんですけど、少しずつ時間をかけて心が通うようになって、お話をしていくと、本当に交流が嬉しくて、子どもたちも自分のおじいちゃんおばあちゃんみたいな気持ちで接しているなって思います。


馬場さんのお話し、いかがだったでしょうか。
来週もこのお話しの続きをお届けします。お楽しみに!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・High and Dry / Jamie Cullum
・真冬物語 / 堀込泰行 / ハナレグミ / 畠山美由紀
今週も、前回に引き続き年をまたいで屋敷林の魅力についてお届けします。
田んぼの広がる風景の中で、民家を守るように、人の手で植えられ、育てられてきた森・屋敷林。山から吹き下ろす季節風を防ぎ、落ち葉は燃料に、柿の木などは食料に、さらにお家を建て直す時の木材も、屋敷林から調達する・・・本当に昔の人々が考えた知恵が詰まっているものなんですね。
ただ私たちの暮らしが変化するにつれ、こうした「知恵」は、必要とされなくなっているのも事実。屋敷林のある暮らしは、失われつつあります。
そんな中、東北・宮城県の立派な屋敷林を守ろうと、様々な動きがあるそうです。
屋敷林の専門家・東北工業大学の不破正仁さんに伺いました。

◆屋敷林の模型の制作
つい最近、宮城県の名取市にある江戸時代から続く民家の模型をつくりました。そこは茅葺の民家が残っているというところで、茅葺の民家やその周辺の蔵なんかが重要文化財になってるんですが、それ以外にも、いぐねもしっかり残っているお屋敷です。そこで蔵の修復工事があったのですが、私自身が農家の景観や茅葺民家みたいなものを考えた時に、単体で模型で復原するのはもったいないんじゃないかと思いました。仙台平野の中の農家ということを考えたときに、水田に浮いたような屋敷林の景観、これが最も特徴的で美しいと思いますし、そういったものが実は農家を支えてきたものだろうと思っているので、いぐねや屋敷林、その周辺にある水田も模型で再現してみようと、茅葺の民家や周辺にある蔵、そしていぐね、敷地内にある堀、そしてその周辺にある水田までも模型で復原したということです。
これが10月18日にお披露目の会があったんですけども、そこでその模型を披露することができました。今は、その重要文化財の洞口家で保存しているという状況です。




この洞口家は、国の有形文化財に指定されている古民家。まだ一般公開については未定となっていますが、今後は、この洞口家の建物、屋敷林、そして屋敷林の中に残されている、昔の人たちの営み・知恵をいかに、残していくかが課題です。

◆屋敷林保存の課題
洞口家住宅の屋敷の現状は比較的周辺の農家と比べると残りが良いと思います。例えば屋敷背後のいぐねがしっかりと残っているというのもありますし、屋敷神の部分にもしっかりと樹林が残っている。さらにはその地域の月山信仰があって、月山の祠というのがあるんですけども、これも屋敷神と同じように地域の神様です。地域の神様の祠の側にも一本樹木が残っています。
しかし一方で、屋敷林の最盛期の頃よりは樹木量が減っていまして、模型ではその最盛期の頃を復元したということがあります。
洞口家住宅のご当主の方の思いはとても素敵なお考えをお持ちなんですけども、いぐねの保有というのもとても手間のかかることで大変なことです。それをどうにか後世に今の景色を伝えたいという思いを強くお持ちで、地域の宝だということをしっかりと認識されています。ただ、今のご当主はそういう思いをお持ちですけれども、後世に伝えると簡単に言っても、そのお子さんやお孫さんに伝えるためには当然財政的な問題も大きくのしかかって来る。その時に、それを本当にこのまま自分の思いを押し付けていいんだろうかというような悩みもやっぱりあるようで、そのあたりは本当に悩ましいところがあるんだろうなと思います。
そういったことをしっかりとこれから我々は考えなければいけないことだと思いますし、今私の置かれている立場というのは若い力、学生のような子たちがそういう地域に訪れて、「あ、こういうものがあるんだ。」ということを気付くこともそうですし、何か活用の手立てを考えていきたいなと思ってます。
一般的に屋敷林がなくなる傾向としては、まず樹木の管理が大変だということ。特にけやきがなくなる理由は落ち葉の処理が大変で、あとは枝が大きく伸びますので周辺の道や電線なんかを邪魔するということで切られたり、隣に落ち葉が落ちてくことが管理上難しいということで切られるというようなことが多いようです。
また、家自体が昔に比べて断熱効果がきちんと整い始めて、風を樹木で守る必要もなくなってきたということや、建材としても必要なくなってきているということもあります。屋敷林というのはやはり人がある機能をもって植えるものということは、人が使わないとなくなっていくわけですね。
屋敷林を守っていこうとする地域は日本の中でいくつもあります。代表例としては島根県の斐川平野ですね。築地松を守ってる地域がおもしろい取り組みをしていまして、松はマツクイムシに食われるわけですけども、そのマツクイムシで食われた部分を、単純に移植して大きな樹木を植えて補修するというわけではなくて、小さな樹木を植えて樹木の成長を待って、その土地に樹木を根付かせたりするということを試みてる地域があります。それは結果的に所有者の方に、自分自身で育てたんだという実感を持てるという効果もあるらしく、「なるほどすごい取り組みをしてる地域もあるんだな。」ということを知りました。
その他増加傾向にある樹木、遺棄されやすい傾向がある樹木があるとすると、まず増加傾向にあるのは観賞用樹木ですね。松やサツキ、ツツジなどが観賞樹として多く庭に増えています。これは元々は果樹畑だったりとか、屋敷の中の畑だったりとかするような場所が今では観賞用の庭園になってるっていうことが多いようです。
さらには、道路沿いの生垣なんかだと屋敷の見栄えをよくするために生垣が保持されることが多くてですね、そういった意味ではこの二者は増えてく傾向にあったり、もしくは減少傾向が低いというような言い方ができると思います。


最後に、この年末年始、屋敷林のある風景の中、散策することもあるかも知れません。屋敷林を愛してやまない、不破先生に、屋敷林の愛で方、楽しみ方を教えてもらいました。

◆屋敷林の楽しみ方
まず今残っていることに感動していただきたいと思います。つまり残っていること自体がまれなことなんです。
そして、例えば屋敷林には杉の防風林があるんだということをもしご存知だとして、その時に「あれ?杉以外の樹木もあるぞ。」とそんなことに気付くと、屋敷林を見る時のわくわく度が高まるんじゃないかなと思います。例えば庭先に柿がなってたりしますとその柿が色づいてくるわけです。そしてけやきの葉が落ちて、柿の葉が落ちて、そこにオレンジ色の実がなっていると、当然それも見応えがあるし、茅葺民家なんかとセットになっていれば、すごく絵になるんじゃないかなとは思います。
景色の移り変わりを直に感じることができるでしょうし、かつそういったことを感じるからこそ今その景色が地域の宝だと思えるようなことになってきたんじゃないかなと思ってるんです。


屋敷林のお話、いかがだったでしょうか。今回のお話はポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Good morning / ケツメイシ
・Joy to the world! / 天才バンド
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高橋万里恵
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