子育てでは、日常が思い出になる
雨宮塔子(フリーアナウンサー、エッセイスト)×渡辺有子(料理家)
2023
02.10
大切なお子さんとの時間
- 渡辺
- 私は、今、子育て真っ只中ですけど、こういう人生があったかと思うぐらい、これまでは仕事=自分、仕事と自分は切り離せない感じで、また一歩引いているともちろん正直、葛藤はあります。でも今しかない時間があると思って、それは感謝しているというか、仕事ができないもどかしさがあっても、段々それは、いつかやりたいとか、いつでもできるようにしておこうという気持ちになったり。子育ては、今しか関われないことがあると思うと、本当にかけがえのない時間で、子どもが大きくなってから後悔したくないのはあって、塔子ちゃんもそうだし、子育ての先輩からももっと小さい時に一緒にいてあげればよかったと言われると、私はある程度年齢がいってからの子育てなので自分のことは二の次でも大丈夫、これまで自分のことだけで時間を使えてきたから、私だけ取り残される気持ちはもう若くはないので、そういうのはなくて、子どもといる時間を今は大事に楽しもうという方が、かけがえのない時間だろうなと俯瞰して見られる。本当に関われる時間はそんなに多くないと思うとありがたいなと思って、その中でも自分の時間は、作ろうと思えば作れることも最近よくわかってきて、工夫する中で、限られた時間の中で仕事するのも面白いですよね。
- 雨宮
- 逆に効率も良くなって。
- 渡辺
- 効率も良くなるし、段取りをしていかないと収まらないし、諦めとは違う、今自分ができる仕事をすればいいのかなと思っていて。
- 雨宮
- 子どもとの時間は、何をしたかよりも、本当に日常みたいなシーンが浮かんで、例えば、お姉ちゃんがバレエをやっていて、その後、息子のカンフーの待ち時間に2人でどうでもいいこと喋って、マッサージをし合ったり、そういうことがすごく、今覚えているんですよね。
パリと東京、それぞれの週末
- 雨宮
- 子供が大きくなって、娘は、他の海外に行っているのもあって、息子と2人だけ。もうすぐ18歳なので、親というよりは友だちのところに行くので、週末のどっちかの夜、私は、友だちと会ったりしていますね。
- 渡辺
- それはご飯を食べたり?
- 雨宮
- 食べたり、飲んだり、どっちかの家に呼んだり、華やかなことはしてないですけれども、パリは世田谷区の大きさなので、ちょっと気楽ですよね。有子ちゃんは週末どうしているの?
- 渡辺
- 最近は、自分のことをケアしなくてはと思っていて、体力的な問題が、このままじゃまずいと思わない?
- 雨宮
- 歩くようにしている。どんどん筋力が衰える気がします。
- 渡辺
- セルフケアとしてはフットマッサージみたいなことをリラックスしながらやってみたり、あとは毎日でなくて自分の時間を持てる時にピラティスを始めたの。これは続けるぞという決意でいて、おすすめです。
- 雨宮
- ちょっとやっているよ(笑)。
- 渡辺
- いいよね。塔子ちゃんが歩くのはパリのどの辺り?パリは歩いているだけでも楽しいとは思うんだけどどこがおすすめですか?
- 雨宮
- やっぱり好きなのはマレ界隈かな。ちょこちょこショップが変わったり、変化があるのがマレな感じがして、裏道に入ったらこんなかわいいカフェができていたり、ショッピングも楽しいし、デパートとかあんまり得意でないというのもあってか、路面店が好きですね。そこを歩くのがおすすめ。今でこそコロナ禍で、日本だと、とんでもないけれどもパリは、食べ歩きが許されたりして、小腹が減ったらテイクアウトをする。
- 渡辺
- マレはそういうところが多いの?
- 雨宮
- ケバブの美味しい店もあるし、ファラヘルもあるし、皆さんの想像通りのガトーもあるし、ケーキが1個から買えるから。
- 渡辺
- でもそれは食べ歩かないでしょ?
- 雨宮
- 食べちゃうよ。男の人も1人で買って美味しそうに食べながら歩いている。
- 渡辺
- それもいいなと思ったの。おじさんが気にせずに甘いものをおいしそうに食べている。
- 雨宮
- 大体酒飲みの人はクロワッサンも好きだし、お酒と甘いものが両立する。
- 渡辺
- それは、日中、歩くの?
- 雨宮
- 子供の夕飯の支度もあるので、例えば、カフェに出がてら、原稿を書いて、帰り道はわざとゆっくりこう歩いて、買い物しながら、夕飯どうしようかなみたいな。
- 渡辺
- いいなぁ。