2022/10/31

“いくら”“お刺身”も買える!? 進化を遂げる「自動販売機」の魅力とは? 自販機マニアが熱弁!

DDP編集部

10月30日(日)の放送では、自動販売機マニアの石田健三郎(いしだ・けんざぶろう)さんをゲストに迎え、“自動販売機(以下、自販機)”の魅力についてたっぷりと語っていただきました。

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(左から)石田健三郎さん、ホラン千秋

自販機にハマったきっかけ

石田さんが自販機にハマったのは大学4年生のとき。同じサークルに所属していた留学生が、「来日したときに一番驚いたのは、街中に自販機が溢れていることだった」と聞き、当時、ちょうど卒業論文のテーマを探していた石田さんは“自販機をテーマに書いてみよう”と調べ始めたのがきっかけでした。

レトロ好きな人など、自動販売機マニアのなかでもジャンルはさまざまにありますが、とりわけ最新の自販機を得意とする石田さん。「自販機は人々の生活を豊かにするもので、人々の社会や文化、生活に合わせて進化していく自販機を見たい」という思いから、最新の自販機にのめり込んでいったそう。

そして、卒業論文を書いた後もなお自販機に魅了され続けた理由として、「一番大きかったのは、大学を卒業後、社会人になってすぐにイノベーション自販機が生まれたこと」を挙げます。

石田さんいわく、これはJR東日本が展開する真っ黒のボディが特徴のイノベーション自販機で、自販機の目の前に人が立つと、AI(人工知能)が顔を分析して商品をレコメンドしてくれたり、商品の配列を並び替えたりする機能が搭載されていたそうで、IT企業に就職した石田さんにとって「AIや自販機の裏で動いているシステムに興味があったので、そういった親和性もあって、趣味として長く続けられた。趣味は自販機一筋で、もうやめられないですね(笑)」と笑顔をのぞかせます。

進化が著しい“冷凍食品”の自販機

ここ数年は、特に冷凍食品の自販機の進化が目覚ましく、「設置台数がめちゃくちゃ増えている」と言います。その背景として、コロナ禍であることも大きかったようで、「非接触・非対面の需要が増えて“お店に行きたくないけど、お店の味を楽しみたい”という人や、“地方の名店の味を食べたいけど、旅行に行けなくて食べられない”という人たちに応えるという意味でも、コロナ禍とマッチした」と語ります。

これまで、約50台の冷凍食品の自販機で購入したという石田さんですが、「冷凍食品の自販機は全国に4,000台以上ある。さすがの私でも回り切れない状況(苦笑)」と苦笑いを浮かべます。

そんな冷凍食品の自販機がヒットした理由として、「長持ちすること」と「24時間いつでも買えること」の2つのメリットを挙げます。例えば、「深夜にどうしてもお刺身が食べたくなったとき、近所のスーパーに行ってもおそらく売っていないが、自販機だと24時間いつでも買えるので、買って家で解凍すればすぐに食べられる。これもメリットとして大きい」と解説。

また、冷凍食品の自販機といえば、ラーメンや餃子が一般的ですが、「それ以外にも、ステーキやうな重、パン、ケーキ、まんじゅうなどの甘い物まで買える」と石田さん。そういった珍しい自販機の存在を知ると、「実際に行って買ってみたくなりますね」と話します。

例えば、築地には「いくら」の自販機が設置されているそうで、「築地のお店に行って、いくらを食べる場合、朝早くに行かなければならないし、ある程度の値段もして、ハードルが高い。そこで、自販機を設置して24時間いつでも買えるようにしたのは、普段築地に行けない人たちの需要を汲み取った自販機の1つだと思う」と紹介します。

そして、数ある冷凍食品の自販機のなかでも「ぜひ試していただきたい」とオススメしたのは、お刺身の自販機。「冷凍食品とは思えないぐらい新鮮で、ぷりっぷりのエビやマグロが食べられるので、ぜひ試していただいて、その感動を共有したい」と絶賛します。

自販機が“ライフライン”の一助に!?

石田さんは、自身を“しがない自販機マニアの1人”としながらも「“自販機業界をこう変えたい”という大層な目標はないですけど、強いて挙げるなら、自販機が人助けに役立つといいと思う。その手助けというか、アイデア出しなどができれば」と話します。

例えば、災害ベンダー機能が搭載されている自販機であれば、災害時に無料で飲料を飲むことができるほか、災害時に自販機を開けてスマートフォンの充電ができる機能があったり、さらには、AED(自動体外式除細動器)を搭載した自販機があるなど、自販機がライフラインになり得ることを挙げます。

「街や商業施設に行ったときに、“ここにAEDの自販機があったな”と記憶しておくだけでも役に立つと思う。AEDって、いざというときにどこに置いてあるのか分からないことが多いけど、自販機だと覚えやすいのではないか」と持論を展開。

この意見にホランは「そうですよね」と大きくうなずき、「自販機って面白いですね!」と関心を寄せると、「自販機は社会インフラの1つだと思っています」と力を込める石田さんでした。

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