断捨離が新しい概念を作る
君島十和子(FTCクリエイティブディレクター、美容家)×平野ノラ(お笑いタレント)
2023
04.07
感謝の気持ちを伝える
- 平野
- 十和子さん、ご本を出版されるんですよね。
- 君島
- そうなんですよ。ありがたいことに新しい本を発売させていただくんです。私、今まで美容が中心になっている本を出してきたんですけども、今回、まずは働いている女性への応援メッセージを込めました。私もずっと子育てと仕事と両立してきたので、やっぱりそういうところで、心に引っかかるものとかあったり、女性として皆さんよりちょっとだけ経験を積んで、ちょっと前を歩いている私が、いろんな失敗してきたからこそ出した答えみたいなのを書かせていただきました。
- 平野
- 基本、文字っていう感じですか?
- 君島
- 写真もこの本だけの撮り下ろしのものもあります。
- 平野
- ちなみに旦那さんは載っていますか?
- 君島
- どうだったかな?ちらっと載っているかな?
- 平野
- ちらっとぐらいがいいですね。(笑)。実際に十和子さんはお子さんを2人育てられて、もう成人されましたよね。
- 君島
- はい。2人とも。
- 平野
- どうでした?20年間、子育てされて。
- 君島
- 小学生までは体力勝負だったと思うんですよ。でも思春期になると精神力勝負だなと思いました。中学生、高校生になると学校に行っている時間も長いし、そんなにベタベタとお母さん、お父さんが手取り足取りするのもおかしいので。ただやっぱり気になるものは気になるし、絶対失敗するなとか痛い思いをするだろうなとは見えているんです。でも、そこは自分の中でブレーキをかけました。あと、女子なのでそんなに激しい反抗期はなかったんですけども、私が何か言っても、必ず「は〜?」って返して。
- 平野
- 私も言っていたな、お母さんに。
- 君島
- それが癖ですよね、彼女たちなりの。1回の受け止めの返事ぐらいな感じ。学校で「そういうことをまずは家庭内で大人に試しているので、家の中で厳しく精査してしまうと、外でやりますよ」と教えていただいたんです。
- 平野
- なるほど。逃げ場所がなくて。
- 君島
- 「どっちがいいですか」と言われたんです。もちろん家の中で、享受、全部OKと言っているのではなくて、「それは傷つくよ」とか「悪い言葉だよ」という発信はもちろんしています。だけど、それが言えるような空気を作ってあげるのも2人経験したからかな。こんな偉そうに言っていますけど。
- 平野
- すごくいいアドバイスです。でもそれはコミュニケーションにもなりますよね。
- 君島
- それは子供だけではなく、主人とも一緒に仕事していますので、本当に24時間一緒になったら一緒なので、何でわかってくれないかなとか、これぐらいは言わなくてもわかるでしょみたいな、お互いになる時があるんですけども、それも、いかんいかんと思って「ありがとう、助かる」みたいなことをわざわざ口に出して言うようにしています。
- 平野
- なんでこれ年々、言えなくなるんでしょうね。
- 君島
- 私はテニスボールではないけど、来たものは瞬発的に打ち返すみたいな。ハートマークも入ってなくてもいい。
- 平野
- 私、たまに「♪ありがとうーー」って歌ったりしますもん(笑)。
- 君島
- 最高!そういう自分ルール大事です。
驚きの写真整理アイディア
- 平野
- 私は、時間がある時に、片付けはしたいんですけども、娘の思い出やグッズをどうしても閉じ込めたくて。
- 君島
- わかります。
- 平野
- 例えば、写真もどんどん増えていくじゃないですか。写真の整理の仕方をどうしたらいいかなと思っていて、娘のエピソードも忘れずに保管できて、アルバムになるものがないかなといろいろ考えた時に、お正月は、お互いの実家に帰るので、その時みんなでアルバムを見られる時間がすごく素敵だなと思って、でも、何か使えるものと思った時に、娘はバブ子っていう愛称なんですけど、「バブ子かるた」を作ろうと思って。
- 君島
- かるた!
- 平野
- 今、無地のちょっと大きめのかるたが売っているんですよ。娘の写真をそこに貼って、自分が忘れたくないエピソードを書いて、お正月にやるのは、すごくいいなと思って、昔のバブ子はこうだったんだよっていうことも忘れないし、みんなで楽しくできると思って。
- 君島
- 最高!
- 平野
- 例えば、「う」だったら、私まだ授乳中なんですけど、最近、娘がおっぱいを飲んだ後に、「うまい」って言うんですよ。とにかくそういうエピソードは忘れたくないじゃないですか、飲んでいる時の写真ではないですけど、ちょっと遠目で撮っている授乳中の2人の写真があるのでその写真をプリントして、貼って、「おっぱい飲んで一言、うまいといったバブ子、1歳10ヶ月」みたいのを作ってみんなで遊んだら、娘にも、残せるじゃないですか。
- 君島
- 私もアルバムはあるんです。今は携帯に写真をたくさん残せるけどエピソードが抜け落ちているんですよね。
- 平野
- それが、全く思い出せないんですよ。忘れるんです。うちの母の時、昭和の時代はアルバムに貼って、横に一言書く。あれが良かった。母の字のあのときの気持ち、あの時に全て宿っているんですよね。
- 君島
- 同感!若かりし母の一言と文字がすごく思い出に残るなと思っていたけど、それができてなくて。
- 平野
- 難しいですよね。昭和のいい感じと今の時代の便利になってきたものを融合する。これも断捨離をしていって、片付けていくと固定観念すら断捨離するんですよ。アルバムだけではないよね、そうしたら、残せるものは別にかるたでもいいのではないか、だからここにまた断捨離が紐づいていくので、本当に片付けは深いんですよね。
- 君島
- 深いですよね。
君島さんは、4月20日に講談社から新刊「アラ還十和子」を発表されます。美容やお料理、お掃除についてはもちろん家族についても触れられていて、君島さんのライフストーリーを知ることができます。