前回に引き続き、ブッシュクラフターでイラストレーターのスズキサトルさんのお話です。
『森の生活図集』という、ブッシュクラフトの様々なスキルをイラストと共に紹介する本まで出しちゃったスズキさん。本当に野営・アウトドアでなんでも作っちゃう。なんでもできちゃう方です。
今回スズキさん、リュックに本当にいろんな道具を詰めて、持ってきてくださっていました。まずは、スズキサトルさんの「火起こし」について伺いました。

『森の生活図集 -スズキサトルのブッシュクラフトスキルワークブック-』スズキサトル 笠倉出版

~スズキさんは火はどう起こされるんですか?
 いろいろですよ。時間に余裕があるときは火打ち石、火打金で起こしたりします。アマドゥに直接つけます。ホクチタケというキノコでできているんですが、昔の人たちがよく使っていた火種になるものなんです。キノコから火種を作るのはオーソドックスな方法ですね。ちょっと変わり種では、白樺の木にはえているカバノアナタケ。これを切って2、3ヶ月置いて乾燥させると火種になりますね。お茶にもなるんです。お茶の方が有名かもしれませんね。

 なかなかアマドゥに直接火をつけるのは難しいところがあるので、綿の混合紐の先っぽを炭化させるだけで火種になります。ここに先程の火花を移して、そこにホクチタケに火を移します。これはなかなか消えないんですよ。消す時は密閉できる入れ物にいれて、酸欠させて消すんですね。これでやれば1分以内に火がつきます。でもファイヤースティール、メタルマッチの方が簡単ですね。例えば松脂がたくさんあるトドマツ。根っこや枝のところに松脂をたっぷり含んだ木なんですが、これもフェザースティックにしてメタルマッチで火をつけると、本当にすぐ火がつきます。アイヌのイナウもフェザースティックの形に近いですね。フェザースティックを作るのが苦手な人も、僕の本には作りやすい方法が載っているので、それをやれば誰でも簡単にフェザースティックが作れます。

フェザースティック

~スズキさんの考える焚き火のルールやマナーはありますか?
 それはやっぱりそこに来た時と同じくらいかもっときれいになるように、後片付けはちゃんとしていくと言う事ですね。直火が良いという所でも、自分がそこを汚したくないのであればガスストーブを使ったりガソリンストーブを使ったりアルコールを使っても良いと思うんですよね。

~これは石のフライパンですか?
 石器時代は、おそらく肉は焚き火に入れたりして、焼いているだけだったんですよね。でも焼きムラ、どうしても焼けないところや、焦げちゃったりすることがあるんです。貴重な肉をどうにかして美味しく食べるようにしたいと思った時に、焼き石が出てきたんですね。石を焼いてそれをフライパンがわりにして焼いて食べるということですね。実際に昔の古墳や遺跡からも焦げた石が出てくるんですよね。石を、1つじゃなくて3つ4つくらいローテーションで焚火に入れて、大体だんだん温度が落ちてくるので落ちてきたらそれをまた焚き火に戻して新しいのを出しでそれで焼くんです。石で焼くと美味しいです。油も入りませんしね。肉から油が出るので。

~スズキさんはナイフなどの道具を使って、自然の中にあるもので必要なものを作るということで、本の中でも紹介されているんですが、パイプも作っているんですね。
 これは簡単に作れます。木を見たときに、枝を見てこの部分はパイプになるんじゃないかなと思ったんです。Y字の枝はブッシュクラフトでよくいろいろなものに使います。参考にしたのがアイヌのパイプです。彼らは中が空洞の木を利用してパイプを作ったりいろいろあるので、僕もそれにからインスピレーションを受けて作ろうかなぁと思ったんです。

スズキサトルさんのお話、いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをお届けします。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・ボブ・ディラン / Nakamura Emi
・桜の森 / 星野源

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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