2021/05/16

ホラン千秋「美味しさも深みも変わってきますよね!」ジモコロ編集長の“マグロ”エピソードに感心

DDP編集部

5月16日(日)の放送では、前回に引き続き、地元メディア「ジモコロ」編集長の徳谷柿次郎(とくたに・かきじろう)さんをゲストに迎え、お届けしました。

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(左から)ホラン千秋、徳谷柿次郎さん

徳谷柿次郎が思わずうなった“マグロ”

日本全国津々浦々、旅をしながらその土地の魅力を地元メディア「ジモコロ」で発信している徳谷さん。訪れた地で美味しいものを食べることも楽しみの1つで、印象に残っているお店やメニューが数多くあると言います。

なかでも、「金沢に『Sushi直(すしなお)』というお寿司屋さんがあって、“外観が良さそうだな”と思ってたまたま入って、握りのコースをお願いしたんですけど、マグロがすごく美味しかった!」と絶賛。大将にどこ産のマグロか尋ねてみると、南アフリカのケープタウン産だったとか。

徳谷さんによると、日本近郊はマグロが漁獲しにくくなっており、日本の漁港のなかにはケープタウンまでマグロ漁に出ているところもあるそう。「しかも、ケープタウンに行き着くまでの海は、ビルの2階建てぐらいの激しい波がある。そこを周遊しているマグロは、ムキムキになってそこまでたどり着いた選び抜かれた猛者みたいなもの。漫画『ONE PEACE』でいう“グランドライン”を越えている奴らなんですよ」と笑いを誘います。

ケープタウンで獲れたマグロは、すぐさまマイナス60度で瞬間冷凍し、1年半の歳月をかけて日本へやってくるそうですが、「瞬間冷凍といえど、1年半だと味が落ちそうじゃないですか? でも『Sushi直』はマイナス60度で冷凍できる冷凍庫を持っていて、それを職人さんの技術で解凍・調理をすることで、いままでにないようなマグロが食べられるんです。しかも、お酒もちょっと飲んで1万5,000円ぐらいなんですよ!」と話します。さらに、「(このマグロは)東京で何万円もするコースでも食べられないと思います」とも。

石川県で思いがけない出会いをした徳谷さんは、大将に経歴を聞いたところ「シンガポールで富裕層向けのレストランで寿司職人をやっていたらしくて。たぶん客単価8〜10万ぐらいするようなところで数年やり切った人が、奥さんの地元の金沢で寿司屋をやろうかと出店したのが、『Sushi 直』なんですよ」。マグロの味に感動した徳谷さんは「1ヵ月後にすぐ予約しました。そのタイミングで取材の申し込みもして、『ジモコロ』で記事にしています」と話します。

次々と出てくる徳谷さんの取材エピソードに、ホランは「ただ美味しいものをいただくということ自体も素晴らしいことですけど、その背景に大将のこういうヒストリーがあって、食材にはこういうストーリーがあって……ということを知ったうえでいただくと、美味しさも深みも変わってきますよね!」と感心しきり。これに、徳谷さんは「ストーリーが美味しいんですよね」と笑います。

徳谷流・取材のスタイル、こだわりは?

取材じゃないときでも、出向いた場所で話を聞くのが徳谷流のスタイルだそうで、「常に“面白がる視点”を持って人や土地と触れていくと、たまにいい出会いが生まれることがある」とこだわりを語ります。

最近は札幌、大阪、福岡などの地方都市にハマっていて「1週間ぐらい住むような形で滞在している」と徳谷さん。滞在中には、その地域の友達に教えてもらった美容室で髪を切ったり、そこで聞いた話などから次の目的地を決めたりもするそうで、「地元に住んでいる人にしかできないことをあえてやってみると、町の見方が変わって“ここではこんなふうに暮らせるんだ”と感じられる。町を見る視点を複数持ったほうが、(その町の魅力を)立体的に捉えられる」と話します。

“面白がる視点”を持つと意外な魅力がいっぱい!?

また、ここ10年で地方も様変わりしてきているそうで「10年前よりも圧倒的にかっこいいお店が増えていて、地元の若い人たちはInstagramなどで(行きたい場所を)見つけてそこに遊びに行く。自分の生まれ育った町にかっこいいお店があることによって、その町のことが好きになり、あえて東京には出ずに“地元で何かかっこいいことをやりたい!”というふうに、いい循環が生まれつつある」と言及。

“面白がる視点”を持つことで「見方を変えると発見も増えてくるので、みんなもいろいろな土地を見て、外から気づいた“ものさし”や“尺度”を持ち帰ってみると、意外と地元にもなにかしらいいものがあるし、面白がり方はいくらでもある」と話していました。

2週にわたる徳谷さんとの対談を振り返り、ホランは「いろいろな町に行き、いろいろな経験値を積んでいるからこそ出会える“自分の美味しいものリスト”を作ってみたい。徳谷さんのように、自分の目でその町の特色やいいところを発見できるのは“かっこいいな”と思いましたし、私も私なりのその町のいいところ、見出した魅力をストックして誰かに伝えたい」と感想を語りました。

地元メディア「ジモコロ」


石川県

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