2024年10月19日
今週ゲストにお迎えしたのは、映画『侍タイムスリッパー』の監督、安田淳一さんです。
安田監督は、1967年、京都府のお生まれです。
大阪経済大学在学中から、映像制作業を開始し、卒業後は様々な仕事を経て、ビデオ撮影業を始める傍ら、映画製作も実施。
2014年に自社制作した『拳銃と目玉焼』は、東映系シネコンにて全国6都市・各都市ミニシアターにてロードーショーされました。
また、2017年制作の『ごはん』は、シネコン全国5都市他ミニシアターにてロードーショー後、各地で様々な主催者による上映イベントが38ヵ月間続くロングラン作品となりました。
現在、公開中の新作『侍タイムスリッパー』は、口コミで話題が広まったことから、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ日比谷ほか、全国130館以上で順次拡大公開しています。
──東映京都撮影所の職人さんたちの愛情
茂木:監督、今回の『侍タイムスリッパー』は、京都の太秦の撮影所の方々も、脚本を読んで「これはぜひ協力したい」と仰ってくださったということなんですけど、脚本の力というのはやっぱりすごいですよね。
安田:今まで脚本なしで映画を撮ってきた身なので(笑)。でも今回、脚本をきちっと書いてみて、こういう脚本はなかなか書けへんやろうなというのは、それは実感としてあります。
仕事で自伝映画とかの脚本は書いたんですけども、「面白い映画を撮ろう」という中で、頑張って書いた脚本なんです。脚本を書いている時も、これはやっぱりそもそもの設定がね、アイディアがすごく面白い設定や、と。幕末の本物の侍が現代の撮影所にやって来て、それから斬られ役を目指していく、という設定だけで、多分ちょっと書ける人やったらもう面白い話がサラサラと書けているぐらい、いい設定があって。
そこに自分の好きだった『蒲田行進曲』という映画のイメージを何となく重ねていった時に、1時間半ぐらいでプロットの原型ができまして。これを元に、8ヵ月ぐらい、ちょびちょびやったんですけども書き進めて、書いてる時から、「これは多分すごく面白い映画になるな」と、自分では実感がありましたね。
茂木:今回本当に、時代劇の現場のスタッフの方々の熱量とか、何か愛がある映画になりましたね。
安田:ありました。まぁ、よう毎日怒られてましたけどね(笑)。
茂木:怒られてたんですか? どういうことで怒られたんですか?
安田:怒られてました。とにかく「京都撮影所」と言うたらね、時代劇を撮るために特化した、色んなシステムとかやり方とかが確立されていて。言うたら、すごい腕の立つ職人がワーッてやるわけです。そこに、素人集団の、この10人ぐらいの映画のロケ隊が入っていくもんやから、もう色んなところで騒ぎとかトラブルを起こすわけですよ。
大概は「何してんねん!」と言って怒られるわけやけども、その場で「すみませんでした!」と言ったら、「もう今度から気ぃ付けよ。」という感じで言ってくれはって、そんな感じで毎日どっかで誰かが怒られてるみたいな感じだったんですけども。
ただ僕が「すいませんでした。ご迷惑をおかけしましたね」と言ったら、「おお、かまへんかまへん。どうや? ええ感じで進んでるか? 頑張りや!」という感じで、実際には誰も僕には怒らないんですよ。やっぱり、あの撮影所の中の職人さんたちのそういう愛情をずっと感じながら、最後までできたというのはね、僕としてはいい経験でしたね。
安田:もうそれは画面から滲み出ていましたね。
安田:「自分たちのことを映画にしてくれる」というような、そういうちょっと嬉しい気持ちもあったんかもしれんけども、やっぱりはじめに色んな方が集まってくださった時に、「安田さん、これは自主映画なんでしょ?」と。「そうです」と言ったら、「わしらな、自主映画で時代劇撮るって言ったら、もう全力で反対するんだけれども、これは本がおもろいわ。せやから、こうやってみんなで集まってな、何とかならへんかなというところで考えてんねんか」ということを仰ってくださった時に、「これは絶対撮らなあかんな」と思いましたね。
茂木:今回こんなに大ヒットになって、色んな意味で恩返しができましたね。
安田:そうです。LINEを頂いたりとかね、撮影所の皆さんが「良かったな〜」という感じで親身になって喜んでくれはったのが、僕たちはすごく嬉しいし、時代劇に少しでも注目が集まるようなお手伝いができたんじゃないかな、というふうには思っています。
茂木:監督、改めて、本当に大ヒットおめでとうございました!
安田:何度もすいません(笑)。ありがとうございます。
──安田淳一さんの『夢・挑戦』
茂木:この番組のテーマは『夢と挑戦』なんです。今回、『侍タイムスリッパー』で1つ成し遂げましたけども、これからの安田監督の挑戦、そして夢は何でしょうか?
安田:2つあります。1つは、やはり映画を色んな形で撮っていけたらな、と思っています。これは、例えば大手の会社からサポートを受けて、という撮り方もあるんですけども、自分らしい映画の撮り方で。スターで映画を作るということではなくて、映画からスターを生み出せるような面白い作品を作り続けていきたいな、というのは1つの夢でもあります。
もう1つは、米農家としてしっかりとおじいちゃんとか親父が守ってきた田んぼを、美味しいお米が作れるようなちゃんとした米農家になりたいな、というのを思っています。
茂木:2つの夢とも本当に素晴らしいですね。背筋がピンと伸びるような、今回の『侍タイムスリッパー』の山口馬木也さんのあの真っ直ぐな武士のイメージに繋がるような、本当に素晴らしい夢をありがとうございます。
安田監督、これから『侍タイムスリッパー』を観る方、あるいはリピーターで2度も3度も4度も観ているという方もいるんですけど、改めて、この映画についてメッセージをお願いできますでしょうか?
安田:はい。この映画は、客席ごとタイムスリップできるような感覚になる映画で、劇場で観てもらいたいということを言ってきたんですけども。色んな職人さん…床山、衣装、それから大道具に持道具、そして、演技の職人としての東映京都俳優部の皆さん…後ろで街を歩いているお芝居をしてくださっている方の、何も言わずに衣装を着ただけで自ら考え、江戸の町を表現してくださるような、ああいう方たちのお芝居にも注目して、映画を観てもらいたいなと思います。
『侍タイムスリッパ―』
大ヒット公開中
(c)2024未来映画社
●映画「侍タイムスリッパー」公式サイト
●映画「侍タイムスリッパー」(@samurai_movie) / X(旧Twitter)公式アカウント
●映画『侍タイムスリッパー』予告編 - YouTube
安田監督は、1967年、京都府のお生まれです。
大阪経済大学在学中から、映像制作業を開始し、卒業後は様々な仕事を経て、ビデオ撮影業を始める傍ら、映画製作も実施。
2014年に自社制作した『拳銃と目玉焼』は、東映系シネコンにて全国6都市・各都市ミニシアターにてロードーショーされました。
また、2017年制作の『ごはん』は、シネコン全国5都市他ミニシアターにてロードーショー後、各地で様々な主催者による上映イベントが38ヵ月間続くロングラン作品となりました。
現在、公開中の新作『侍タイムスリッパー』は、口コミで話題が広まったことから、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ日比谷ほか、全国130館以上で順次拡大公開しています。
──東映京都撮影所の職人さんたちの愛情
茂木:監督、今回の『侍タイムスリッパー』は、京都の太秦の撮影所の方々も、脚本を読んで「これはぜひ協力したい」と仰ってくださったということなんですけど、脚本の力というのはやっぱりすごいですよね。
安田:今まで脚本なしで映画を撮ってきた身なので(笑)。でも今回、脚本をきちっと書いてみて、こういう脚本はなかなか書けへんやろうなというのは、それは実感としてあります。
仕事で自伝映画とかの脚本は書いたんですけども、「面白い映画を撮ろう」という中で、頑張って書いた脚本なんです。脚本を書いている時も、これはやっぱりそもそもの設定がね、アイディアがすごく面白い設定や、と。幕末の本物の侍が現代の撮影所にやって来て、それから斬られ役を目指していく、という設定だけで、多分ちょっと書ける人やったらもう面白い話がサラサラと書けているぐらい、いい設定があって。
そこに自分の好きだった『蒲田行進曲』という映画のイメージを何となく重ねていった時に、1時間半ぐらいでプロットの原型ができまして。これを元に、8ヵ月ぐらい、ちょびちょびやったんですけども書き進めて、書いてる時から、「これは多分すごく面白い映画になるな」と、自分では実感がありましたね。
茂木:今回本当に、時代劇の現場のスタッフの方々の熱量とか、何か愛がある映画になりましたね。
安田:ありました。まぁ、よう毎日怒られてましたけどね(笑)。
茂木:怒られてたんですか? どういうことで怒られたんですか?
安田:怒られてました。とにかく「京都撮影所」と言うたらね、時代劇を撮るために特化した、色んなシステムとかやり方とかが確立されていて。言うたら、すごい腕の立つ職人がワーッてやるわけです。そこに、素人集団の、この10人ぐらいの映画のロケ隊が入っていくもんやから、もう色んなところで騒ぎとかトラブルを起こすわけですよ。
大概は「何してんねん!」と言って怒られるわけやけども、その場で「すみませんでした!」と言ったら、「もう今度から気ぃ付けよ。」という感じで言ってくれはって、そんな感じで毎日どっかで誰かが怒られてるみたいな感じだったんですけども。
ただ僕が「すいませんでした。ご迷惑をおかけしましたね」と言ったら、「おお、かまへんかまへん。どうや? ええ感じで進んでるか? 頑張りや!」という感じで、実際には誰も僕には怒らないんですよ。やっぱり、あの撮影所の中の職人さんたちのそういう愛情をずっと感じながら、最後までできたというのはね、僕としてはいい経験でしたね。
安田:もうそれは画面から滲み出ていましたね。
安田:「自分たちのことを映画にしてくれる」というような、そういうちょっと嬉しい気持ちもあったんかもしれんけども、やっぱりはじめに色んな方が集まってくださった時に、「安田さん、これは自主映画なんでしょ?」と。「そうです」と言ったら、「わしらな、自主映画で時代劇撮るって言ったら、もう全力で反対するんだけれども、これは本がおもろいわ。せやから、こうやってみんなで集まってな、何とかならへんかなというところで考えてんねんか」ということを仰ってくださった時に、「これは絶対撮らなあかんな」と思いましたね。
茂木:今回こんなに大ヒットになって、色んな意味で恩返しができましたね。
安田:そうです。LINEを頂いたりとかね、撮影所の皆さんが「良かったな〜」という感じで親身になって喜んでくれはったのが、僕たちはすごく嬉しいし、時代劇に少しでも注目が集まるようなお手伝いができたんじゃないかな、というふうには思っています。
茂木:監督、改めて、本当に大ヒットおめでとうございました!
安田:何度もすいません(笑)。ありがとうございます。
──安田淳一さんの『夢・挑戦』
茂木:この番組のテーマは『夢と挑戦』なんです。今回、『侍タイムスリッパー』で1つ成し遂げましたけども、これからの安田監督の挑戦、そして夢は何でしょうか?
安田:2つあります。1つは、やはり映画を色んな形で撮っていけたらな、と思っています。これは、例えば大手の会社からサポートを受けて、という撮り方もあるんですけども、自分らしい映画の撮り方で。スターで映画を作るということではなくて、映画からスターを生み出せるような面白い作品を作り続けていきたいな、というのは1つの夢でもあります。
もう1つは、米農家としてしっかりとおじいちゃんとか親父が守ってきた田んぼを、美味しいお米が作れるようなちゃんとした米農家になりたいな、というのを思っています。
茂木:2つの夢とも本当に素晴らしいですね。背筋がピンと伸びるような、今回の『侍タイムスリッパー』の山口馬木也さんのあの真っ直ぐな武士のイメージに繋がるような、本当に素晴らしい夢をありがとうございます。
安田監督、これから『侍タイムスリッパー』を観る方、あるいはリピーターで2度も3度も4度も観ているという方もいるんですけど、改めて、この映画についてメッセージをお願いできますでしょうか?
安田:はい。この映画は、客席ごとタイムスリップできるような感覚になる映画で、劇場で観てもらいたいということを言ってきたんですけども。色んな職人さん…床山、衣装、それから大道具に持道具、そして、演技の職人としての東映京都俳優部の皆さん…後ろで街を歩いているお芝居をしてくださっている方の、何も言わずに衣装を着ただけで自ら考え、江戸の町を表現してくださるような、ああいう方たちのお芝居にも注目して、映画を観てもらいたいなと思います。
『侍タイムスリッパ―』
大ヒット公開中
(c)2024未来映画社
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