8月8日(日・祝)の放送では、かき氷専門店「氷舎mamatoko(ママトコ)」の店主で、“かき氷の女王”こと原田麻子さんが登場。かき氷の魅力について、たっぷりと語ってくれました。
(左から)ホラン千秋、原田麻子さん
原田さんは、年間およそ1,700ものかき氷を食すほどのいわば“かき氷のスペシャリスト”。「氷自体には味がないもので、合わせるシロップや具材によって、いろいろな味のバリエーションができる。また、(具材は)果物だけではなく、和の調味料や野菜などもかき氷にできるところに魅力を感じている」と語ります。そして、氷が材料であるがゆえに、作り置きができないのは言わずもがなで、「“できたて”を食べることに儚さを感じる」とも。
そもそも、原田さんがここまでハマったきっかけは、「20歳ぐらいのときに、夏の京都で、初めてちゃんとした抹茶のかき氷を食べて、ものすごく感動した」と振り返ります。そのお店が東京にも支店が出店され、年間通してかき氷を提供していたことから、“夏の風物詩”でもあるかき氷を夏以外にも食べるようになり、かき氷のお店が増えるにつれて食べる回数も増えていったそう。
原田さんによると、かき氷に合う氷は“天然氷”“純氷”があると言います。純氷は天然水からつくられるのに対し、天然氷は「自然のなかで冬の一定期間かけて凍らせる氷だから、すごく貴重で値段も純氷の3〜4倍。最近は温暖化によって取れる量もだんだん少なくなっており、扱うお店自体が“選ばれたお店”しかなくなってきている」と説明します。
その味の違いについては、「シロップがかかってしまうと、一般の人には違いがわかりにくいかもしれないけど、天然氷は硬いので、ゆっくりと溶けて、くちどけがずっと続きます。また、素氷で食べ比べてみると、天然氷のほうがほんのり甘い」と言います。
また、最近は氷を削る機械が優秀で“ふわふわ”に削れるものもありますが、「やはりそこは、削る人の技量がものを言います。どんなに素材(氷)が良くても、扱う人の技量がないとお客さんは(その違いに)気づくもの。なので、“ブームだから”と乗っかったお店は、いまはもう(淘汰されて)残っていない」と話します。
原田さんがこれまでで一番感動した天然氷は、埼玉県の長瀞(ながとろ)にある「阿左美冷蔵(あさみれいぞう)」。ここは、創業1980年にもなる天然氷の蔵元ながら氷は一切卸しておらず、阿左美冷蔵が営業しているかき氷屋でしか食べられないそう。しかもお店に入れば、「外の緑の(自然豊かな)景色を見ながら食べられるので、景色や空気も含めて“おいしい!”って感じさせてくれる」と力説します。
そんな阿左美冷蔵のかき氷の特徴は、「1つのシロップと天然氷だけで構成されているシンプルな商品がほとんど。自分たちの(自慢の)天然氷を食べてほしいから、その氷を引き立たせるだけのシロップなので、いろいろと入れる必要がないんです。また、オリジナルの秘伝蜜があるのですが、お砂糖を煮詰めたシンプルな蜜で、琥珀色をしていてすごくおいしかった」と思いを馳せます。
そして、なによりも感動したのは「やわらかくて、スッととけるくちどけが全然違うなと思いました。ほとんど形成されていないかき氷に蜜をかけるんですけど、スプーンがスッスッ……と入っていく感じで、削り方(の技量)もすごいなと思いましたが、天然氷と純氷の差を感じさせるぐらいのレベルだった。それはとても難しいことで、誰でも真似できるものではない」と絶賛していました。
原田さんから語られる話の数々に、ホランは「伝統芸のようですね! かき氷の世界は奥深いんだなということがわかりました。来週は、“ここに行かないと食べられない味”や“おすすめのお店”などについても伺わせてください!」と興味津々の様子でした。