子育ては綺麗事ばかりではない!

中林美和(モデル、会社経営者)×LiLy(作家)

2021

04.09

null

16歳から「CanCam」の専属モデルとして活躍し、その後は、ママモデルの先駆者的存在となり、多数の女性ファッション誌やビューティー紙に登場。また、アロマテラピーアドバイザーの資格を取得、オーガニックスパブランド「MAROA」を立ち上げ、代表兼プロデューサーとしても活動している中林さん。一方、「オトナミューズ」や「VERY」など、女性ファッション誌にてエッセイや小説を連載中のLiLyさん。結婚、恋愛、仕事、などを綴り、女性の心の代弁者とも言われています。

育児の悩みで意気投合



LiLy
こんにちは。

中林
こんにちは。久しぶり。

LiLy
久しぶりだね。美和ちんと出会ったのもちょうど11年か。

中林
怖い!

LiLy
すごく覚えているの。第一子が生まれた時、世の中は2010年で、iPhoneを買う買わない? みたいな。でも、息子を産むし、iPhoneを買おうと思ったのがその頃。Twitterで美和ちんと仲良くなったんだよ。

中林
覚えてる。でもお互いに存在は知っていたんだよね。

LiLy
同じ雑誌に私が書いてて美和ちんが出てて、育児が初めてすぎて3ヶ月くらいの時におしゃぶりをあげたら、金魚が息をするみたいに吸い付いて、もう絶対に取れない。それだけでテンパって、「助けてください」と「泣きそう」と呟いたら、美和ちんが「大丈夫よ、LiLy」って。一語一句を覚えている。「うちもすごい勢いで食いついていたけど、おしゃぶりバイバイってできたから、大丈夫よ」と。

中林
(笑)。その時は、まだ会ってなくて、当時「グラマラス」という雑誌にLiLyの本の広告が出てたの。なんだ、このイケイケの作家はと思って、そこからすごい気になる存在で、本を読んでて、そんな時に、Twitterで、LiLyさん、悩んでいらっしゃるみたいな!

LiLy
もっと遡ると、私は大学生のときに新宿ALTAでバイトをしていて、ヒップホップフロアで、イケてるアパレルショップ店員になるのが憧れだったのよ(笑)。

中林
当時ね。カリスマ店員とかもいたしね。

LiLy
ALTAの屋上で、「CanCam」の中林美和めっちゃイケてるとか話していた時から、存じ上げています(笑)。

中林
嬉しい。もう20年前だね。古い。

LiLy
そう考えると、お母さんになると、いきなりすごい共通点を目の前にくれることなんだなって思った。

中林
そうだね。その後の20年の間にSNSが発展して、悩みとかを共有できるようにもなったよね。

LiLy
そして、すぐに会ったんだね。初対面なのにエレベーターが閉まるまで話が止まらず、意気投合ってああいうことだよね。


ママモデルの葛藤



10年前、中林さんが、結婚、出産を経て、メインモデルとして復帰したのが、ママになってさらに素敵に輝いている女性に向けた「SAKURA」という雑誌。ちょうど、社会的にもそれまでのママのイメージが大きく変化していた時期でした。

LiLy
その時に美和ちんは小学生の子供のママで、「SAKURA」の表紙も飾っていて元祖ママモデルで先駆けを作った人。

中林
その時にママをおしてるモデルがいなかったの。だから面白いかなって思って。

LiLy
本当に希望になっていたよ。今はもっとママ=ステータスみたいになるのも違うけど、たったの10年前は、お母さんだからイケてるモデルではないとか、女ではないとか、現役から外れるみたいなマイナスのイメージがあったの。それを覆した存在だと思う。憧れることができたことが、嬉しかった。

中林
嬉しい。私はやりながら逆で、キラキラしてる、幸せそう、子育てが楽しいママでいないといけない。でも実際の育児はすごい大変だし、難しいから、本当にギャップとの葛藤でもあった。

LiLy
ジレンマだよね。

中林
一番、覚えているのは震災の後にドレスを着て子供のモデルと撮影しないといけなかったの。そういう気分では全くないでしょう、その時に考えちゃって、実際のママの気持ちと、でもママモデルとして求められてる私とですごい葛藤していた。

LiLy
私は本当の自分の実体験みたいのをオブラートに包まずリアリティを書くことをモットーにしてたから、母になることは、モデルにとっても 作家にとっても引き出しが増えるという意味でもあるんだけど、また違う葛藤があったり、綺麗事じゃないじゃない。

中林
そうなの。子育ては綺麗な事なんてないに等しいかもね。



これまでの記事

その他の記事