10月17日(日)の放送では、歌舞伎俳優の尾上右近さんをゲストに迎え、カレーの魅力や初出演した映画「燃えよ剣」について伺いました。
(左から)ホラン千秋、尾上右近さん
年間360食もカレーを食すほどの“カレー好き”という右近さん。自宅でもミャンマーのカレー「チェッターヒン」を常備するほどで、「カレーは辛いのが好き。特に卵やヨーグルトなどの乳製品系を混ぜて、まろやかにして食べるのが好きなので、あえてちょっと限界を超えた辛さにしておいて、乳製品でマイルドにする。それがたまらなく好き」とこだわりを語ります。
そんな右近さんがカレーに目覚めたきっかけは、歌舞伎座の楽屋口の向かいにある「ナイルレストラン」の定番メニュー「ムルギーランチ」との出会い。ここのカレーの特徴について、「しっかりと煮込んだ大きいチキンが“ドン!”と真ん中に置かれていて、お芋やキャベツなども添えられているんですけど、これをグチョグチョに混ぜて食べるんですよ」と説明します。また最近では、チキンマサラをオーダーして、「ムルギーランチを食べている途中から、チキンマサラを混ぜながら食べるのが激推し」とおすすめします。
ここでホランが“衝撃的だった忘れられないカレー”を尋ねると、右近さんはしばらく悩みながら「やっぱり『ナイルレストラン』になっちゃう。原点ですね」と回答。
「3歳のときに、曾祖父・六代目尾上菊五郎の舞踊が映像化された作品を観て、それが衝撃的で今も歌舞伎をやらせてもらっているんですよ。『ナイルレストラン』のカレーはそれに匹敵するというか、いろいろなカレーもあるし、いろいろな歌舞伎もあって、それぞれに魅力を感じるんですけど、やっぱり“最初に受けた衝撃”というのは、自分が一番好きであり続ける原動力であり原点」と熱く語ります。
また、10月15日(金)より公開となった岡田准一さんの主演映画「燃えよ剣」に出演している右近さん。本作は、司馬遼太郎さんによる歴史小説を原作に、新選組の活動を描いています。
本作が映画初出演となる右近さんは、「撮影したのは2年半ぐらい前。映像でのお芝居の経験がほとんどないなかで、新選組を抱えた松平容保(まつだいら・かたもり)という本当にいい役をやらせていただきました。今もそうですけど、激動の時代で先が見えないなかでも、自分の信念や伝統というものを貫いて生きた、ある意味で頑固なんですけど、生きることに対する美学を持った男を演じさせていただきました」と、自身の役どころについて説明。
撮影をあらためて振り返り、「(映像作品は)1回こっきりだし、自分がそのときに感じているもの、その役の気持ちになった瞬間をフィルムに残せて、それが永遠に残るという感覚がすごく不思議でした。その分、すごく責任を感じたし、“平成が残り3ヵ月で終わる”という時期に撮影したこともあって、実世界でも時代が変わるときでしたし、そういう意味でも、自分の人生で感じたものもそのまま映っちゃうんだろうなという感覚でした」と言います。
ホランが「歌舞伎のように、舞台は形として残らない刹那的なものを味わう魅力もありますけど、(映画のように)形として残ると、そのときの自分がずっと残っているので、不思議な感覚ですよね」と大きくうなずくと、右近さんは「後から観返したら、恥ずかしいところもたくさんあるとは思うんですけど、そのときはそのときで全力の自分を出しているので、とてもいいお仕事をさせていただいたと思います。ぜひ観ていただきたいですね」と実感を語ります。
ちなみに、およそ3ヵ月に及ぶ京都での撮影中も“カレー生活”は充実していたという右近さん。京都にあるカレーでは「カマル」というお店をおすすめします。
「ここには『コンビネーションカレー』というのがあって、『野菜のカレー』と『キーマカレー』のように“あいがけ”にできるので、バリエーションが楽しめます。あと、真ん中にご飯が盛ってあるんですけど、盛り方が美しいんですよ。ご飯が防波堤の役割をしているんですけど、その盛りの硬さもちょうどいいんです! 大好きです!」と熱弁していました。