ホラン千秋がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの新番組「apollostation Drive Discovery PRESS」。番組では、“ラジオの中の編集部”を舞台にホランが編集長、リスナーが番組専属特派員となり、全国の食べ物やさまざまな場所にスポットを当て、日本の魅力を再発見していきます。4月18日(日)の放送では前回に引き続き、特派員ゲストに森井ユカさんを迎えてお届けしました。
(左から)ホラン千秋、森井ユカさん
前回は、日本全国のご当地スーパーをめぐるようになったきっかけや、そこで買ったお惣菜を自分で盛りつけてデザインする“スーパーディナー”の魅力や極意について語ってくれた森井さん。この日は、これまで47都道府県のご当地スーパーをめぐってきたなかで出会った“スーパーディナー”のお惣菜ベスト3を教えてもらいました。
森井さんは、「何百もあるなかから選ぶのは、非常に難しい……」と頭を悩ませつつも「とても楽しい感じで悩ませていただきました」と笑顔をのぞかせます。
今回は、ルックスがよりユニークなお惣菜のなかから厳選した3品を紹介!
まず1つ目は、徳島県にある小さな港町、牟岐町(むぎちょう)の「アジの押し寿司」。その写真を見たホランは「これ、アジの開きがそのまま乗っかっている!」とビックリ。とはいえ、森井さんによると「小アジなので、6〜7cmでとても小さいんです」とサイズ感を説明し、「小アジを開いて、お酢で7〜8時間しめると身全体がやわらかくなり、尻尾から頭まで全部、パクっと食べられる」と感想を口にします。
また牟岐町では、あらゆる食べ物に柚子を使うそうで「ごはんに、お酢よりも柚子(の果汁)のほうが多いんじゃないかと思うぐらい、ものすごい柚子のいい香りがする酢飯です。そこに開いた小さなアジが乗っています。アジが銀色にキラキラしていて、お惣菜売り場にズラ〜っと並んでいる姿は本当に美しいです(笑)」と話します。また味も、柚子との相性も抜群だそうで「アジの魚としてのコクがあって美味しい」と絶賛。港町ならではの鮮度の違いに驚かされたと振り返りました。
2つ目は、大阪府の「紅しょうがの天ぷら」。そう聞くと刻んだ紅しょうがをイメージしがちですが、「刻んだものではなくて、手のひらぐらいのサイズをペランと薄く1枚切り出して、それを串に刺して衣をつけて揚げたもの」と説明します。
大阪ではとても定番のお惣菜だそうで、「薄く切っているので食感はすごく軽いです。しっかりと紅しょうがの味がするので、なにもかけずに食べます。(地元では)おやつとして食べる方もいると聞きましたけど、私はおかずとして食べています」と森井さん。
これにホランが「これは美味しそう! (すでに)口のなかが洪水になっています(苦笑)」と反応すると、森井さんは「これは本当に美味しかったです!」と太鼓判を押します。大阪では、どのスーパーにも陳列されているものの、人気があるためすぐに売り切れてしまうそう。
そして3つ目は、秋田県の「サラダ寒天」。これはその名の通り、サラダを寒天で固めたもの。「サラダと言っても、フレンチのゼリー寄せは、わりと素材が見えていて色合いも美しくまとまっていますけど、サラダ寒天は大胆な感じです。ポテトサラダに寒天を入れて固めていて、お砂糖も入っています」と説明すると、写真を見たホランは「アイスの『白くま』(丸永製菓)のような感じですね! (見た目は)真っ白で、ちょっとキュウリが見えていて(笑)」と驚きが隠せない様子。
森井さんによると、その味わいはかなり甘いそうで「ポテトサラダの味もするんですけど、甘いので“あれ!? これって、おかずだっけ? おやつなんだっけ?”って一瞬戸惑う感じ。秋田では正真正銘のおかずで、ごはんのときに出てきますね」と話します。ちなみに秋田では、サラダだけでなく「そうめん、海藻、豆の五目煮など、なんでも(寒天で)固めています」とプチ情報も。
そんな独特の文化がなぜあるのか、興味の湧いた森井さんは、「調べてみたんですけど、秋田は寒天の名産地というわけではないんですよ。いろいろな方に聞いた意見をまとめると、寒冷地なので日持ちする寒天が重宝され、バリエーションのために(いろいろな食材を)使うようになった。あと、お菓子の文化が旺盛で、秋田はおやつを食べる習慣がより大切にされているらしいです。寒天を使ったお茶菓子も多いので、その流れで寒天を一般的によく使うと聞きました」と解説してくれました。
肝心の味はというと、その甘さゆえに最初は戸惑うも「美味しいですし、(すぐに)馴染みます。しかも、スーパーにはサラダ寒天だけじゃなく、いろいろな寒天料理が並んでいて、これがまた美しいです(笑)。初めて(その光景を)見たときは“今日は特別な日なのかな!?”と思うぐらいでした」とその魅力を語ります。
森井さんのベスト3を聞いたホランは、「みなさんにとって、なにが馴染みのある定番のお惣菜なのかは、やっぱり(その土地に)行ってみないとわからないですよね」と感想を口にすると、「それが一番の醍醐味ですよね」と森井さん。
あらためて、ご当地スーパーのお惣菜の魅力について「日持ちをしないものが多いので、こちらから会いに行かないと出会えない。宝物を探し当てたような気持ちになれるところですね。本当にささやかなことですけど、満足感は深いです」と話していました。