2021/11/11

Drive Discovery PRESS Vol.32 編集後記

DDP編集部

11月も中旬に入ってきたというのに最高気温が20度を超える日々に、いまいち、今年も残り2ヶ月を切っているとは考えづらい気候ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?とはいえ、北から巡ってくる紅葉前線が楽しみな季節。そんな色づく木々とその下に生える苔の姿、美しいですよね。今週も、特別特派員にこよなく苔を愛する藤井久子さんをお迎えして、苔トークが繰り広げられました。

null
(左から)藤井久子さん、ホラン千秋

南極には苔はあるんですか?
そんな質問からスタートした今回の収録。驚くことに南極において、苔は貴重な生物であり、苔のスペシャリストがわざわざ研究のために訪れるほど。そして、南極という過酷な状況でも生息する苔の種類は、ここ東京などと変わらないのだとか。ギンゴケという種類が生息しているそうで、乾燥するとより銀色になるという美しい苔。紫外線を受けないために上の部分に葉緑体がないという特殊な形なんだとか。

そんな、様々な種類がある苔ですが、こんなにも世界中に生息できる生き物はなかなかないのでは?というホラン編集長の質問に、「まさにこんなにシンプルな植物ながらロマンがある」
という藤井さん。地球のあらゆるところを覆っている苔。「苔むしろ」という言葉があったり、季語に使われていたり、また、国歌にも「苔のむすまで」とあるように、哲学的な意味も含み、長い時間をかけて広がっていく様は、小さいながらに偉大だと言います。
そんな苔ですが、最近は苔テラリウムの人気などから、苔の乱獲が問題となっているのだとか。苔を根こそぎとってしまうことで、山の環境が破壊されていたり、その苔を土台にしていた他の植物などの生態系が崩れたり、はたまた、苔が山の湿度を保っていたり・・・
そんな大きな役割をになっている苔。もし、テラリウムなどで購入する場合は、販売用に野菜のように苔を育てて売っているものあるので、そういうものを買って欲しい、とお話しされていました。

藤井さんの最新本『コケ見っけ! 日本全国もふもふコケめぐり』は現在発売中!
これを見れば、あなたの周りの身近なコケの見つけ方から、全国の選りすぐりのコケの森にも出会えますよ!

Back issuesバックナンバー

more