美味しいお店の見つけ方

青木崇高(俳優)×白央篤司(フードライター)

2023

02.24

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大切なことを教えてくれた



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青木
今回、スタッフさんが調べてくれたんですけど、白央さん、学生の時に演劇をされていたんですか?

白央
高校3年生から大学3年生ぐらいまで小劇団をやっていたよ。

青木
全然聞いてなかったです。

白央
言ったけど忘れたんじゃない?楽しかったよ。そこで、日本舞踊を習ったり、いろんな方々と知り合って、だから君が俳優を始めた時に浴衣を貸したり、もし時間があったら日舞を習った方がいいよと言ったり、今やられているじゃん?

青木
最近、お休みしていますけど…。

白央
反省した方がいいですね。売れてきたら行かなくなる。一番良くないから。こんなふうに説教していたんですね。

青木
今のデフォルトですよ(笑)。そういうことを言ってくださる人は少なくなるので、本当になんぼでも言ってください。

白央
自分が初めて本を出した時に崇高が喜んで、SNSに書いてくれたのは嬉しかった。

青木
食に関して、すごく好きなのはもちろん知っていましたけど、フードライターの道を選ばれて、いろんな土地の美味しいもの、旬な物とか、食文化にも興味がおありで、特に「にっぽんのおにぎり」は白央さんらしいというか、食の中でもシンプルなおにぎりで、47都道府県を伝えるのは素敵だなと思いましたね。

白央
それが人生初めての本で40歳だったかな。それまで、本を出すチャンスがなかったので、嬉しかったから友達の店を借りてパーティーを開いた時に、すごく大きな花を送ってくれてね、ありがとうございました。すごく嬉しかった。


日替わりメニューがあるお店



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青木
子供が生まれてから

白央
今いくつ?

青木
もうじき3歳。段々と大人が食べるものに近づいてはきましたけど、とはいえ辛いものや味付けの濃いものは妻が作らないですから。

白央
崇も作るの?

青木
僕も作りますけど…。料理を作るという言葉の取り方の難しさがあるじゃないですか?目玉焼きぐらいは作れますよ、満漢全席を作れますよ、これ両方とも料理作れますよ、ですが、今のはどちらですか?

白央
第1パターンとしては、4,5品ぐらい作れるものがある。第2パターンとしては、あるもので作れる。大体、この2通りで言うわけだけど、ものすごく深い溝があるんですよ。大体2番の意味で言うんだけど世の中的には1番で語られることが多いね。

青木
そういう意味だったら、するかなぐらいだけど、イエスかノーだけでは言いにくい。

白央
料理をするのはやぶさかではない?

青木
好きですよ。お酒も好きですから、つまみを作ったり、近くに好きな精肉店があって、肉を食いたい時は、お肉屋さんの主人に焼き方を聞いたり。

白央
すごいね。

青木
単純にとにかく少しでもうまく食べたいだけです。

白央
15年前ぐらいに、崇の家に呼んでもらった時に、冷蔵庫の中を見て、出世したなと思って涙が出たわ。高そうな瓶詰めやいい魚もあったし。

青木
本当ですか?それより前はどれだけ酷かったんでしょうか。

白央
ビールとチップスしかなかった。

青木
白央さんには美味しいお店にたくさん連れて行ってくれましたけど、仕事でいろいろと行かれていますが、お店を選ぶポイントはあるんですか。嗅覚ですか?

白央
店の面構えと匂い。プラス、黒板を出していて、日替わりのメニューがある。効率だけを考えると、定番メニューをやった方がよくて、毎日同じ仕込みをする。必要なものを安定して仕入れられるところを決めた方が絶対に楽なわけだけど、自分が毎日、市場に買い物に行って、その日いい面構えをしている野菜とか魚を買いたい、それをこう料理しようとか、うちのお客さんは、喜ぶんじゃないかなとか考えると、そういうことをやりたいモチベーションがある方のお店は大体美味しいね。お酒も大体ハズレない。そういうところは割と当たりやすいけれどもユニークすぎる店主の場合も多い。だから相性。まずはお通しと1品ぐらい頼んで、ちょっと観察して様子を見て、合わないと思ったら、ちょっとすいませんと言って帰る。いいなと思ったら2〜3品頼むのがいいお店の見つけ方。



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