- 2014.05.25
舞根森里海研究所
今週は宮城県気仙沼市のNPO法人「森は海の恋人」に焦点を当ててお送りします。
森を育てることが海を豊かに育てることにつながるという考え方に基づき、地元の牡蠣漁師 畠山重篤さんが長年続けている植林活動は、今では日本全国、そして世界中に広まっています。この番組でも何度かご紹介しています。
今回はその「森は海の恋人」の新たな動きについてお伝えします。
「森は海の恋人」は気仙沼 唐桑半島の西舞根地区に拠点をおく団体です。西舞根はリアス式の入り組んだ地形に抱かれた静かな海のほとりにあります。この地区の海は本当に水が澄み切っていて、海の底まで見渡せます。海の底まで見える上に、海藻や海の生き物がたくさんいて、それだけ栄養いっぱいの海だということがわかります。
そんな場所に4月末に新たに建てられたのが「舞根 森里海研究所」です。
「森は海の恋人」副理事で、畠山重篤さんの三男、信さんにうかがいました。

◆舞根森里海研究所
「舞根森里海研究所」は震災後の自然環境の移り変わりを継続してモニタリングしていくという面と、子どもたちの体験学習の拠点として活用していただけるような施設になっています。
森は海の恋人 体験学習というのは海にいながらも山を感じられるようなプログラムです。和船にのって、自分たちの力で漕いでいかだまでいきます。そしていかだでどういうことをしているのかということを見て、牡蠣やホタテをその場で食べてもらうというようなことをします。
味覚は記憶に残りやすいので、自分たちが今まで食べていたものが、いったいどうやってできているのか、というところから、海だけ守ればいいわけではないということを、言葉というよりは感覚で伝えたいですね。たとえば山でいろいろなものを垂れ流すとどうなるのかという危機感はもっていなければいけないことだと思いますし、それを持っていることによって、自分の生活を省みるようにもなると思うんです。それを感じた子どもたちが、今度は自分の親にその話をすると、親も気を使うようになります。結果として、環境が良くなっていくというサイクルが構築される。それが日本だけではなくて、世界に広がれば、あっという間に環境は良くなっていくと私は信じています。
「舞根 森里海研究所」は二階建ての建物で、延べ床面積およそ500?と、大きい施設です。ここには牡蠣養殖の実験室や、研究者のための施設のほか、子どもたちの体験学習をするためのスペースもあります。気仙沼市内には海辺で遊べる場所がないため、そうした機会をつくるという目的もあります。また、近隣の小学校の修学旅行の受け入れも始まっているそうです。
先月末、この施設のオープニングイベントが行われ、「森は海の恋人」理事長の畠山重篤さんと、元NHKアナウンサーの住吉美紀さんによるトークセッションもありました。

◆森は海の恋人 トークセッション
畠山:牡蠣の味は湾ごとにちがいます。ここの湾から外にでたところは貝浜漁場というところがあります。ここの牡蠣はとても美味しいんです。”貝”浜という名前は、昔の人がよく貝が育つ場所だからということで名づけたわけです。そこの牡蠣はとてもおいしいです。それから貝浜のホタテもとてもおいしい。自分の母親には、そこのホタテを揚げてきてといつも言われていました。そこのホタテをむき身にして、ワタがついたまま一度煮ます。その煮汁をごはんに混ぜるんです。ワタをとった、貝柱だけのものだとこの味は出ません。そこはちょうど大川の川筋にあたります。だから、森の養分がそこを通って、エサになるので、非常に影響があります。
小学生が来たときにアイデアが閃いたんですが、それはプランクトンネットでプランクトンをとり、コップにためて、それを一口ずつ飲むということです。プランクトンは、人間が川に流したものを最初に体内に取り入れる生き物です。ですから、プランクトンを飲むということは、人間が流したものを飲むということに通じます。ですから、もし人間が川を汚せば、当然牡蠣も食べられなくなるということなんです。
コップを光にかざしてみると、動物プランクトンもいますから、動いているものもいます。これを飲めと言われても普通は嫌でしょ?でも、沖に出ていますから、これを飲まなければ帰らないからと脅かすと、まず元気のいい男の子が飲みます。彼は「きゅうりの味がする」といいました。じつは飲んでみると、植物プランクトンも多いので青臭いんです。ですので、きゅうりの味がするというんです。そうすると農家の子どもたちは安心するんですね。じゃあ僕も、わたしも、となります。
子どもたちはくどくど言わなくても、それでプランクトンを飲むことは人間を飲むことだとわかりますね。
住吉:全然関係ないんですけど、ずっと牡蠣と共に生きてきたからなのか、畠山さんの顔をみていると、どうしても顔が牡蠣に見えてきます(笑)
畠山:そうですか(笑)
住吉:だから、ずっと好きだと似てくるのかな、と思ったんですが(笑)


プランクトンを飲むって、びっくりですよね。でも確かに子どもの頃のそういう経験は、忘れられない思い出になるし、言葉で聞くよりもずっとリアルに森と川と海のつながりを感じられますよね。うちに帰ったら両親にそのことを話して、お父さん、お母さんも環境に気を使うようになるというのは、とてもいいサイクルですよね。
トークセッションの模様はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。
こちらもぜひお聞きください!
【今週の番組内でのオンエア曲】
・カナリヤ / NIKIIE
・ハピエスト・フール / マイア・ヒラサワ
森を育てることが海を豊かに育てることにつながるという考え方に基づき、地元の牡蠣漁師 畠山重篤さんが長年続けている植林活動は、今では日本全国、そして世界中に広まっています。この番組でも何度かご紹介しています。
今回はその「森は海の恋人」の新たな動きについてお伝えします。
「森は海の恋人」は気仙沼 唐桑半島の西舞根地区に拠点をおく団体です。西舞根はリアス式の入り組んだ地形に抱かれた静かな海のほとりにあります。この地区の海は本当に水が澄み切っていて、海の底まで見渡せます。海の底まで見える上に、海藻や海の生き物がたくさんいて、それだけ栄養いっぱいの海だということがわかります。
そんな場所に4月末に新たに建てられたのが「舞根 森里海研究所」です。
「森は海の恋人」副理事で、畠山重篤さんの三男、信さんにうかがいました。
◆舞根森里海研究所
「舞根森里海研究所」は震災後の自然環境の移り変わりを継続してモニタリングしていくという面と、子どもたちの体験学習の拠点として活用していただけるような施設になっています。
森は海の恋人 体験学習というのは海にいながらも山を感じられるようなプログラムです。和船にのって、自分たちの力で漕いでいかだまでいきます。そしていかだでどういうことをしているのかということを見て、牡蠣やホタテをその場で食べてもらうというようなことをします。
味覚は記憶に残りやすいので、自分たちが今まで食べていたものが、いったいどうやってできているのか、というところから、海だけ守ればいいわけではないということを、言葉というよりは感覚で伝えたいですね。たとえば山でいろいろなものを垂れ流すとどうなるのかという危機感はもっていなければいけないことだと思いますし、それを持っていることによって、自分の生活を省みるようにもなると思うんです。それを感じた子どもたちが、今度は自分の親にその話をすると、親も気を使うようになります。結果として、環境が良くなっていくというサイクルが構築される。それが日本だけではなくて、世界に広がれば、あっという間に環境は良くなっていくと私は信じています。
「舞根 森里海研究所」は二階建ての建物で、延べ床面積およそ500?と、大きい施設です。ここには牡蠣養殖の実験室や、研究者のための施設のほか、子どもたちの体験学習をするためのスペースもあります。気仙沼市内には海辺で遊べる場所がないため、そうした機会をつくるという目的もあります。また、近隣の小学校の修学旅行の受け入れも始まっているそうです。
先月末、この施設のオープニングイベントが行われ、「森は海の恋人」理事長の畠山重篤さんと、元NHKアナウンサーの住吉美紀さんによるトークセッションもありました。

◆森は海の恋人 トークセッション
畠山:牡蠣の味は湾ごとにちがいます。ここの湾から外にでたところは貝浜漁場というところがあります。ここの牡蠣はとても美味しいんです。”貝”浜という名前は、昔の人がよく貝が育つ場所だからということで名づけたわけです。そこの牡蠣はとてもおいしいです。それから貝浜のホタテもとてもおいしい。自分の母親には、そこのホタテを揚げてきてといつも言われていました。そこのホタテをむき身にして、ワタがついたまま一度煮ます。その煮汁をごはんに混ぜるんです。ワタをとった、貝柱だけのものだとこの味は出ません。そこはちょうど大川の川筋にあたります。だから、森の養分がそこを通って、エサになるので、非常に影響があります。
小学生が来たときにアイデアが閃いたんですが、それはプランクトンネットでプランクトンをとり、コップにためて、それを一口ずつ飲むということです。プランクトンは、人間が川に流したものを最初に体内に取り入れる生き物です。ですから、プランクトンを飲むということは、人間が流したものを飲むということに通じます。ですから、もし人間が川を汚せば、当然牡蠣も食べられなくなるということなんです。
コップを光にかざしてみると、動物プランクトンもいますから、動いているものもいます。これを飲めと言われても普通は嫌でしょ?でも、沖に出ていますから、これを飲まなければ帰らないからと脅かすと、まず元気のいい男の子が飲みます。彼は「きゅうりの味がする」といいました。じつは飲んでみると、植物プランクトンも多いので青臭いんです。ですので、きゅうりの味がするというんです。そうすると農家の子どもたちは安心するんですね。じゃあ僕も、わたしも、となります。
子どもたちはくどくど言わなくても、それでプランクトンを飲むことは人間を飲むことだとわかりますね。
住吉:全然関係ないんですけど、ずっと牡蠣と共に生きてきたからなのか、畠山さんの顔をみていると、どうしても顔が牡蠣に見えてきます(笑)
畠山:そうですか(笑)
住吉:だから、ずっと好きだと似てくるのかな、と思ったんですが(笑)


プランクトンを飲むって、びっくりですよね。でも確かに子どもの頃のそういう経験は、忘れられない思い出になるし、言葉で聞くよりもずっとリアルに森と川と海のつながりを感じられますよね。うちに帰ったら両親にそのことを話して、お父さん、お母さんも環境に気を使うようになるというのは、とてもいいサイクルですよね。
トークセッションの模様はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。
こちらもぜひお聞きください!
【今週の番組内でのオンエア曲】
・カナリヤ / NIKIIE
・ハピエスト・フール / マイア・ヒラサワ