自分で見出した家族の形
桐島かれん(モデル)×内田也哉子(文筆家)
2022
06.03
内田さんは脳科学者の中野信子さんとの共著で、『なんで家族を続けるの?』というご本を発表されています。内田裕也さんと樹木希林さんを両親に持ち、ご自身は19歳でご結婚、3児の母として家族を最優先にされてきました。
家族について
- 内田
- 家族は、いろんな事の基盤ではあるけれども、いい意味でそこにアタッチしすぎるのも難しいし、家族とはいえ、血縁だからこそあまり近すぎるとエネルギーが澱んでしまったり、爆発したりすることもある。
- 桐島
- いろんな形態の家族があっていいわけだし、「なんで家族を続けるの?」は、びっくりするようなタイトルでもあるけど。
- 内田
- この本を作る時に脳科学者の中野信子さんに私の家庭の話をすると、イレギュラーだからびっくりするけどでも自然界を見回したら、全然おかしなことではない。例えば、お父さんがいないとか、細々したことからしても生物界全体を見たら当たり前はないですよから始まって、人間界だって基本的なルール、例えば、日本では、一夫多妻制は認められないし、その国々、地域のルールはあるけど、そこさえも大きく踏み外さなければ、どんな形の夫婦関係や親子関係であってもいいと最終的に私を教えてもらった。どこかでコンプレックスを感じていたし、なんでうちは普通ではなかったのだろうという、憧れは消えないけれども、そこに固執していても仕方がないし、今もし家族の問題で行き詰まっている人がいたら、自分の歩幅で自分の形で見出した家族が正解でいいと思う。
- 桐島
- 私もそう思う。例えば、家庭内でつらい思いをしていたら家庭を捨てる勇気も持ってもいいと思うし、学校だって行くのが辛かったら行かない選択もあるし、日本は同調圧力も強いし、こうあるべきが強いけれど、自分のことは自分で守らないといけない。
- 内田
- きっと、こうでないといけないが実は自分に重荷になっていて、だからもちろん難しいことではあるけど、こんな考え方もある、あんな考え方もあると自分の中でいろいろなペルソナを持っておいて、そこに他の友達や家族がアイデアを言ってくれたらそれは素晴らしいけれども、一人だったとしても、こうでなくてではなくて、こんなこともある、あんなこともあると常に柔軟性をもっているのは、ぶち当たった時の対処の一つかな。でもそれは多分、私たちが幼少期から身を持って、当たり前の道を行かない母たちだったからね。
家族で作り上げた一冊
桐島かれんさんのお母様は、作家の桐島洋子さん。かつて、フリージャーナリストとして世界を放浪され、未婚のまま、3人のお子さんを育て上げるなど独自の生き方を切り拓いてきました。そんなお母様と3人の子どもたちによる1冊の本が発表されます。
- 内田
- かれんさんは満を持してというか、お母様と子ども3人、かれんさん、ノエルさん、ローリーくん、みんなで共著の本ができるんですか。
- 桐島
- タイトルは「ペガサスの記憶」といいまして、母が雑誌に連載をしていたものが本の半分を占めていて、あとは兄弟3人で繋いでいく。基本的な母の人生を母が振り返る感じ。今、読むと、すごく破天荒に生きてきた人だとわかる。
- 内田
- 子どもたちはどういう形で?
- 桐島
- 一時NYに住んでいた時のこととか、母が結婚した時の事とか私たちは私たちが経験した子どもから見た視点で、母が語るのとは違う角度ですね。
- 内田
- 本屋さんに行って買います!
*内田也哉子さんと脳科学者の中野信子さんの共著、「なんで家族を続けるの?」は、文藝春秋 より発売中です。
*桐島洋子さんとの共著「ペガサスの記憶」は、小学館より6月15日に発売になります。