センスアップの方法

三苫愛(ヘアメイクアップアーティスト)×鳥羽周作(レストラン「sio」オーナーシェフ)

2022

02.11

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レシピを無料で公開した意義



鳥羽さんは、コロナ禍のステイホームの時期からSNSでレシピや料理動画の投稿をスタート。ミシュランシェフが無料でレシピを公開していると、大きな反響を呼びました。

三苫
私も鳥羽さんのことをインスタグラムでずっと見ていて、コロナ渦になり、お家で作れるレシピを惜しみなく出していたんですよね。秘密なのにこんなに出しちゃって大丈夫ですかって思ったんですけど、

鳥羽
料理の世界はそう思われがちですけど、みんな喜ぶからいいじゃんみたいなノリでやったら、反響があって。あれは、奥さんが家で作ってできたやつだけを最初、載せていたんですよ。コンビニで買える材料で家の環境を想像してやり始めたら人気が出て、喜んでもらって嬉しいみたいな感じでずっとやるようになって。

三苫
本当に主婦の味方ですよね。私もこんなに簡単にこの材料で仕上がるんだという。

鳥羽
そこを大事にしていて、何時間もかけて旨味を出さないといけない代わりに野菜ジュースを煮込む時に使うことで15分に短縮する。メイクも同じで、これだったらできる、その距離感と言うか、今求められているものをリアルタイムで解決していくのは無償の愛じゃないですか、お金を稼ぎたいわけでもないし、課金しないと見られなくなると、急に冷めてしまう。レシピを無料公開したのもそういうのがどんどん出てきて欲しくないなと思ったんですよ。たくさんの人に優しくないことだから僕らの真意はやっぱりとにかくお客さんに優しくしたいことでみんな大変だった時期だったし、そこにつけこむのは僕ららしくないのでレシピを無料で公開しようという話になりました。


センス=自分を知る



一方、三苫さんはSNSで発信しているヘアメイクや、ファッションだけでなく、現在拠点としている、ロサンゼルスでのライフスタイルにも注目が集まっています。ともに暮らす三苫さんのパートナーは、大人気のヘアジュエリーブランド「プリュイ(PLUIE)」のデザイナー高橋祐也さん。今回、その高橋さんも急遽、トークに参加してくれました。

三苫
今日一緒に夫が付き添いで来ていて、突然ちょっと出ないかという話になりまして、

高橋
高橋です。三苫愛の旦那をしていて、マネジメントとか、基本的にはジュエリーを作っている感じですね。

鳥羽
クリエイティブディレクターですよね。物作りもされているし、マネージメントもする。手に職があるけど、ディレクション能力もあって、プロデュースもできる。今、一線で活躍する人が兼ね備えている能力を全部持っている。

高橋
それ鳥羽さんですよね。

鳥羽
海外に住まれていて、部屋の内装にもこだわっていますがどっちの思いが強いんですか。

三苫
ほとんど夫がやっております。

高橋
テーブルも自分の知っているアーティストにこういうものをデザインしたいと伝え、ほぼ一緒に作ってもらいました。

三苫
ほとんど自分でやっていますね。

高橋
皆さんこれが答えとか正しいとか、先入観が強いですよね。そこから離さないと。

鳥羽
よく言えば、あるものと似たようなものが出来上がってしまう。結果としてそこに行き着いているならいいんですけど、そういうものが正解という感覚でもの作ると、同じような服になるみたいな、こういう環境に身を置きたかったからこそ、本質的で自分の唯一無二のスタイルができると思います。

高橋
鳥羽さんは先入観ゼロだなと思って。越境する超える線すらないから、そこにボーダーラインがない。さらに、食べる人や体験する人の声、思いを想像できるし、感じることができるから、今までそこに壁とかいろんなものを感じてやってこなかった人たちを全て凌駕するというか。センスは、全員が持っていると思っているんですけど、ただ、行動をしないだけ。

鳥羽
それはどんどんチャレンジすべきだし、そういう環境を作っていくのは大事だと思いますね。

高橋
自分の心地いいものがわかった人がしているスタイルは、いいなと思うんですよね。

鳥羽
ブランドでもなくて、自分を理解している。愛ちゃんは自分に似合う、自分が好きでフィットするのを知っている事だと思うし、世界観がもうある人は、センスがある人だと思いますね。

高橋
センスは、かっこいいもの、可愛いものよりかは、自分を知っている人=センスかなって。

鳥羽
それが一番のセンスですよね。


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