1月21日(日)の放送では、前回に引き続き、中川政七商店 産地支援事業「合同展示会 大日本市」ディレクター・バイヤーの高倉泰(たかくら・たいら)さんをゲストに迎えて“初心者でも扱いやすい工芸品”を紹介してくれました。
(左から)ホラン千秋、高倉泰さん
ホランも大好きな生活雑貨店「中川政七商店」では、全国の工芸メーカーと協業し、現代の生活にフィットした工芸品を展開しています。とはいえ、ホランは「工芸品というと、丁寧に扱わないといけなかったり、メンテナンスが大変だったり。取り入れるとなると、ちょっと覚悟が必要みたいなイメージがちょっとあります」と言及。そこで今回は、中川政七商店が取り扱っている物のなかで、工芸初心者の方々にも生活に取り入れやすい商品を紹介していただきました。
最初に紹介したのは「食洗機で洗える木と漆」です。漆器は熱や乾燥に弱かったり、何かと扱いが大変ですが、「これは、福井県の自然漆器で“越前硬漆(えちぜんかたうるし)”といわれる物なんですけど、食洗機でも使えるように開発された漆器なんです」と高倉さんが説明すると、「食洗機で漆が洗える!? 嘘でしょ!」とビックリするホラン。
福井県鯖江市にある漆器の老舗、漆琳堂(しつりんどう)との産学協同で開発したこの漆器は、耐熱で乾燥に強く、それでいて漆の特徴も踏襲しており、高倉さんは「プラスチックだと口当たりが悪くなってしまったりするんですけど、本来の漆器の良さはそのままに、なめらかさと木の柔らかさがすごくいいので、汁物を飲むには最適です。軽くて傷にも強く、熱伝導率が低いので熱いものを入れても、持つ手が熱くならないので、お子さんも使えて非常に使い勝手がいい商品です」と太鼓判を押します。そして「これで漆器を楽しんでいただき、いずれは本格的な漆碗を使っていただければ」と声を大にします。
続いて紹介してくれたのは「伊賀焼のスープボウル」。こちらは直火OKの土鍋で、「1回火にかけると器自体が熱くなるので(温かさが)持続するんです。10〜15分は熱いまま食べられるのが一番いいところですね」と高倉さん。また、お鍋からお皿に料理を移し替えたりすると、料理が冷めてしまいますが、こちらはコンパクトなサイズなので移し替える必要がないため、洗い物も減って時短にもなるなど、さまざまなメリットがあります。
さまざまな商品が登場するなかで、高倉さんがイチ押しとして挙げたのが「THE 醤油差し」です。これは、青森県・津軽地域で作られているガラス製の醤油差しで、ホランも「私もプレゼントであげたことがあります! 無駄のないデザインで美しい!」と絶賛します。
そんな同商品について、高倉さんは「現代の生活に合わせて、既存の醤油差しよりも小ぶりに作られています。(容器は)クリスタルガラスによって透明で“置いてあるだけでも美しい”を目指しています」と解説。
機能面についても、元来の醤油差しには注ぎ口(くちばし)が必ずありますが、「THE 醤油差し」には注ぎ口がなく、それでいて、注ぐときに醤油が垂れない設計になっているのも特徴です。さらには、「100%ガラスで作られているので本当に美しく、再利用も可能です。捨てることができるところまで計算して設計されています」と声を大にします。
2週にわたり、高倉さんにさまざまな商品を紹介してもらったホランは、「(高倉さんの話は)本当に楽しかったですし、お店に行っても今まであまり見ていなかったコーナーも、じっくり見たいなと思いました」とコメントすると、「お店のスタッフに聞いてもらうと、商品のうんちくや背景、物語などを話してくれると思いますので、ぜひコミュニケーションを取ってもらえるとうれしいです」と高倉さん。
最後に「(中川政七商店を)“工芸の入門”みたいな感じで捉えていただいて、“面白そうだな”“使えそうだな”と思った物があれば、いろいろ使っていただきたいと思いますし、工芸品はそれぞれ特徴があるので、例えば旅先でも、その地域にある工芸を見ていただけたら、より深い世界も知ることができると思います」と話していました。