2022/10/09

「“知られていない”というのが一番の問題」気象予報士・森田正光が提案する「島バナナ」を普及させるための策とは?

DDP編集部

10月9日(日)の放送では、先週に引き続き、気象予報士の森田正光(もりた・まさみつ)さんをゲストに迎え、“島バナナ”についてたっぷり語っていただきました。

null
(左から)ホラン千秋、森田正光さん

バナナの価格低下…その原因は?

バナナの価格は需要と供給によって決まりますが、「あまりにも(需要と供給ばかり)突き詰めてしまうと、供給する側(生産者)に負担を強いてしまうことになる」と森田さん。需要が少ないのに供給が多すぎると価格が安くなるのは言わずもがなで、こうした背景には「キャベンディッシュという(バナナの)栽培品種に問題がある」と指摘します。

森田さんによると、世界中がキャベンディッシュを主流としており、日本に輸入されるバナナも、ほとんどがキャベンディッシュ。それによって、価格面などさまざまな点において管理しやすいというメリットがある一方で、「多様性が失われている。ほんの少しだけもバナナに意識を向けてみると、(キャベンディッシュ以外の品種もあって)多様性に満ちている」と声を大にします。

バナナは、ほかの果物と比べて手に取りやすい価格なのが消費者にとっては魅力の1つですが、生産者にとっては死活問題。そこで森田さんは、「起爆剤として、キャベンディッシュだけでなく、島バナナなど、ほかの品種も流通したほうがいい」と提案します。

キャベンディッシュばかりだと「産地は違えど価格もほぼ横一列で、味もほとんど似たり寄ったりになってしまう」というデメリットを挙げつつ、「例えば、シャインマスカットは、それまでのブドウとは明らかに違って、価格が3〜4倍でも買うじゃないですか。(新しい品種を入れることによって)それと同じことがバナナでも起こり得ると思う」と力説します。

島バナナをもっと多くの人に知ってもらうために

先週の放送では、島バナナの魅力をたっぷり語っていただきましたが、ほとんど市場に出回っていないのが現状です。そこで、森田さんが島バナナをうまく普及させる案を2つほど提案します。

1つは、「日本中の人たちが、島バナナのおいしさに目覚めると(市場に出回るのが)年間約40トンでは足りなくなって、作る人が増える。さらに、マンゴーなどの果物の生産との合わせ技で良い循環を起こせるのではないか」と期待を込めます。

もう1つは、「沖縄に行かないと、島バナナが味わえない」というもの。絶滅させることなく沖縄で作り継いでいき、「沖縄に訪れたときしか味わえないような“知る人ぞ知る本物のバナナ”として売り出すことによって、多様性が担保されていくのが素晴らしいと思う。これらが自分の望む未来」と話します。

さらに森田さんは、「とにかく“知られていない”というのが一番の問題。多くの人に知ってもらって、(島バナナを)“食べてみたい”と思うような存在になってほしい」との言葉に、ホランが「島バナナを使って、有名企業やカフェとコラボレーションして、それが一時的なブームになったとしても、それが根付いていかないと意味がない。ただ消費されるのではなくて、大切に守られながら愛される存在になるのは非常に難しいですよね」と語ると、「本当にその通り!」と森田さんも大きくうなずきました。


沖縄県

Back issuesバックナンバー

more