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松井美緒(タレント)×畠山愛理(元新体操日本代表)
2020
12.25
毎日の献立に悩む
- 畠山
- 野球選手の奥さんと言えば、すごくしっかりされていて、お料理も美緒さんみたいに完璧にできるというイメージ。自分がその立場になった時に、初めてのことが多くて、料理を始めたのも引退して旦那さんと付き合ってからなんです。
- 松井
- 同じ!
- 畠山
- 嬉しい!
- 松井
- 私も料理ができなくて、目玉焼きも焼けなかったんですよ。焼いても蓋を閉めるのを知らなくて、下は焦げるのに上はずっと半熟のまま。
- 畠山
- 私も美緒さんくらい頑張ればできるのかな。
- 松井
- 主人はちょこちょこテーブルに並べてあるのが好きだから、一生懸命やっているうちにできるようになったけど、最初は大変!
- 畠山
- 品数がすごいですよね。料亭に出てくるようなお料理ばかり。
- 松井
- でも私のせいですよね。私がそういう風に求められるものをそのまま作ったから、それが当たり前になってしまって。
- 畠山
- 愛ですね(笑)!
- 松井
- むずむずしちゃう(笑)。
- 畠山
- 食欲をそそるようなお料理ばっかり。
- 松井
- でも作り方とか材料を見るとけっこう簡単なのですよ。
- 畠山
- 例えば、鰹と昆布で出汁をとるものも無駄にしないで、それもふりかけにして、すごいです。野球選手は、遠征するので食材を余らしがちで、まだすごい下手なんですよ。余りものでお料理一品を作る技術がなくて。もうちょっと少しずつ能力をつけていきたいし、美緒さんのお料理は、幅広いですよね。
- 松井
- 残り物のアレンジばっかりだから。
- 畠山
- それが出来るのがいい奥様です。
- 松井
- タレをいっぱい作っておくと便利かもしれない。
- 畠山
- 一回、私、美緒さんダレ作ったんです。プルコギが本当に美味しかったです!
家族みんなで乗り切る
- 松井
- 旦那様を支えているルーティンはありますか?
- 畠山
- ルールはなくて、お料理はバランスの良さを心がけていて、あと家の中がリラックスできる空間になるようにはしています。旦那さんは選手だった時にその日の試合を見直したりしていました?
- 松井
- うちの場合は家に帰ってくるとスイッチが変わるようで、野球の話は、一切、しないんですよね。
- 畠山
- 分かれますよね。
- 松井
- もちろん野球選手とわかっているんだけど、野球選手と感じさせなかった。でも、例えば、あんまり調子が良くない時にバッシングみたいな感じで主人のことを書かれた時は、家の中ではその会話はないんだけど、私自身が読んだりすると、ちょっと切ないですよね。なんて声をかけたらいいのかな、わざと触れないようにしたりとかそういう感じの繰り返しでした。
- 畠山
- すごく共感します。何て声をかけたらいいか、気にする部分もありますね。
- 松井
- うちの場合、2004年に期待されてアメリカに行ったんですけど、その期待があまりにも大きすぎて、応えることができなかった時のバッシングが相当なもんだったんですね。毎日、「今日、本当にこの人、家に帰ってくるかな」と心配していた時は一番切なかった。あと、球場に家族が行った時もファンの方が私たちに向かってブーイングしたりとか、家族にも凄かったんですよ。主人がまだ打席にも立ってなくて、ホームに入った瞬間にブーイング。何千人がブーイングしていたのは辛いね。いくら家の中で野球の会話がなかったとしても、いろいろと分かる部分があったり、感じるものがあるのに、お互いにそこには触れない。それで向こうもまた頑張って次の日に試合に行くから、私は自分の小さな悩みなんて言えないと思って。それがずっと続いていたので、その時が一番大変でしたけど、でも、その時があるから今がある感じでよかったかな。
- 畠山
- 家族で乗り越えた感じですよね。
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