4月9日(日)の放送では、前回に引き続き、日本の全1,741市町村をスーパーカブで巡った、“かつお”こと写真家の仁科勝介(にしな・かつすけ)さんをゲストに迎えて、全国のおいしい郷土料理や新たな旅について語っていただきました。
(左から)ホラン千秋、仁科勝介さん
大学在学中、1年間休学してHondaのバイク「スーパーカブ」に乗って日本全国を旅し、そのときに撮影した写真をまとめた写真集「ふるさとの手帖 あなたの『ふるさと』のこと、少しだけ知ってます」(KADOKAWA)を出版している仁科さん。前回の放送では、旅に出た経緯や印象に残っている町について伺いました。
今回はまず、旅のなかで印象に残った“食べ物”について聞いてみると、最初に鳥取県の郷土料理“いただき”を挙げます。「大きな油揚げのなかに、生のお米と野菜を詰めたものを、だし汁でじっくり炊き上げたものなんですけど、すごくおいしかったです!」と仁科さん。お稲荷さんとはちょっと異なり、油揚げのなかに炊き込みご飯のようなものが入っているイメージだとか。
2つ目に挙げたのは鹿児島県・喜界島(きかいじま)で食べた“油そうめん”。これは、茹でたそうめんを熱したサラダ油で和え、そこにだしを混ぜたもので、どちらかといえば“油そばのそうめん版"のようなイメージだそう。「すごく喉ごしが良くて、さっぱりもしているし、とにかくおいしかった。(島の方に)作り方を教えてもらって、自宅でも作ることがあります」と話すほど気に入っている様子。
3つ目は、群馬県の郷土料理“おっきりこみ”。「太い生麺を旬の野菜やキノコなどと一緒に煮込んだ料理で、ほうとう(山梨県の郷土料理)と似ているようで違うというか……生麺が溶けてちょっと(汁に)とろみもついて、結構ボリュームがあったなって感じです」と振り返ります。
おいしそうな郷土料理の話を聞いたホランは「どれもおいしそう! やっぱり、その土地のおいしいものが食べられるっていいですよね!」とうらやましげに話します。
続いての話題は“過酷だった場所”について。そこで真っ先に挙がったのは熊本県。なんと3,333段にも及ぶ石段があったそうで、仁科さんも挑戦したところ足腰が悲鳴を上げ、とにかく大変だったそう。しかし、登った先で見た景色は別格で、仁科さんの写真集に収められているその景色を見たホランは「すごくキレイじゃないですか!」と目を輝かせます。
そして、改めて写真集をめくり「いろいろな景色を拝見していると“自分も旅に出たいな”という思いに馳せられますし、よくある旅行ランキングに載っているような写真とは違うものが多いので、(この写真集を通じて)今までにない形で旅先を選ぶことができますよね」と太鼓判を押します。
日本に現状ある1,741の全市町村を巡った仁科さんですが、すでに新たな旅の青写真を描いているそうで、「テーマとしては“平成の大合併”前の市町村を周りたい」と意欲を見せます。
“平成の大合併”とは、1999年(平成11年)から政府主導でおこなわれた市町村合併のことで、それ以前の日本は3,000以上もの市町村が存在していました。
「1999年って、まだ24年前のことですし、前回の旅で、地元に住む方のなかには、前の市町村を自分のアイデンティティとしている方、前の地名が好きな方がたくさんいることを知りました。旅を終えたときに99%ぐらいは満足したんですけど、そうした細かなところが巡れなかったという心残りもあって……なので、次は旧市町村を周りたいと思って準備をしています」と語ります。
それを聞いたホランは、「昔の地名に馴染みのある方にとっては“自分の故郷が忘れられてしまうのではないか”と感じる人もいると思いますが、仁科さんのような方が現地に赴き、昔の地名の話を(メディアで)取り上げてくれることで、大切にしていたものがまた思い出される。そんなことにもつながるのかなぁ」とこの旅の重要性について語ると、仁科さんも「そう思っていただけるとすごくうれしいですし、自分もそこでどんな暮らしがあったのかを知りたいので、それを確かめに行けたら」と思いを吐露します。
なお、仁科さんの旅の様子はWebサイト「ふるさとの手帖」で随時紹介していくとのことで、最後にホランは「ぜひ、さまざまな景色を見て、それを私たちにまた伝えてくださるのを楽しみにしています!」とエールを送っていました。