断捨離リバウンドとの向き合い方
前田敦子(女優)×小山田早織(スタイリスト)
2021
12.31
小山田さんは先日、「“着ない服”がゼロになる!稼働率100%クローゼットの作り方」という本を発表されました。実際に、段ボール100箱分を手放した小山田さんによる断捨離の極意が書かれていますが、実は、本を書き終えた後に、小山田さんが感じたのが、リバウンドの恐怖。そこで、整理しても増えていくクローゼットと、どう向き合えばいいでしょうか。
手放すと新しいモノが入ってくる
- 前田
- 小山田さんは、どうやって大好きな服の数を増やさないようにしているのですか?
- 小山田
- 管理するためにアパートを借りていたぐらい本当に増えてしまい、自宅でも、一部屋、服のために潰し、かつアパートも洋服のためにという感じで、すごい膨大な量の服を持っていたんですけど、1人目の妊娠をきっかけに、身辺整理ではないですけど、片付けている時間に生産性があるのかなとか、散らかっているとすごいイライラして、
- 前田
- わかります。
- 小山田
- その散らかっている部屋で、かつ、子供が泣いていたりすると、追い詰められた気持ちになりますよね。
- 前田
- 余裕がなくなっている感じが部屋に出るのは嫌ですよね。
- 小山田
- だったらそもそも物がなければ散らからないところに行き着いて、本当に必要なものとか、本当に好きな物だけだったらどうなるんだろうと思って、どんどん整理していった結果です。
- 前田
- 増やさないようにはどうやっているのですか?
- 小山田
- どんどん寒くなってくると、つい厚手のものを買い足したりするんですよ。基本はone in one outで一個買ったら一個手放すことは意識しているんですけど、やっぱりリバウンドする。服が好きすぎて、常にいろんなトレンドとか素敵だなと思うものを見なければならない仕事だったりもするので、もう買わないぞと思っても・・・。あっちゃんだって、衣装で持ってこられてかわいいと思ったら、
- 前田
- どこのですか?となっちゃいます。
- 小山田
- となるとまた増えていって・・・。リバウンドするんですけど、常にそれに対して自問自答し続けるのはすごい大事だと思います。
- 前田
- その心があるかないかだけでも違いますよね。
- 小山田
- 自分はもう必要ない、着ないと思ったものを私は循環という言葉を選んで著書に書かせていただいたんですけれども、どんどん売ります。
- 前田
- あんなに手放したのにという感じになりません?
- 小山田
- また入ってきます。人間関係や仕事でも共通すると私本当に思っているんですけど、例えば手をギューとするじゃないですか、それをパーにした瞬間にいろんなものが入ってくるっていう話を聞いたことがあるんですね。グーにしていると何も入らないけどパーにすると何でも手に取れる、だから洋服も同じで、リバウンドは、むしろ手放せた証拠というか、
- 前田
- いいこと言ってくれますね。
服は、着た時の感動が大事
小山田さんは、クローゼットを片付ける過程で、「自分にとって大切なもの」を見極め、その結果、出来上がったのは出番のない服がひとつもない「稼働率100パーセントの完全循環型クローゼット」。この日のファッションも、そのクローゼットから取り出した本当に好きな”服”でした。
- 前田
- 最近、購入して、お気に入り服はありますか?
- 小山田
- 今日着ている「Jil Sander」のセブンデイズシャツは、シンプルな月火水木金土日に合わせたベーシックな白シャツですけど、月曜日はかっちり、火曜日もちょっとかっちりで、水曜日ぐらいからだんだんデザインがきいていくシャツです。お店に行って、店員さんに「セブンデイズシャツありますか?」と聞くと、その店頭には、月曜と土曜しかなくて、このお店には、水木金あってみたいなことがあって、出会いだなと思って。でもちょっと奮発したお買い物だったりするので、本当に大事だし、こういう服を着ている日は、チョコを食べないとか、飛びそうな物を回避したりして、節制できる、白シャツダイエット的な。
- 前田
- それ新しい!いいですね。下は何を履いていますか?
- 小山田
- 黒の「GU」のパンツを白シャツに合わせているんですが、このパンツが本当に自分の中で大ヒットすぎて5年は履いています。
- 前田
- 1枚1,900円とかですかね?
- 小山田
- 990円だと思います。これ以上にいい感じにフィットするパンツに出会えないんですよ。
- 前田
- 嘘みたいに綺麗です。
- 小山田
- 「Jil Sander」のシャツは10万円だけど、GUのパンツは990円。値段でない着た時の感動がすごく大事だと思うんですね。あっちゃんも本にエクリュが好きと書いてあったけど、今日は、素敵な、優しい、フワッとしたニットを着ていて上は、ジャケット、セットアップ?
- 前田
- 「IRENE」のセットアップです。最近、オーバーサイズが好きで、あえて2サイズぐらいあげたりとかして、ジャケットとかブルゾン系を買ったりしています。
- 小山田
- この前、ダウンを購入されたと某プレスの方がおっしゃっていました。
- 前田
- 買いました。ガシガシ使って、何年か使っているみたいになったんですけど、
- 小山田
- やっぱり使うことが大事ですから。
- 前田
- そうなんですよ。ちょっといいものを惜しみなく使いたい、
- 小山田
- 分かります。大事にしまっといては洋服を結果、大事にしていることにならないと思います。
- 前田
- 白シャツも1回着て、洗ってしまっておくと、黄色くなっていくじゃないですか、
- 小山田
- そうなんですよ。形もどんどん古くなっていくし、高額なシャツかもしれないけど、回数を重ねれば重ねるほどコスパ服に進化していくので、
- 前田
- そうですよね。最後は気にしないでチョコレートも食べられるようになりますね。
- 小山田
- 今日3回目ぐらいの登場なので、まだチョコは食べられないんですけど、多分2ヶ月後ぐらいにはこれを着て、蕎麦屋さんに行こうとなっているかもしれないですね。
- 前田
- かっこいい。
小山田さんのご本「“着ない服”がゼロになる!稼働率100%クローゼットの作り方」は、講談社より発売中です。