4月30日(日)の放送では、「東京ゲンジボタル研究所」代表であり、「日本ホタルの会」理事の古河義仁(ふるかわ・よしひと)さんをゲストに迎え、ホタルの驚くべき生態や都内でホタルが見られる場所などについて語っていただきました。
ホラン千秋、古河義仁さん
約50年に渡ってホタルの研究をおこなっている古河さん。そこでまず、東京のホタル事情について質問します。「私は東京生まれなんですけど、野生のホタルを見た経験がないんです」とホラン。すると古河さんは「東京でも、西のほうの町田市や八王子市、あきる野市、青梅(おうめ)市などに行くと(ホタルが)飛んでいますよ。やっぱり、大自然のなかで飛んでいるホタルをぜひ見てほしいです」と説明します。
さらに、ホランから「ホタルの一生は短いんですか?」「光っている時期は?」と矢継ぎ早に質問が飛びます。古河さんによると、卵から成虫になるまでにヘイケボタルは約1年、ゲンジボタルは約1年〜4年と個体差があり、「いくらエサをあげても大きくならない。あえて大きくならないみたいなんです」と話します。
その理由は“絶滅を防ぐため”で、「ゲンジボタルの幼虫は小川に住んでおり、台風などで洪水になると、大きい幼虫は流されてしまうことがある。でも、小さい幼虫は(岩などの)隙間に体を押し込んで流されないようにするので、(小さい幼虫は)生き残れる」と解説すると、ホランは「種として生き残るための生存本能が働いているんですね!」と感心します。
古河さんが述べていた通り、都内の西側のエリアでは野生のホタルを見ることができます。例えば、八王子市では5月末ぐらいから飛び始め、奥多摩町などの山間部では、7月初頭まで見られるそうです。また、ホタルが生息している場所として、古河さんは「基本的に里山。雑木林があり、小川があり、田んぼがあるところがポイント」と話します。
ただし、注意点として“ホタルには「光る日」と「光らない日」がある”そうで、まず“風が強い日”はホタル自身が風で飛ばされてしまうため、葉っぱでじっとしているそう。また“気温”も関係しており、6月でも17〜18℃のような肌寒く感じる日には光らないと言います。
さらには“満月の日”も、「ホタルはオスとメスが光でコミュニケーションを取っているため、満月だと明るくてお互いの光が見えないのでじっとしている」と解説。なお、飛ぶ時間帯はおおよそ夜の7時半〜9時ぐらいだそうです。
そのほかにも、ホタルには興味深い生態が数多くあります。例えば、ゲンジボタルは西日本と東日本で点滅する間隔が違うそうで、「西日本は2秒。東日本は4秒」とのこと。この事実にホランは「西日本はせっかちさんが多いのかな?」と笑います。
また、ホタルは成虫だけでなく、卵や幼虫、サナギの段階でも光るそうで、これにホランは「卵も幼虫も光るんですか!」とビックリ。古河さんいわく、成虫は光を点滅させますが、卵や幼虫、サナギの段階ではずっと光っているそうです。
そして、幼虫は水の中に生息しているものの、サナギになるときには陸地に上がってくると言い、「水中で生活しているから、雨の日に(陸地に)上がってくるんですけど、水から出た途端にお尻が光るんです。それも結構強い光で、それがすごくきれい。桜の咲く時期に上陸するんですけど、その頃にホタルが住んでいる川に行けば、もしかしたら見られるかもしれませんね」と古河さん。
そんな古河さんの話にホランは、「知れば知るほど、ホタルの世界は広くて深くて面白いんだなと思いました」とすっかり魅了された様子でした。