2023/03/12

トラウマ将軍、人間不信…“徳川家康”の複雑すぎる人生にホラン千秋も驚き!

DDP編集部

3月12日(日)の放送では、前回に引き続き、江戸に詳しすぎるタレント「お江戸ル“ほーりー”」こと堀口茉純(ほりぐち・ますみ)さんをゲストに迎え、“徳川・江戸文化の魅力”について語っていただきました。

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(左から)ホラン千秋、堀口茉純さん

徳川家康の知られざる側面

子どもの頃から歴史好きで、芸能活動をおこなうかたわら、2008年に江戸文化歴史検定1級を当時最年少で取得。現在はテレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍する堀口さん。

前回の放送では、江戸にハマったきっかけ、とめどない新選組・沖田総司愛に加え、推しの将軍、14代・徳川家茂についても語ってもらうも惜しくも時間切れ。そこで今回は、徳川将軍家の魅力をたっぷりと語っていただきました。

まずは、今年のNHK大河ドラマ「どうする家康」でも話題の初代将軍・徳川家康について。なんと堀口さんは「“ストレス将軍”、もしくは“トラウマ将軍”ですね」とキャッチコピーを付けます。

その理由として、家康は親指を噛む癖があったと史実にあるそうで、「おそらく、親指の爪を噛んでいたと思うんですけど、これは心理学の先生いわく、ストレスの緩和や精神的な圧迫感から逃れたいときに、自分を傷つけて、そっちに気持ちを向けるための作用らしいんです。それぐらい、常にストレスにさらされていた人生だったんだろうなと思います」と熱弁。

そもそも家康は、6歳から19歳まで敵方の人質として育ったそう。当時は人質だからと虐げられていたわけではなかったものの、両親と離れ、自分の命がどうなるか分からない状態で過ごしてきた経緯もあり、「(家康は)やっぱり人のことを全然信じることができないんですよね。たぶん、生涯を通して親友もいなかったのかもしれない」と推察。

また、最終的には征夷大将軍となり天下を獲りましたが、家康が江戸幕府を開いたのは60歳すぎ。「幕府を開くまでが本当に苦労の連続で、よく諦めなかったなと思うし、ストレス・トラウマばかりが重なっていくような人生だったんです。“おいしいところだけ持っていった成功者”というイメージがあるんですけど、実は彼はとても苦労している。そういう部分がすごく魅力的に映るんですよね」と思いを巡らせます。

お江戸ルが推す“上司にしたい将軍”とは?

ここでホランから「一般的には知られていないけど、実は意外と面白い将軍はいますか?」という質問が。すると、堀口さんは「“誰?”っていう感じだと思うんですけど、彼はすごく人事感覚に優れ、人を抜擢する能力があったんです!」と即座に6 代将軍・徳川家宣(とくがわ・いえのぶ)の名を挙げます。

その理由に、家宣は人材配置にとにかく秀でており、例えば、当時まったく無名だった新井白石(あらい・はくせき)を侍講、今でいう先生に抜擢したり、元能役者、今でいう芸能人の間部詮房(まなべ・あきふさ)を側近に、さらには、勘定奉行に荻原重秀(おぎわら・しげひで)という旗本を起用するなど、肩書き関係なく、能力を見抜いて適材適所な人材配置をおこなったそうで、堀口さんは「本当に上司にしたい!」と話します。

では、なぜそこまで優秀な人が無名なのかというと、「家宣は将軍になって3年で、インフルエンザで亡くなってしまいました。彼が生きていれば、それこそ分家の御三家から入ってきた“暴れん坊将軍”こと8代将軍・吉宗の出る幕はなかったんじゃないかと思うぐらいすごい人でした。だから本当に悔やまれます」と家宣の早すぎる死を悼みます。

ホランも「歴史は書き換えられないですが、“もしも、もっと長く生きていたら”って考えちゃいますよね」と共感すると、堀口さんは「そうなんです! 私“不憫萌え”で……」と告白。

なんでも不憫な人、優秀なのに世に知られていない人などに萌えてしまうそうで、それを聞いたホランが「(堀口さんは)悪い人に引っかかるタイプ(笑)!」と言い、2人で笑い合う場面も。ホランが「“私だけがこの人の良さがわかる!”って苦労するタイプよね(笑)」と分析すると「そうなんですよね……でも、私はわかっているので」と思わず苦笑いする堀口さんでした。

なお、堀口さんは3月16日(木)に著書「徳川家・松平家の51人〜家康が築いた最強一族の興亡」(PHP新書)を出版。徳川家・松平家の魅力的なお殿様をたっぷりと紹介していますので、ぜひ手に取ってみてください。

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