1月15日(日)の放送では、前回に引き続き、温泉紀行ライターの飯出敏夫(いいで・としお)さんをゲストに迎え、雪が見えるおすすめの露天風呂を教えていただきました。
(左から)ホラン千秋、飯出敏夫さん
温泉取材歴40年、76歳にして今もなお現役ライターとして活躍している飯出さんに、今回は雪の見えるおすすめの露天風呂を教えてもらうことに。そこで飯出さんが真っ先に挙げたのは、秋田県にある乳頭温泉郷の秘湯「鶴の湯温泉」です。
ここは乳頭温泉郷のなかで最も古い歴史を持ち、茅葺き屋根の長屋「本陣」が今も客室として残っており、国の登録有形文化財にも指定されています。そのなかでも飯出さんは、温泉へと続く“通路”がポイントだと言います。
「この通路に『雪灯篭(ゆきとうろう)』があって、雪灯りのなかを歩けるようになっているので、まずはこれを見ていただきたい。もちろん、露天風呂も雪を見ながら入れますが、そのシチュエーションは天下一品」と絶賛! また、乳頭温泉郷にある温泉宿はすべて露天風呂があるため、「どこのお宿でも雪見の露天風呂が楽しめる」と話します。
飯出さんの著書『温泉百名山』(集英社インターナショナル)に掲載されている山々のなかで、「“(温泉に入るまでが)けっこう大変だったなぁ〜”っていう山はありますか?」とホランが質問すると、飯出さんは「剱岳(つるぎだけ/富山県)は一番大変だった」と言います。
本来、温泉は登山口や山のふもとにあるのですが、剱岳にある3つの温泉がある場所は、なんと標高2,300〜2,410メートル。登山ルートである室堂(むろどう)までケーブルカーやバスを乗り継いだ後、「そこから20分ぐらい歩くと『みくりが池温泉』があり、さらに15分ぐらい行った雷鳥沢(らいちょうざわ)というところに2つ(温泉が)ある。その3つが“日本で高所にある温泉ベスト3”です。(標高が高いので、)温泉に入って周囲の山を見るだけでも十分に楽しめます」と語ります。
もう1つ挙げたのは、長野県の「高峰温泉(たかみねおんせん)」。ここの山にある温泉は、標高2,000mの高峰高原の稜線上にあり、「ここの露天風呂からの眺めは素晴らしい」と飯出さん。
というのも、「雲海の下に小諸(こもろ)市の街が沈んでいて、その上に蓼科(たてしな)、美ヶ原(うつぐしがはら)、遠くに中央アルプス、北アルプス、御嶽山(おんたけさん)といった山々が見えます。旅館の露天風呂としては、私のなかではここの景色が一番素晴らしい」と太鼓判を押します。
2週に渡る飯出さんとのトークに、「山と温泉と人生の深みみたいなものを教えていただきました!」と、ホランは笑顔をのぞかせていました。
「温泉百名山」では、飯出さんが紹介してくれた山を登頂したときの写真や温泉の写真が掲載されているほか、Webサイト「温泉達人コレクション (温コレ)」では、飯出さんがこれまでに巡った温泉の数々が紹介されています。ぜひチェックしてみてください!