オシャレにみせる!センスアップの秘訣

楫真梨子(ファッションブランドディレクター)×長谷川あかり(料理研究家)

2023

11.05

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服作りに対する思い



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長谷川
先日、楫さんのブランドのポップアップに行かせてもらったんですが、全部可愛くて、真剣に選びました。

ありがとうございました。

長谷川
グレーの半袖のニットのトップスと同じグレーのニットのパンツで、全身グレーで今日は固めているんですが、着心地がめちゃくちゃ良くて、シルエットもすごく綺麗に出ます。

お似合いです。長谷川さんと私のファッションの系統は違うけど、長谷川さんは、私のブランドを自分らしいスタイリングで着てくれるのですごい勉強になります。

長谷川
私の料理の理想もそうですけど、楫さんが作るお洋服は、ひとクセあるんだけど、ベーシックなアイテムがすごく多いので、自分のスタイルに寄せやすいのがすごくいいなと思っています。今回、選んだトップスとパンツに原色の緑の靴下とスニーカーを合わせて、ゴールドではなくてシルバーのアクセサリーでまとめるとコンサバになりすぎず、だけど楫さんのアイテムの上品さを残しつつ、自分的にもしっくりきています。

嬉しいです。私もファッションのデザインを考えるときに、タイムレス、エイジレスを心がけていて、シンプルな中にもちょっとエッジの効いたデザインを取り入れています。今おっしゃっていたように自分らしく味付けして着こなせる洋服になっているのかな。

長谷川
タイムレスでエイジレスな洋服を作るのはいつ頃から意識されていたのですか?今年、3月に独立されましたが、こういう洋服を作るぞという思いがあって独立されたのですか?

前は比較的若い世代のお客様が多くて、独立して、ママ世代やちょっと上の世代の方々にも着用していただくことが増えました。独立のきっかけとなったのもお客様の声をそのまま商品に反映させたい思いがありました。お客様に自分から話しかけることがすごく多くて、感想を聞いたりするんですけど、ボディーラインがすごく気になるので、もうちょっとこういう服が欲しいとか、保護者会に合う服があったらいいとか、着こなしが難しいからこういうデザインのがあったらいいなとかそういうお客様の声をダイレクトに聞いて、次のシーズンに取り入れていますね。

長谷川
初めて聞きました。そんなに聞いてくださるブランドさんは、あまりなくないですか?

私も自分で会社を作ったので、ダイレクトに反映できると思います。

長谷川
そういうお客様の声を取り入れて、どんどんアップデートしていくのは意外でした。作りたい洋服、自分の理想があって、そこにストイックにデザインをどんどん詰めていくタイプかなと思っていたので、お客様の声とか柔軟に取り入れて、自分のスタイルも確立させながらそこをうまく探っていく作り方はいいですね。

もちろん自分で作りたい服の像もあって、「L'AUBE BLANC」というブランドをやっているんですけど、そのコンセプトが女性の曲線美を生かした服作りです。女性の体は、年齢を重ねたり、妊娠、出産でも、スタイルが変わりやすいので、自分のボディーラインを愛せるような服作りとして曲線美を生かすことと、スタイルアップの両立を目指していて、体にフィットするようなものを心がけています。

長谷川
着たらわかりました。私、自分のスタイルを割と隠す、覆いかぶせるような、ダボッとした服を選ぶことが多いんですけど、久しぶりに今日、楫さんの服を着たら、自分の体にフィットして、私こんなスタイルだったんだと、久しぶりに自覚したというか、でもそれが悪い意味ではなくて、綺麗に見えるお洋服を着ると、こういうふうに私の体は見えるんだみたいな、すごくいい発見をさせてもらいました。

嬉しい、ありがとうございます。


アクセサリー使いのポイント



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おしゃれに見せるコツとして、私は、骨格的に詰まりやすいというか、ちょっと骨が太めなところもあるので、3首を出すことを心がけています。例えば、足首、手首、首元、どこかに抜け感を出さないと、ちょっと野暮ったく見えてしまうので。

長谷川
3首を出しているイメージはありますね。今日も出ていますね。

3首を出して、アクセサリーで盛る。

長谷川
だから、その抜け感が、黒でまとめても重たく見えなかったり、ちょっと垢抜けて、野暮ったく見えないんですね。

そうですね。どこかに抜け感を出す。

長谷川
大人っぽく見えますしね。

すっきり見えるスタイルアップという点もありますけど、例えば、シャツでもスカートでもどこか肌が出ているだけで、かなり見え方が違うので、心がけています。長谷川さんのルールも聞いてみたいです。色のバランスの取り方が上手でインスタグラムで料理の写真の隙間に私服を載せているのを見るのが楽しみで、色の使い方やアクセサリーの重ね方も上手だなと思って。

長谷川
最初、アクセサリーが好きになったきっかけが、強く見えるというか、武装みたいなイメージ。私はどっちかというと、いいことですけど、優しそうに見えるんですよ(笑)。悪い言い方をすると、ちょっと弱く見えてしまうので、それをちょっと気にしていた時期に友人にクロムハーツのリングを1回借りたことがあって、そんなゴツゴツしたアクセサリーを付けたことがなかったんですが、自分も強くなった気がしたし、人からの見え方もこういうアクセサリーを付けるタイプなんだみたいなのもあって。

その気持ちすごくわかります。

長谷川
自分の性格までは変わらないけど見え方とか自分の心持ちがすごく変わっていいなと思って。それで結構ゴツゴツしたシルバーのアクセサリーを重ねています。

自己表現のために付けますよね。私も結構コンサバに見えてしまう、ちょっと悪い意味で女っぽい人だなと思われることがすごく多くて、実際にワンピースやスカートのスタイリングが多いのもそうですけど、そういうのを払拭したくて、ちょっとゴツゴツしたトゲのあるデザインのティファニーのハードウェアをつけたりすると、モードっぽさがプラスされて、見られ方も変わると思います。この人は何か意思があるんだと思われるような気がする。勘違いかもしれないですけど。

長谷川
わかります。あとは私が、スウェットとかダボッとした服を着ることが多いので、逆にそういうボーイッシュなスタイルにシルバーアクセサリーがキラッと光ると、今度は、ちょっと女性らしく見えたりしますね。自己流ですけど。

本当に上手ですね。すごい参考にしています。

長谷川
ありがとうございます。


*楫真梨子さんのスタイルブック『黒の装い 「普通」に見えない黒コーデ帖』は、宝島社から発売されています。


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