2023/07/30

“プールと海”のいいとこ取り!? 全国に約20ヵ所しかない「海のプール」の魅力を専門家が解説!

DDP編集部

7月30日(日)の放送では、海や島を巡る旅を続けるライターの清水浩史(しみず・ひろし)さんが登場。海辺の天然のプール(海のプール)の魅力や、オススメの海のプールについて語りました。

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(左から)ホラン千秋、清水浩史さん

“海のプール”の定義とは?

著書「海のプール 海辺にある『天然プール』を巡る旅」(‎草思社)を執筆している清水さんに、そもそも“海のプール”とは何なのかを聞いてみると「海岸、波打ち際に作られた(海とつながっている)プールで、自然のままではなく、人の手を加えたものを“海のプール”と定義しています」と話します。

近くに海があるにも関わらずプールが造られている理由については、「学校にプールがなくて海で(水泳の)授業をしていたが、(海だと)岩場におけるケガや、急に深くなったりする危険性があるので、子どもの安全のために海のプールを造ったりしたケースがあります」と解説します。

“海のプール”は海とプールのいいとこ取り!?

海のプールにはさまざまな魅力があります。まずは海が多少荒れていても穏やかなこと。そして、海とプールがつながっているため、岩の隙間や取水口などから海水とともに小魚が入ってくるそうで「魚とともに泳げるのも海のプールならでは」と清水さん。

さらには「浅いところは水色に光り、それを取り囲む海は深いので群青色。そのコントラストが絶妙に美しく、それでいて両者が一体化しているような調和があるんですよね」と語ると、ホランは「プールと海のいいとこ取りですね」と感じ入ります。

自然が残る日本最古の海のプール

続いては、日本に約20ヵ所ある海のプールのなかから、清水さんのオススメを紹介していただくことに。そこで挙げたのは石川県・輪島市にある「鴨ヶ浦塩水プール」です。ここは1935年に造られ、現在使われている海のプールとしては日本最古と考えられており、文化庁の有形文化財にも登録されています。

また、こちらは当初、魚を鑑賞したり、育てたりする“生簀”の用途もあったそうですが、その後、近くの小学生が水泳の授業を海でおこなっていたことから、海のプールに改装。既存のプール同様、水泳用のレーンもしっかりと整備され、過去にはここでオリンピック選手が練習していたという逸話もあるとか。

また、水底は自然のままの凸凹になっていて、プールでありながらも海底のような感覚があり、前述の通り安心・安全に設計されているため、「小さなお子さんにとっては、こんなに楽しい場所はないと思いますし、私のような中高年が泳いでも、自らの遠い夏の日を思い出すような感じにもなります」と語ります。

ここで海のプールのさらなる魅力として“維持管理の簡単さ”を挙げる清水さん。普通のプールでは、シーズン中は清掃を毎回おこなわなければならず、水質管理、温度管理なども必要になりますが、海のプールはそうしたものは一切必要なく、「一度造れば、あとは“海任せ”。だから、長いあいだずっと使える」と言います。

加えて、海のプールはその土地の地形に合わせて作られるので、「どこに行ってもプールの形状が違う。そのため、(海のプールによって)表情がすべて違うのも素敵なところかなと思います」と語っていました。


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