ファッション誌やカタログを中心にスタイリングをこなすかたわら、イベント出演や執筆業にも取り組み、大人気ウェブマガジン「mi-mollet」ではコンセプトディレクターも務める大草さん。一方、『フィガロジャポン』をはじめ多くの女性誌で、ファッションや占いページを担当し、その占いの話しにもフォロワーが多いのが青木さんです。

お互いを刺激した出会い

ふたり

こんにちは。よろしくおねがいします。

大草

青木さんと初めて会ったのはいつでしたっけ？

青木

今日、ここに来る時に思い出していたんですけど、2012年だった。

大草

ということは8年前。私たち同い年なんだよね。

青木

そう！

大草

だから39歳、40歳手前で会っているということか。青木さん、その時、どんな状況だった？

青木

ちょうど、フリーになるかならないかの時期で、震災の翌年だったから、今後の人生や価値観などいろんなことが変わってくるときで、大草さんとの出会いがすごく大きくて、年齢も一緒だし、スタートも編集者というのが一緒。

大草

たしかに。

青木

大草さんがされていることが、先に入ってる風に見えたし、すごいなというのがあった。

大草

ちょうど私が「DRESS」という今、休刊してしまった雑誌のファッションディレクターという初めて肩書きをフリーランスのスタイリストからもらってスタートする時で、青木さんは、何て鳥の目を持っているんだろうと思った。30代の頃は、子供がみんな小さかったから、とにかく子供の世話、半径50 cm以内の虫の目の生き方だったの。本当に目の前の壊れてしまいそうな子供たちをどうにかして育てなくてはいけない、あとは来る日も来る日も撮影をしてたから、それも結構虫の目。青木さんがその時に言っていた、例えば今後時代はこうやって変わっていくとか、人の価値観はこうなるとか女性の生き方は、こうだとか、ある意味、天空からの目、ある意味ユニバースからの目というか鳥の目を持ってる人だなと思って。

青木

さすが大草さん、表現が豊かですばらしい。

大草

私も絶対にそれを持たないといけないなって思った。

いまこそ、改めて「ファッション」に向き合う

大草

この春、いろんなことがあって、おしゃれの軸がすごく変わったと思ったのね。おしゃれは、基本的には自分の内面を表すツールであったり、知性やマナーを表現する一つの方法であったりするし、当然、多くの人に向けてモテたい、綺麗と思われたい、可愛いと思われたい、それを満たすひとつの装置でもあるわけなんだよね。それは、全部、基本的にちょっと外に向いていること。外に向けての自分の一つのファッションの考え方だと思うんだけど、私ぐっと自分に戻ってきた感じがしたの。綺麗な色を着たら、自分が気持ちがいいし、綺麗な色のリングも人のためというよりは自分のためにすることも大事なんじゃないかとか、あとは何より素材。

青木

着心地大事。

大草

着心地がすごくこれからのおしゃれのキーになってくると思います。

青木

大草さんのおっしゃる通り、実はいままでは人のためのおしゃれというか、どこか人の目が気になるとか、人にこう思われたいという軸。でも、自分の自己肯定感みたいのが非常に大事になってくるなと思って。

大草

ファッションが今までいろんな役割があったけど、ここにきて自己肯定という役割を一つ備えるようになったらきっと人の心にストンと落ちていくような気がする。青木さん的に取り入れたいと思っているファッションキーワードを教えてほしいだけど。

青木

ファッションと占いを絡めて、いろんなものを見ていくと面白いなと思っていて、今年はハッピーなシャーベットカラーやパステルカラーがでてきてる印象で、ピンクとイエローがラッキーカラー。

大草

知ってる！青木さんの記事読んでお財布ピンクに変えたもん。こういう状況で、気持ちもちょっと後ろ向きになったりとか、落ちる時もあるじゃないですか、そういう時にやっぱり綺麗な色を見たりとか、美しいお洋服を見たりとかすると気持ちが上がる、あとは他にキーワードってあるんですか？

青木

今年は「金」の年になるそうで、金の年って「丸」、欠けがない、転がってどんどん大きくなる。豊かさとか幸せを感じるために運が膨らむよいう年なんですって。そういう意味では「丸」がラッキーモチーフ。

大草

フープのピアスとかいいの？

青木

すごいいいと思います。

大草

水玉とかもいいってこと？

青木

そう、ドット！

大草

黄色だからといって、黄色いコートではなくても、ピンクのワンピースでなくても、例えばお財布や小物入れだったり、爪の色、リングのモチーフだったり、あえて自分の目に触れるものを小さく取り入れればいいよね。

青木

それでいいと思います。

大草

あと自分の顔から離すと意外と取り入れやすい、トップスにすると、今日の口紅何色にしようとかなるからちょっとハードルが上がると思うんだよね。できるだけ顔から離してあげると普段通りのメイクでいい。小さい部分でグッと変えてくれるから、できるだけ顔から離してあげるといいかなと思います。