独立の理由

前田敦子(女優)×小山田早織(スタイリスト)

2022

01.07

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前田さんは、昨年、およそ14年間在籍した芸能事務所を退社し、個人事務所を設立されました。新しい年に心機一転、一歩踏み出してみたい、という抱負を立てた方もいらっしゃるかと思いますが、独立を自ら決断し、新たな環境に飛び出した前田さんにその思いをうかがってみました。

AKB時代を経て感じること



小山田
あっちゃんが独立をされたきっかけは何だったんですか?

前田
子育てをしながら仕事をしていくと考えた時に、新しい環境を作りたいと無性に思っていたんですよね。1年ぐらい子育てしながら変わらない環境でやっていたんですけど、このままでは、これ以上変われない気がするなと思っていて、誰に何を言われたってよりかは今かもしれないと素直に思ったので、それを伝えたら、皆さんがここまで決意したなら変わらないよねと背中を押してくれて、いってらっしゃいっという感じで言ってくれたので、ポンって出てみたら、もちろん不安はすごいあったんですけど、辞めた後、一気にそれが解放されたというか。

小山田
あっちゃん自身も裏方の仕事もひょいひょいとできる処理能力があるからだと思うんですよね。

前田
そうなんですかね。最初全然わからなかったですけど、プロの人たちが近くにたくさんいるのでみんな懐を広げて待ってくれている感じで、そこに飛び込んでいける環境があったのでラッキーだなと思います。

小山田
アドバイスを惜しみなくしてあげたくなるあっちゃん自身の人間力だと思うんですよ。助けてと思った時に素直にその人に飛び込んでいけるじゃないですか、

前田
そうですね。甘える時はとことん。

小山田
やってみようと思っても、素直に周りに甘えられなかったりとか、チャンスを逃してしまっている方もたくさんいると想像すると、その前田スタイルの素直さですよね。

前田
それは自分で若い頃に、もったいなかったと思う経験上ですね。そういう時期があっても、みんないいかなと思うんですけど、そのまんまやっていると自分が後悔するというのはAKBを経て、思いましたね。あの時、私、もっとかわいげあってもよかったんじゃないの、と思える。


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リアルを大事にする



仕事に育児に日々忙しいお二人ですが、ライフステージも変化する中で、自分らしく仕事に向き合うために、日々どんなことを大切にしているのでしょうか。

前田
私はとにかく楽しい場所をみんなで共有するのをすごく意識しています。どんなに大変なことでも、楽しいに変換できる環境を自ら作っていきたい、その塩梅は今、すごく気をつけているところですけど、最近思うのは私30歳になってしまったので年下の子が現場に増えてきたんですよ。20歳ちょっとの子たちと普通に一緒に仕事をする環境が多くて「小学生の時、見ていました」という子たちがいるので、自分がいつの間にか、年上枠に入ったというのは本当にこの一年感じるんですよ。

小山田
自分のことだけ、いっぱいいっぱいだった頃ではなく、現場の周りの方にも意識できるようになっている。

前田
プロデューサーの人も年下だったりして、「憧れていました」とか言われて、「あれ!」みたいな。甘えられる方じゃないんだなって。となると、よりいっそう、みんなで楽しもうよという方向に持っていったりできたらいいなと現場で考えていますね。

小山田
あっちゃんはいい意味で、媚びないじゃないですか、媚びずに周りの人を魅了してく人だから本当にあっちゃんのそのパワーがあったらいいなっていつも思います。記者会見でもその場ですぐネットニュースになってしまうような現場でも一つ一つの質問に時にユーモアで返してたり、そういう場にさらされている方ですけど、裏でやさぐれたことを言うこともないし、その場その場を裏表なく生きてる印象で、本当にファンの方にお伝えしたいのは、あっちゃんはみなさんが見てるまんまがあっちゃんですよと。

前田
そうですね。外に出ている感じは、そのままかもしれない。

小山田
多分、息子君が隣にいてもそのまんまですよね。

前田
だと思います(笑)。いいのか悪いのか分かりませんが。

小山田
私が仕事で大事にしていることは、リアルであること。雑誌のスタイリングを組んでいる時もブランドもので全身を固めたスタイリングは一部の人しかできないので、上手にコスパのブランドを足したりとか、そういうリアリティーだったり、スタイリングでも撮影の時だけ後ろをつまんで綺麗に見ればいいやでなくて、リアルをすごい意識していますね。

前田
小山田さんのスタイリングは真似したいとみんなが思っています。

小山田
雑誌では、アンケートで収入のデータをいただけることが多いのでファッション代にかけるお金は、月どれくらいとか美容はどれくらいとか、貯金にどれくらいとか、最近はファッション誌が投資の専門の方をゲストで呼んでレクチャーしていただくページを作ったりしているので、そういう本当に頑張って働く一般女性の方たちの明日のファッションが楽しくなればいいかなと思ってお仕事しています。


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