1月14日(日)の放送では、中川政七商店 産地支援事業「合同展示会 大日本市」ディレクター・バイヤーの高倉泰(たかくら・たいら)さんをゲストに迎え、招き猫が持っている意味・効果などについて語っていただきました。
(左から)ホラン千秋、高倉泰さん
まずはホランが、中川政七商店について「食品や食器など食卓にまつわるもの、生活にまつわるものがたくさんあるので、もちろん買いに行くこともありますし、何も買わずに見るだけでも楽しくて、すぐに時間が過ぎてしまうトキメキグッズがたくさんある!」と魅力を語ります。
その言葉に、高倉さんも喜びつつ、「一言で言えば“生活雑貨店”ではあるんですけど、売っているものが全国の工芸メーカーさんと一緒に作っている商品で、いわゆる大量生産ではない手仕事、漆器や陶磁器といった製造する過程に手仕事があるメーカーさんと一緒に作っている商品が並んでいます」と補足します。
また、メーカーとの協業だけでなく、イベントや展示会を開催したり、全国の小売店に商品を卸すことなどもおこなっており、「工芸メーカーさんは小さな会社が多いので、経営が難しかったり、ものづくりのノウハウが蓄積されていなかったりするので、そこを支援したり、指導するようなこともやっています」と説明します。
高倉さんは今回、スタジオに中川政七商店にあるさまざまな商品を持参。そのなかから、まず紹介してくれたのは新年にぴったりの縁起物“招き猫”です。
「さまざまな招き猫が目の前に!」とホランが種類の豊富さに驚くなか、高倉さんが「招き猫はもともと“人を招く”“お金を招く”ということで、お店の開店祝いや商売繁盛の意味合いが強いんですけど、実は、右手を上げているのが“お金”を招く猫。一方、左手は“人(お客)”を招く猫、ということで全然意味が違うんです」と解説。
さらに“色”にも意味があり、「白は“開運招福”、黒は“厄除”、赤が“無病息災や病除け”、金や黄色が“金運上昇”、ピンクが“恋愛成就”、青が“学業成就”、緑が“家内安全・学力向上”、紫が“健康長寿”と分かれているんです」と説明します。
知られざる招き猫の効果を聞き、ホランが「面白い! 誰かにプレゼントするときには、その知識も一緒に伝えてあげるといいですね」と話すと、高倉さんも同意し、「そのためにはもう1回、招き猫がメジャーになってくれるといいなと思っています」と期待を寄せます。
招き猫の三大産地として、愛知県の瀬戸焼と常滑焼、石川県の九谷焼が挙げられますが、それぞれ特徴に違いがあると言います。
瀬戸焼の招き猫は、もともとキツネっぽい顔をしており、「京都・伏見稲荷大社では“お稲荷さん”が人気で、そこでお土産用に作られているものをモチーフにして作ったので、ちょっとキツネっぽくなっているそうです」と言います。
ただ、それも時代によって変化し、「最近は、かわいらしい猫っぽくなってきています。また、一番猫らしいというか、そこまでデフォルメしていないところが瀬戸らしさ」と紹介します。
常滑焼の招き猫は、いわゆるオーソドックスなもので、「もともと一番生産量が多いので、全国の家にあるのがこのタイプ」と高倉さん。そして、その2つとはまったく異なるのが九谷焼の招き猫。というのも、久谷焼ならではの鮮やかな模様が彩られており、「模様をバリバリにほどこしているのでインパクトが強いのですが、海外輸出がメインだったらしく、国内でも地元を中心に売っていたため、日本ではあまり見られない」と説明します。
最後に高倉さんは、招き猫の販売数が激減するなかで、次代にも伝えるべく中川政七商店が瀬戸のメーカーと開発した「SETOMANEKI」を紹介。現物を見たホランは、「フォルムは招き猫を踏襲しているんですけど、顔が描かれていないので、招き猫って言われないと(気づかないぐらいに)スッと生活になじみそう。招き猫だけどまったく新しい置物、インテリアって感じ」とコメントします。
これには高倉さんも大きくうなずき、「既存の招き猫を現代のリビングに置くと“ちょっと主張が強いな”と感じ方が多いかもしれないと思ったんです。そこで、日常生活のなかやホテルなどにも置きやすいように作りました」と説明します。
そして、改めて「縁起物からインテリアのオブジェを目指しつつ、家に置いたり、誰かに渡すときの思いとか、そうした招き猫の大事なところは踏襲したまま、スタイルを変えて(次代へ)つなげていきたいと思っています」と話していました。