8月22日(日)の放送では、“デパートめぐりの達人”で放送作家の寺坂直毅(てらさか・なおき)さんをゲストに迎え、デパートの魅力についてたっぷりと語っていただきました。
(左から)ホラン千秋、寺坂直毅さん
寺坂さんの本職は放送作家でありながら、大のデパート好きが高じて、著書「胸騒ぎのデパート」(東京書籍)を発刊するほど。宮崎県宮崎市の出身で、デパート「宮崎山形屋」のすぐ近くに住んでいたことから、子どもの頃の遊び場がデパートだったと言います。
「デパートに行ってエレベーターに乗り、当時はエレベーターガールがいたので挨拶をして(笑)。エレベーターで上から下まで乗ったり、エスカレーターで上から下まで行ったりしているうちに、自然とデパートが好きになりました」。
そして、家族旅行で福岡県や鹿児島県を訪れた際、地元よりも大きなデパートがあることに心が踊り、「“日本全国には、いろいろなデパートがあるんだな”と思って、小学生のときから1人で日本中のデパートをめぐるようになりました」と、きっかけを語ります。
そんな小学生時代の寺坂さんの心を掴んだのは、デパート1階の正面玄関。店内に入ると、「夏の季節だと、クーラーと革製品と化粧品のニオイが“ふわっ”ときますよね? それが深呼吸をしたくなる気分になるんですよね(笑)。あと1階の天井には、シャンデリアなどがあってすごくオシャレな装飾になっていたり、エレベーターも街のものとはちょっと違う豪華なデザインだったり、エスカレーターの光る感じなども、楽しむようになりました」と振り返ります。
デパートの魅力にハマってからというもの、鹿児島県の「山形屋」、熊本県の「鶴屋百貨店」、大分県の「トキハ」、福岡県の「岩田屋」など、地元・宮崎県から近い九州のデパートをあちこちとめぐるようになったそう。
寺坂さんによると、それぞれのデパートによって特色があり、アナウンスが流れるときのチャイム音、エレベーターガールの言葉やポーズなどの違いを饒舌に挙げながら、話はどんどんマニアックな方向に……。
デパートをこよなく愛する寺坂さんに、一番ワクワクするデパートを聞いてみると、「全部ワクワクするんですけど(笑)、外観が“おもしろい!”と思うのは、青森県弘前市にある『中三弘前店』ですね。ここは、すり鉢状の建物なんですよ。弘前市は城下町でそんなにビルもなく、岩木山という大きな山があるんですけど、街に溶け込んでいるかのような、おもしろい形をした建物です」と、その魅力を解説します。
また、ここの地下1階にある「中みそ」の“みそラーメン”は、「生姜が効いていて絶品! これはぜひ食べていただきたい」とおすすめします。グルメ系ではほかに、岩手県盛岡市の「パルクアベニュー・カワトク」地下1階にある「白龍(パイロン)」で食べられる、盛岡名物の“じゃじゃ麺”がおいしかったそう。
そして、愛媛県松山市にある「いよてつ髙島屋」の屋上には、「くるりん」という大観覧車があることでも有名で、「観覧車の一番高いところと、向かいの山の上に見える、松山城の天守閣の高さがちょうど同じなんです」というプチ情報も。
寺坂さんいわく、時代とともにデパートの屋上の使い方にも変化があり、広島県広島市にある「福屋八丁堀本店」では、「パブリックスペースというか、“町の公民館”みたいな感じで屋上を使ってくださいと開放しているんです。だから、日曜の朝にヨガ教室をやっていたり、青空の下で書道教室をやっていたりします」と説明。
次々とあふれ出る寺坂さんの話に、ホランは「独自の取り組みをおこなうことによって、お客さんが来てくれて、より愛される場所になり、さらには生き延びることにもつながるんでしょうね。デパートって、本当におもしろいですよね」と感じ入っていました。