自分らしくいるために
金子綾(スタイリスト)×申真衣(モデル、起業家)
2022
12.16
共に二児の母という共通点があるお二人。金子さんは、ありそうでなかった"オールアバウトマタニティ"の一冊「妊婦本。 自分らしくいつもどおり」を発表されました。マタニティ期のファッションだけではなく、育児グッズや自宅紹介などライフスタイルまですべてが紹介されています。
妊婦さんは、もっと解放されていい!
- 申
- 私、いいことを言っていいですか? 綾さんは自分らしくいることをすごい心地よく感じているスタイルだと思います。普通の人は、もうちょっとスタイル良く見せたいとか、そういう風に思うじゃないですか。
- 金子
- 私も思いますけど(笑)。
- 申
- この妊婦本を見ていても、お腹の丸さを心地よく感じていそうなスタイルに見える。
- 金子
- 外国で見る妊婦さんは、みんなぴったり、ぱつぱつでかわいいでしょ。でも日本だともうちょっとふわっとしたもので隠したり、偉そうなことを言うつもりは全くないんだけど、それぐらい日本の妊婦さんだって、解放されてもいいのにとはずっと、1人目の時から思っていて。だいぶそういう方も増えては来たのかなと思ったりする。だから自分らしく、妊婦さんだからこうしなくちゃとか、イエベだからどうとか骨格診断がストレートだから、この形の服を選ばなきゃとかいうカテゴリーにとらわれないで、自分がかわいいとか、テンションが上がるのを見つけていくと自分らしさが見つかるのかしら。
- 申
- そうですよね。胸が小さかったり、お尻が大きかったり、足が短かったりということは一瞬ネガティブにも捉えられることだけど、それはその人にしかないチャームだったりすると私は思うんです。日本だと規格から少し外れるところは隠すみたいな文化がある気がするんですけど、綾さんは本当に自分らしさを楽しんでいるように見えます。ほっこりしがちな妊婦スタイルをこうやって小物で楽しくすることができるんだとかいろいろ楽しく見ていました。そして、また物欲も刺激され、ヒョウ柄とか着てみたいですね。
- 金子
- 1人目の時はどんどん丸くなっていく体にものすごくストレスだったんですよね。全然楽しめなかったので、それなりには楽しんでいましたけど。なので、今回は思いっきり妊婦生活を楽しもうと思っていました。
育児も先入観や価値観に捉われずに!
- 申
- 綾さんのお嬢さんはもうセンスが! 完全に影響されていますよね。
- 金子
- ちょっと前までは黒しか着なかった。
- 申
- すごい英才教育!
- 金子
- 最近はまた違ってきたけど、日本の教育では割と女の子と男の子には分けられ、女の子だとピンク、男の子だと水色みたいな空気感で彼女たちは学んでいくでしょう。だから小さい頃から、女の子だからってピンクを選ばなくてもいいんだよ。男の子だってピンクを着てもいいし、かわいいじゃんということは言葉で伝えていた気がするけど。
- 申
- 私もそれがすごくあって、最初、子供が何もわからないときは、ピンクを絶対に買わないと私は決めて、押し付けてはいけないと思っていたんですけど、段々彼女もいろいろわかってきて、保育園で男の子はこう、女の子はこうだよみたいな情報を入れてきて、それに対して私がいやいや、男の子も女の子も変わらなくてねといちいち反論をするわけですよ。最初はフンフンと聞いていたのが、段々、「お母さんはそういう人だけどね、私は、男の子はこうで、女の子はこうがいいの」と言われています。最近では、ピンクが好きだったらピンクを買うこともありますし、私も何か伝えながら、世の中が植え付けてくるバイアスをちゃんと、ときほぐすことはしながらですけれども、その中で段々、彼女らしさも出てくるんだろうなと感じて、柔軟にやっています。