11月7日(日)の放送では、前回に引き続き、コケめぐりの達人・藤井久子さんをゲストに迎え、コケの魅力について、たっぷりと語っていただきました。
(左から)藤井久子さん、ホラン千秋
現在はコロナ禍で遠出しづらい状況下とあって、藤井さんがコケを楽しむのにおすすめのスポットとして挙げたのが“身近な町にあるコケ”。前回の放送で語ってくれた“いいコケを見つける秘訣”に触れ、「コケの気持ちになって“どんなところが生えやすいか”という点から探してみるといい。そして、コケには水が欠かせないので、水がよく流れている場所やたまりやすい場所が好き」と説明。例えば、“民家のブロック塀”“神社やお寺にある岩や生えている木”“自然度の高い公園”などを探してみるといいそう。
また、環境の変化がある場所のほうが多様なコケが生息しているそうで、「大きい岩があるだけでも、日の当たり方や風の通り方によって全然違います。また、岩や土があったりと、いろいろな環境がミックスされているところがいい。あとは、沢沿いにもけっこう面白いコケがある」と、ポイントを挙げます。
また、コケ庭でおすすめなのは、京都の東山エリア。このエリアは、法然院や銀閣寺、南禅寺など「1日で何ヵ所か歩いて回ることができる」とおすすめします。一方、関東でおすすめなのは、神奈川の鎌倉エリア。「杉本寺など、先にリサーチしておけば、1日で3〜4ヵ所回れる」と話します。
藤井さんは、これまではコケを野外で観察して楽しむだけだったのが、コロナ禍をきっかけにテラリウム(透明なガラスの容器のなかで植物や小動物を飼育すること)を始めたそうで、「楽しいけど、コケにとってお気に入りの場所を作るのが難しい」と実感を語ります。
コケの種類によって好む場所や環境が異なるため、難しさはあるものの「コケ玉よりはテラリウムのほうが、湿度の高い環境が保たれるので育てやすい。うまくいけば、自然とコケが岩を覆ってきたり、もこもこが増してきたり、本当に自然を見ているような気がして面白い」と、その魅力を解説します。
あらためてホランが“コケの魅力”を尋ねると、藤井さんは「人間の思い通りにはならないところ」と明言。「人間の手の内に入れても、ちょっとした環境の変化で枯れてしまう。人間の思い通りにならないところが面白いし、勉強にもなる。種類も多く、日本のさまざまな環境に適したコケがたくさん生えているので、コケを見れば見るほど多様に満ちていて、ほかの生き物の“多様性”も感じられる」と熱弁します。
これを聞いたホランは、「“コケって、奥深い世界なんだ!”ということを藤井さんに教えていただきましたし、今度コケが生えているところに行ったら、じっくり見てみたいと思います!」と興味を示していました。