2023/06/04

デヴィッド・ボウイも絶賛!比叡山の美しい風景が広がる「京都の枯山水庭園」とは?

DDP編集部

6月4日(日)の放送では、前回に引き続き、日本全国の庭園を紹介する庭園情報メディア「おにわさん」編集者のイトウマサトシさんに、一度は行くべきオススメの庭園、さらにはこれからの時期に最適の、梅雨に映える庭園について語っていただきました。

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(左から)ホラン千秋、イトウマサトシさん

庭園の宝庫・京都でオススメの庭園は?

前回の放送で、庭園の楽しみ方や注目している庭園について語ってくれたイトウさん。この日はまず、庭園好きの定番スポットを聞いてみると、「やはり、皆さんが口をそろえて『京都の庭が素晴らしい』と言いますし、それは僕自身も(京都に)住みながら実感しています」と言います。

なかでも、イトウさんが好きな場所として挙げたのが正伝寺(しょうでんじ)です。「ここはデヴィッド・ボウイが京都を訪れた際にすごく気に入った場所で、シンプルな枯山水庭園ですが、そこから見える比叡山(ひえいざん)の景色が美しく、意外と街なかからも離れているので、人が少ないのも良いところ」と解説。「おにわさん」で正伝寺を検索したホランは「きれいですね〜。枯山水の石庭に比叡山、本当に美しい!」と感動します。

ちょっと意外!? 東日本、西日本の庭園スポット

次に、東日本のオススメ庭園スポットとしてイトウさんが挙げたのは新潟県でした。「庭園というイメージはあまりないかもしれませんが、新潟は、お米で財を成した大地主の方が作ったお屋敷や庭園が残っていて、そこがまたビックリするぐらい素晴らしい庭園なんです」と言い、そのなかでも新潟県柏崎市にある国指定名勝庭園・貞観園(ていかんえん)をオススメします。

写真を見たホランは「緑に包まれ、苔も本当に美しいですね」とうっとりしていると、「ここは日本で一番苔が美しいんじゃないかというくらい苔がもふもふです」とイトウさんも絶賛。ただ、場所が山中にあるため行きづらいこともあり、それほど知られていないそうで「世界中に知れ渡ってほしいと思っている場所ですね。ぜひ車で行っていただきたい」と太鼓判を押します。

一方、西日本のオススメとしては島根県をピックアップ。島根の庭園といえば、足立美術館(あだちびじゅつかん)が有名ですが、「それ以外にも島根県は日本庭園が多いです。さらに、水墨画で知られる雪舟がデザインを手がけたお庭もいくつか残っているんです」とイトウさん。

そのなかでも、島根県奥出雲町の絲原(いとはら)記念館の庭園をオススメに挙げます。こちらは江戸時代にたたら製鉄で隆盛をきわめた名家・絲原家が所有している屋敷・庭園で、四季折々の美しさを堪能できるのはもちろんのこと、枯山水庭園でありながらも京都とは異なるデザインの流派があり「それがとても好み」と言います。

ここでホランから「京都と島根の枯山水庭園では、どんな違いがあるんですか?」との質問が。これにイトウさんは「ざっくりいうと、島根・出雲は歩ける枯山水庭園が多く、京都では眺めるだけのものが多い。また、島根独自のデザインとして、枯山水のなかに飛石が配置されているので、そのなかを歩いて庭園を鑑賞したり、お茶室に行ったりすることが多い」と解説すると、ホランは「(外側から)見ている景色のなかに入れるわけですね! 枯山水は見て楽しむものだと思っていました」と驚きます。

雨こそ映える、雨でも楽しめる庭園

最後は、これからの梅雨の季節に向けて“雨でも楽しめる庭園”について聞いてみると「雨が降ると喜ぶのは“苔”なんです。なので、先ほどの貞観園も良いですが、石川県・小松市にある苔の里(こけのさと)も素晴らしいです」とイトウさん。

「おにわさん」で苔の里を観たホランは「すごい! 苔が美しいですね!」とビックリ。こちらも、公共交通機関では行きづらい山間部にありますが、苔が一面に広がり、美しい空間が広がっています。また、滋賀県にもオススメが。滋賀にも歴史的な庭園が数多く残っており、しかも隣県の京都に比べると観光客も少ないため、ゆったりと庭園を楽しむことができます。

そんな滋賀にある青岸寺(せいがんじ)の庭園は、国の文化財ではあるものの、最近はリノベーションで茶房を開き、庭園を見ながらお茶やコーヒーが楽しめるとあって若い世代にも人気。

「お茶を目的に来て、気軽に庭園を楽しむのもいいと思います。きっかけは逆でもいい。友達とお茶する感覚で来て“庭もきれいだね”と思ってもらえれば、それも素敵な体験です」と話していました。


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