10月15日(日)の放送では、前回に引き続き、宇宙取材歴30年の宇宙ライター・林公代(はやし・きみよ)さんをゲストに迎え、宇宙旅行の最前線情報や知られざる国際宇宙ステーションのこと、さらにはオススメの宇宙スポットについて語っていただきました。
(左から)ホラン千秋、林公代さん
昨今、民間人も宇宙に行ける時代になりつつありますが、林さんによると2021年が“宇宙旅行元年”と呼ばれているそうで、「もう実際に(宇宙に)行っている人はすごく多くて、2021年には、お金を払って宇宙に行った宇宙旅行者数がプロの宇宙飛行士が宇宙に行った人数よりも多かったんです。しかも(民間の)宇宙旅行者だけで行く宇宙旅行も実現しています」と説明すると、「えぇ! そうなんですね!」と驚くホラン。
もちろん林さん自身も宇宙に行ってみたいと言い、「宇宙飛行士の方に話を聞くと、『宇宙は基本的に“漆黒の闇”であり“死の世界”。だけど、そのなかに命が輝いているから地球は美しい』って、皆さんが言うので、やっぱり“漆黒の闇に浮かぶ命の星”を天体としてみたい」と語ります。
さらには“月の周回旅行をしたい”とのことで「月に降りるのは大変だけど、月の裏側を回って戻ってくるだけであれば、宇宙ステーションに行くのと技術的な難易度は変わらないんです。だから私は、地球の出(アースライズ/地球以外の天体から、地球が昇る様子)が見たい。月の地平線から地球が出てくる姿を見たら、絶対に人生観が変わりそうじゃないですか」と熱望。
そんな林さんの夢に、ホランは「そんな発想はなかった!」と感動します。
前回の放送では、宇宙を感じる・学べるスポットとして「種子島宇宙センター」を紹介してもらいましたが、ほかのオススメ施設を聞いてみると、種子島宇宙センターと同じくJAXA(宇宙航空研究開発機構)の関連施設である「筑波宇宙センター」(茨城県)を挙げます。
ここには国際宇宙ステーションと交信する管制室の見学ツアーがあるそうで、「今は国際宇宙ステーションで古川聡(ふるかわ・さとし)宇宙飛行士がいろいろな実験をやっているので、もしかしたら地上から管制官たちが、古川さんに指示していたりする姿が見られたりするかもしれない」と解説します。
さらに、もう1つのオススメ施設として、神奈川・相模原市にある「JAXA 宇宙科学研究所(ISAS)」をピックアップ。こちらは、主に小惑星探査機を作っている施設ですが、宇宙科学探査交流棟では、宇宙科学の歴史やさまざまな展示物を見ることができる見学ツアーを実施しています。
続いて、外で星を見るのに最適な場所として“天文王国”とも言われる岡山県を挙げる林さん。というのも、岡山県は晴天率が高く、上空の気流も安定しているため、天体観測に適しているのだそう。
また、岡山県は1960年当時の東洋で一番大きい望遠鏡が作られた“大望遠鏡発祥の地”であるほか、美星町(びせいちょう)という街では、日本で初めて天体観測の大敵である過剰な光を抑制する「光害防止条例」を制定したり、美星天文台や宇宙のゴミを監視する国の施設があるとのことです。
最後に、今後の展望や夢を聞いてみると「宇宙って、最先端の人や頭のいい人、大金持ちなど、選ばれた特別な人たちの活躍の場所って見られがちですけど、そうではなくて、あらゆる人に生きる力だったり、恩恵を与えてくれる場所になるように貢献したいですね」と語っていました。