9月3日(日)の放送では、前回に引き続き、芸能界屈指の動物好きとして知られるお笑いコンビ・ココリコの田中直樹(たなか・なおき)さんが登場。飼育員の魅力や生き物との触れ合いがもたらすものなどについて語ってくれました。
(左から)ホラン千秋、田中直樹さん
田中さんは、広島大学教授で“科学界のインディ・ジョーンズ”こと長沼毅(ながぬま・たけし)さんと動物図鑑「ココリコ田中×長沼毅presents 図解 生き物が見ている世界」(Gakken)を2015年に出版しました。
まず、この図鑑を出す経緯を伺うと「いろいろな生き物とロケをさせてもらったり、触れ合ってきたなかで、ふと“この生き物たちは、自分や世の中がどのように見えているんだろう”って気になる瞬間があったので、生き物の見ている世界を調べてみようと思った」と明かします。
その後、もともとお世話になっていた長沼教授に相談しながら、約3年かけて調査をしたそうで、「生き物に『どんな風に見えていますか?』なんてインタビューはできないので、本当のことは分からないんですけど、人間の視細胞を基準に調べていって、(並行して)世界各国の生き物に関する論文を長沼先生に和訳していただいたり、それぞれの(動物の)専門家の方に話を聞いたりして、(本の)精度を上げるために3年ぐらいかかりました」と振り返ります。
その結果、種類や生き方によって見え方が違うことが分かり、それがまたとても面白かったと言います。
「例えば、シャコだったら色素の並び方だけで見ると、目の層が三重くらいに分かれていて、上下の色素は白黒の世界で見える目の細胞なんだけど、真ん中はカラーで見えているそうです。なので、例えばホランちゃんを見たときに、もしかしたら胸のあたりだけがカラーで、頭や腰の辺りは白黒に見えているのかもしれないし、(目の層を)動かすことで、全体がカラーで見えているのかもしれない。(本当のことは分からないけど)そういったことを想像したりするのが楽しい」と語ります。
近年、コロナ禍の影響で多くの動物園や水族館が休館せざるを得ない厳しい状況に陥りましたが、そんななかでも“飼育員”にスポットを当てた動画が人気を博しています。
ホランも一連の動画にハマっているそうで、「動物と飼育員さんのほっこりしたやりとりは延々に観られちゃう」と話すと、田中さんも「普段だったら生き物ばかりに目がいきがちだけど、飼育されている方の魅力も確かにわかる」と納得。
さらには「飼育員さんならではの見方とか、知ってはる生態があるから、僕も飼育員さんの話を聞くのが大好き。生き物に対する愛情や気持ちがすごいし、そういった方々の話を聞くのはすごく楽しい」とも。
ちなみに、園内では飼育員さんに話しかけてはいけないように思われがちですが、「状況にもよるんですけど、どの園の飼育員さんも『声をかけてもいい』とおっしゃっているので、分からないことがあれば、聞いてみてもいいと思う。結構ウェルカムですよ」と答えます。
今夏、田中さんは仕事で宮古島に行き、ウミガメと一緒に泳いできたそうで、そうした生き物との触れ合いが“生きる糧”や“日々のエネルギー源”になっていると言います。
「生き物から学ぶことって多いというか。例えば、仕事や人間関係などでうまくいかないことがよくありますけど、『食べて、寝られるだけでいいや。生き物ってそういうものだから』とか思うだけで、スッと楽になる自分がいたりする。(人間以外の)生き物の生き方を見ていると『これでいいんだ』と思わせてくれるし、楽にさせてもらっているのかもしれない」と田中さん。
また、疲れたときや人生に悩んだときには、動物園や水族館など数多くの生き物が見られるところがオススメだそうで、「(動物園や水族館に行くと)1匹だけでも生きられる動物や群れを作って生きる動物など、生き物によって特徴や魅力が違うから、自分に近い生き物が必ずいる!」と熱弁。
これに、ホランが「自分が不得意に思っていることですら、長所にして生き抜いている動物もいますもんね」と納得すると、田中さんも「コンプレックスがプラスに作用したりしますから。俺なんか、子どもの頃は“下あご”がコンプレックスだったけど、下あごが発達している生き物を見ると、すごくシンパシーを感じる(笑)」と同意します。
さらには、「いわゆる多様性の話になっちゃいますけど、魅力のない生き物なんていない。どの生き物も必ず魅力があるから、そういったところは素敵だなって思いますよね」と語ると、ホランは「すごくいい人生訓と受け取りました! ぜひ皆さんも、行き詰まったら身の回りの生き物に触れてほしい」と感じ入っていました。