2022/12/11

「横でたまたまタモリさんが聞いていて…」“坂道のスペシャリスト”山野勝とタモリの出会いにホラン千秋も驚き!?

DDP編集部

12月11日(日)の放送では、「日本坂道学会」会長の山野勝(やまの・まさる)さんをゲストに迎え、坂道の魅力についてたっぷりと語っていただきました。

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(左から)ホラン千秋、山野勝さん

タモリと意気投合して設立!

山野さんが会長をつとめる日本坂道学会は、なんとタモリさんと2人で設立しました。「“学会”と名付けていますけど、単なる趣味。かっこいい名前を付けようと思って」と笑います。また、タモリさんも坂道が大好きで、「特に坂道の写真を撮るのがうまい!」と話します。

山野さんがタモリさんと初めて出会ったのは、かつて銀座7丁目にあった文壇バーでした。山野さんが、一緒に来た友人に坂道のことを熱く語っていたところ、「その横でたまたまタモリさんが聞いていて、『俺も坂道が好きだから、話に入ってもいいですか?』って……」と話すと、「タモリさんのほうから!? すごいな〜!」と思わず声をあげるホラン。この出会いがきっかけで、今では、共同で「お江戸・東京 坂タモリ 港区編」(ART NEXT)という坂道をテーマにした本を出すまでの深い関係性に。

ちなみに、お2人のなかで“名坂”と呼べる坂道の条件が4つあり、「勾配、湾曲、江戸情緒、坂道の由来。これが面白いものを名坂と言っている」と説明します。

坂道に魅了されたきっかけ

長きにわたり「坂道講座」の講師をつとめるなど“坂道のスペシャリスト”である山野さんが、坂道について興味を持ったきっかけは、高校時代まで遡ります。

高校2年生のときに、福岡から東京に転校することになった山野さん。もちろん、上京したばかりの頃は右も左もわからなかったため、“東京のことをもっと知りたい”と思い、なんと東京23区をくまなく歩いたそう。

「大体3〜4年かかりましたけど、それはもう大変でした(笑)」と振り返ります。そして、東京23区を歩く道中で坂道の標識がふと目に入り、「“これは面白いな”と。それから、坂道のことをいろいろと調べるようになった」と言います。

山野さんによると、東京には約3,000の坂道があるそうですが、そのうち江戸時代から名前が付けられている坂道は500ほど。そして、明治以降に名付けられた坂道が140ほどあり、あわせて約640の名のある坂道をカルチャースクールで巡っているそうです。

ちなみに、都内で坂道が多いのは、文京区、新宿区、千代田区、目黒区、台東区などだそうで、その理由は“地形”。東京の地形には凹凸(おうとつ)があり、その周りに川が流れていて、「その川が大地を削っている。タモリさんがよく言う河岸段丘(かがんだんきゅう)ってやつですね」と解説します。

坂道のスペシャリストによる“地方の名坂2選”

山野さんは、東京の坂道だけでなく、ときには、金沢、長崎、鎌倉など地方の坂道を巡ることも。そのなかで“忘れられない地方の坂道”として挙げたのは、石川県金沢市にある「嫁坂(よめざか)」。ここは加賀藩の重臣・篠原一孝が、愛娘を嫁がせる際、嫁入り道具を高台から運ぶときに“恥をかかさないように”とわざわざ切り開いたという坂道で、「石段坂なんですけど、なかなか湾曲していて好きな坂です」と語ります。嫁坂の写真を見たホランは、「情緒のある階段に仕上げられていて、湾曲具合いも美しい。これはきれいだわ〜」と思わず見惚れます。

続いて紹介したのは、長崎県長崎市にある「幣振坂(へいふりざか)」。山野さんは、「長崎には素晴らしい坂道がたくさんありますが、幣振坂はちょっとひなびたところと言いますか、あか抜けしていないところがいい(笑)」と語ります。

ちなみに、この坂道の名前については、あるとき、坂の上から大きな石を運ぶことがあり、縄をかけた石を大勢で引っ張る際に、石の上に1人が御幣(紙を切り細長い木に挟んで垂らした神祭用具)を振りながら「それいけ!」と音頭を取ったことが由来と言われています。

山野さんの終始熱のこもった“坂道トーク”に、ホランは「坂道によってそれぞれ全然違いますし、(名前の由来など)エピソードにも思いを馳せてみるとロマンがありますね! 私も坂道の魅力が開眼してきました!」と興味を示していました。


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